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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_2】停滞──予想していたよりも早く

6/28(金)

 前の投稿で、「カラ兄が読みにくい?とんでもない」みたいな舐めたことを書いた記憶があるが、あの若造の思い上がりを拳骨で脳天からかち割りたい気分だ。なぜ上巻の10%ほどしか読んでいない段階でそんな、大それたことが書けたのだろう。前回投稿を読んでくれた皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいだ。まあこれも、一週間に一度感想を投稿することで生まれる面白さだろうと、厚顔無恥に続けることにする。

 具体的に言うと、次男イワンが長老に対して持論(論文の内容)を展開するシーン(第一部、第二編、第五章:アーメン、アーメン)で手が止まった。もし教会が国家だったら?という、もしもボックスみたいな話が滔々と語られる。それがなかなか終わらない。普通に辛い。そのちょっと前にも、かの兄弟たちをほったらかしにして、長老が民衆の悩みを聞いてあげる場面が長かった。そこはまあ面白く読めたけれど、脇道にそれている時間が少々長すぎはしないか?でも、脇道に逸れでもしないと、この長さの小説にならないだろうことは、予想できたはずだ。覚悟の量が、あまりにも足らなかった。

6/29(土)

 一人で台北に遊びにきて、一つの美術館で展示を三つ見た。その一つが、William Kentridgeというアーティストの展示で、鬼のようなドローイングと嘘みたいな手書きアニメーションの映像作品が大量に展示されていて眩暈がした。僕には一生かけてもこんな作品群を作ることはできない。森美術館で塩田千春展を見た時に少し似ている。絶望と興奮が同時に到来する感じ。

自分と自分を会話させるアーティスト

 夕方から夜にかけては、書店を4軒ほど回った。目当ての胡晴舫さんの小説をゲット。台北には会いたい友達が何人かいるのだが、結局、連絡を取らず終いだった。社交性の無さは語学学習において大きな弊害となる。一人で高いラーメンを食べて、一人で木瓜牛奶(パパイヤミルクジュース)を買って、その2階席で、台湾翻訳版の河合隼雄の本を読んだけれど、周りが騒音といってもいいレベルで煩くて、集中できない。何をそんな大声で話すことがあるのだろう。明日世界でも終わるんじゃないか、という勢いで、恋愛観や人生観を共有している。

 ということで、カラ兄が進まない理由は、①文化的活動をしていること(美術館、本屋散策)、②中国語の本を優先していること、③ドリンク店がやかましすぎること、の三つです。次週は頑張ります。

進捗

上巻:■■□□□□□□□□ 23%
中巻:□□□□□□□□□□ 0%
下巻:□□□□□□□□□□ 0%

カラ兄読破まで、あと92.3%

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