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貧困なる日本。

今作っているドキュメンタリー映画「AGANAI」が世に出る場が確定するのをじっと待っている。このNoteではあまり書いてはいないが、私は地下鉄サリン事件の被害者だ。その電車、その車両、そのガスの入った新聞紙で包まれたサリンの入ったビニール袋のすぐ側に立っていた。

それから日本を出て、アメリカに渡り、2001年に参加した映画がパルムドールを貰ったあと、日本に戻った。

日本が本当に酷い社会だと知ったのはサリンを吸った瞬間ではない。日本に戻ってきてからである。

私は被害者として辛酸を嘗めた。その経緯をいつかは記述し、著作として発表しなければならないが、正直、このような過酷な状況でいつまで生きているかわからない

私は19歳の頃、友人に自殺されたことがある。自殺をする時、人間が正気であるとは思わない。では、正気を失った時、私がどうなるかと考えてみても、私には皆目検討もつかない。私は生きるつもりでいるが、私は正気を失った時の私自身を知らないのだ。

それで日付で言うと一昨日、卒業後も近しくしているかつての教え子二人に出会い、私が日本に戻ってから経験した理不尽について話し、録音し、データをYoutubeにアップロードした。

そして、私はかつての教え子に、「もし、私に何かあったらこのYoutubeのリンクをマスメディアに渡して欲しい」とお願いしておいた。 

音源は約25分。私が経験した「貧困なる日本」に関する一人語りである。

最悪は覚悟した。

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