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新卒で消費財メーカーに行った後のキャリア(転職考えている若手向け)

仕事柄、消費財メーカーの若手(1~5年目くらい)と話す機会が多々あり、彼らと話すと最近の世代のキャリア感について感じることがある。

訳あって転職事情に人よりは詳しいこともあって色々と相談をしてくれる(どちらかと言えばこちらが勉強になるのだが)が、自分なりの考えをまとめておきたい。

相対的にマーケティング部門の方と話す機会が多いので、マーケティング寄りの話になっている。営業、財務経理、調査の方にも多少は役に立つ内容だと思う。

1~5年目でキャリアを歩んでいる人にぜひ。外資の方と話す機会が多いが、日系の方にも役立つ内容はあるはず。

消費財業界内で出世を目指している人にはあまり役立たない内容だと思うので、消費財業界内での上を目指したい人は読まずに、実際に昇進している人に聞いてほしい。

あくまで外に出ることを考えている人を中心に向けて書いた。

職種間異動

営業で成果出してマーケティングに行きたいです系のキャリアは早めに考えたほうがいい。さすがに入社したら2年目くらいにはこの点には気づいているかもしれないが、外に出るなり早く動いたほうがいい。

現在の会社で社長ないしは、取締役級を目指す場合は営業もマーケティングもできて損はないし、何より社内の人脈が広がる。よって、営業を10年やってマーケティングに異動してもよいだろう。(違う職種で0から成果を出すことは難易度は高いだろうが)

将来的には転職を考えているとして、営業で成果を出してマーケティングというのはあまりおすすめしない。なぜなら営業とマーケティングは求められるスキルが異なるので、営業で成果を出せる人がマーケティングで成果を出せると限らないし、その逆も然り。

会社によっては営業で成果を出して、異動できるといっていたが実際には異動できないケースも多数だということにそろそろ気づいているはず。

よって、新卒時に希望の職種を選ぶか(もう遅いが)、第二新卒で応募して希望の職種で入れる他社に入ることをおすすめしたい。希望の職種つかむためなら1年目から別の会社に行ってもいいと個人的には考えている。

GAFA

採用が足元で凍結していることもあるが、GAFAへの転職は非常に多い(多かった)。一方で1~5年目で転職する人はそれほど多くない。若手での採用枠ニーズがそれほど多くはないからだろう。

ちなみに消費財メーカーからGAFAの転職はここ5年においては同業移動を除くと最も多い転職先ではなかったのだろうか。特に外資系で英語が使える人は、GAFA側も欲しい人材であったことから人材の流動が活発だった。

英語ができるが年収ダウンになりがちな投資銀行やコンサルよりも採用しやすい。パーソナリティもフィットしやすいのだろう。

GAFA転職によって年収がアップし、ワークライフバランスが劇的に改善されていた。

一部の人は消費財メーカーにいられたら得られないような年収を獲得している。株価が低迷していきているので、今後の人にうまみがあるかは不明。少なくとも10年前に入った人は株価上昇による資産形成がすごい。

もし、元同僚や先輩にGAFAに行っている人が少ない場合はよほど居心地がよい会社か、グローバル化が遅れている会社だとおもったほうがいい。

年収

消費財メーカーは日本にいる限りは市場の成長もなく、外資の場合は昇進枠も新興マーケットや本国に比べて限られていることから、年収は以前より上がりにくくなっている印象をもっている。

日本国内で1,000万円をもらうことはそれほど難しくないが、2,000万円プレイヤーになると途端に減る。東京にいて2,000万円欲しいならGAFAに行くのは間違っていないだろう。偉い人に年収聞いてみるとそれほど高くないなとおもったのではないか。

海外に異動になり、米国、シンガポール、その他東南アジア、ヨーロッパの水準で年収をもらえるようになっている。

海外駐在したところで家賃と生活コストがそれなりにするので裕福にはなっていないが、代えがたい経験をしている。

帰国中の若手を捕まえて、焼肉をご馳走しながら海外の苦労話(うらやましい)を聞くのが定番と化してきた。

昇進

他社への転職を選択肢を考慮しているのに30歳までにマネージャーになれる機会が限られた一部の人にしかない会社は避けた方がいいというのが見解。

上が詰まって昇進できていないというのが大方の理由であろうが、マネージャーの経験も20代中盤から後半にかけてやったほうが伸びしろが大きいので早めの昇進できる会社が絶対によい。マネージャーとしての失敗も20代ならリカバリが早めに効く。

昇進スピードについては同業に聞いてみるとよい。ここでのマネージャーの定義はオフィシャルに部下がいること。新人の教育担当などは違う。

GAFAはマネジメントできる機会が限られており、消費財メーカーでマネージャーまで上りつめておくことは価値がある。

一部の会社が役職名の変更によってブランドマネージャーと呼ばれる役職が実質アナリスト相当と変わらないのでレジュメを見るときはマネジメントの経験を問うたほうがいい。一般の会社でいうマネージャー業務をしているか確認しないと痛い目を見る。

マーケターがクライアントワーク側へ行くとき

マーケティングの部署にいる人は会社問わずリーダーシップを求められる。外資だとマーケティング以外であっても、異なる人種、価値観の中でプロジェクトを推進していくのはときにはselfishであることがプラスになることもある。

日系もグローバルプロジェクトに携わっていると上記に該当するだろう。

一方で、リーダーシップがあるが、転職先がクライアントビジネス(営業やコンサルティングなど)である場合、価値を発揮できずにドロップしている人もいる。客商売(法人相手)が向いてない人は結構いる。

正直、マーケターは様々な業者からペコペコされ、雑な依頼にも答えてくれるので、マーケター自身が多少尊大になってくる。よってクライアントビジネスになった途端適応できない人は一定数いる。

性別によって書くと叩かれそうだが、女性にはこの傾向が少々高いように思う。

リーダーシップの形は人それぞれであるので、成果が出るのであればどれも否定しないのだが、転職先でクライアントワークができないリーダーシップを身に着けてしまうとずっと事業会社でマーケターをしたほうがよいと思う。

商品が好きかどうか

このあたりはもう気づいているだろうが、自社商品が好きかどうかはスキル習得や成果にほとんど相関がないと思う。結論好きではなくていい。

ただし、自分が担当している商品カテゴリの競合や消費者の動向を細かく追っていることはマスト。

逆に自社商品への愛が強い人は、競合をそこまでチェックしていない印象すらうける。

化粧品業界のマーケティングで化粧品に興味関心がない男性で成果を出している人の情報収集や思考は参考になる。メンズコスメを担当している女性についても同じことは言える。

この意味で1,000円未満の消費財を扱っているマーケターは自社商品への愛着はないがビジネスとしての興味関心が高いからやれているだろう。

英語

言うまでもなく英語は古今東西マスト。アクセンチュアのように英語ができなくても困らないような組織構造ではなく、海外から上司が来たり、海外トレンドを集めたりするわけで英語ができないと生き残れない。

日系企業においてもこれは同じで、海外担当できないと良いチャンスはつかめないだろう。日系消費財は例外なく海外に注力しているので海外の駐在という意味ではチャンスもあるだろう。

マーケターが弱いと思う点

マーケターは単年のPLの責任を追っているのでPLについての理解は比較的あるが、BSになると途端に頭が追いついていない印象。ブランドはPLというよりBSに近い存在に思うので本来ブランドマーケティング従事者はBS視点で考えたほうがよいが、単年に視点がよりすぎている。

こうした点はファンド側でブランド経営に携わる方からの学びが多い。必ずしもマーケティングに従事してきた人間が、ブランドの価値を向上させられるわけではないというところはこういった点にあると思う。

BS思考あると成長しそう。

広告代理店のマーケティング理論

結局広告代理店が語るマーケティング理論と、消費財メーカーのマーケターが語るマーケティング理論が交わることはないだろう。宗派の違いとして受け入れつつ、成果を出している人から学んだらよい。

かっこいいことをネットで言っていて注目を集めているが結局大した成果がでていない人はたくさんいる。(自分もマーケティングという観点においてはその1人に該当すると思う)

男女

消費財メーカーはトラディショナルな日系を除くと、男女が~という視点で語られることはないように思う。商材も相まって性差が意識されることなく仕事ができているように見える。このあたりは話聞いてても男女みたいな視点で話を聞くことはないなと実感。

一部の日系消費財の営業とかはややこのあたりは古いところもあるみたい。

ワークライフバランス

どこと比較してというのはあるが、GAFAに比べてワークライフバランスが良いとは言えない印象。ただし、裁量権はあってやりがいがあるし、スキルが身につくのは間違いないので職場に満足してるならこのまま一生懸命働いてほしい。各業界に比べて残業規制による締付けが弱いなと聞いている。

自分に似たタイプに話を聞くことが多いのかめちゃめちゃ2022年も働いている人結構多かった。

若い間はガンガン働いて成長したい人にはおすすめだと思うので成長を求めるなら他の業界には無理して行かなくていいだろう。

転職における学歴

企業名があれば、ほぼ関係ない。同期など、外資系消費財の若手の学歴を聞いて回ればすぐわかるが、大学の幅はかなり広い。あまり知名度が高くない大学からも採用されている。

金融業界に比べると門戸はかなり広い。新卒も中途も同じ。一度入れてしまえばこっちのもので、転職時には学歴が低くても職歴で転職できちゃう。職歴は偉大。有名な消費財に入れたら学歴は気にしなくていい。

転職をいつするか

やりたいことがあるなら、すぐにしたほうがいい。第二新卒枠ですべりこむことができるならおすすめ。もしないならマネージャーを目指したほうがよい。4~6年目でマネージャーに昇進できる可能性を考慮すると、一生懸命目先の仕事に取り組む価値がある。

部下を持つという経験は先程も書いたがおもっている以上に価値がある。これは職種、業界問わない。

それ以上のシニマネ以上の上がり方については現役でがんばっている人に聞いてほしい。

5年目までに何が身についているのか

実際スキルとして何が身についているかは人それぞれ。具体的に転職するときに役立つ経験。(全部ある必要はない)

  • 予算の大きいブランドの担当経験

  • 多くのステークホルダーマネジメント経験

  • 海外経験

  • グローバルプロジェクト経験

  • 予算小さいブランドを1人でまわした経験

  • デジタル

デジタルスキル

今の1~5年目と、6~10年目で比較したときにデジタルスキルは前者のほうが圧倒的にある。インターン経験などで自分で運用した経験がある人と、経験ないのにデジマのdetailを語っている人だと全然使い方が違う。

デジタルのベンダーをうまく使えるのは圧倒的に若手世代。よって、デジタルスキルを強みに、上の世代と戦うとどの業界行っても勝てそう。

ベンチャー

D2C業界を中心にベンチャーもマーケターを採用しているが、業界としての景気がよくないので、チャレンジするなら覚悟をもったほうがよい。個人的にはD2CよりもSaaSのマーケティング責任者のほうがキャリア的な可能性ありそう。マーケティングでもBtoBとBtoCは違うという意見があり、その通りだと思うが、適用できるはず。

5年目まででベンチャーに行った所でそれまでの経験がそこまで役に立つわけではなかったりする。そこそこ大きいベンチャーなら1メンバーとして入って成果出すしかない。元いた会社の手法を無理やりあてはめようとするのは結構ダサい。

CXOになるには若手であれば創業時にほぼCEOと同程度のリスクをとらないとなれない。10年以上いて経験バリバリで転職したらCXOもありうる。

CMOというとかっこよいと思うかもしれないがベンチャーのCMOは意外と地位が低く、金銭的な意味で評価されていない。CTO、COO、営業部長のほうが相対的に重き置かれている。これは別に当然とは思う。

D2C含め、デジタルからマスに行くときに消費財のマーケターは求められるが、マネージャー未満だと能力的に難しいかもしれない。

その他の質問あれば

お気軽に連絡ください。社内での偉くなり方や消費財で偉くなる方法は別の方へ。

書いて欲しいことあれば追記する。あくまで自分の周りの若手から聞いたうえで自分の意見を書いたN1なので悪しからず。

転職やキャリアのことで気になることあればTwitterからDM待ってます。


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