学習塾業界の福利厚生3.0

学習塾業界の離職率は飲食業界に次ぐ高さと言われており、
3年後離職率は40%を超えています。

熱い想いをもって入社した若者が、なぜすぐに離れてしまうのか
これは業界として考えなければならない課題です。

現代の学習塾はもはやインフラと言ってもいいくらい、
学びたい子どもたち、学ばせたい大人たちにとっては、
必要不可欠な存在です。

もちろん、受験不要論、塾不要論
色々ありますが、少なくとも、学校教育だけでは、
子どもたちが何かを学ぶ環境として
不十分であるということは間違いありません。

勉強だけでなく、習い事であったり、スポーツであったり、
それらを教える多くの大人が子どもたちと関わります。

その大人が、
生き生きと働いていないと、
夢を持っていないと
幸せでないと、
子どもたちに良い影響を与えられません。

私は、直接子どもに触れあう大人たちの幸せが第一だと考えます。
自身の仕事に誇りをもって、プライドをもって働いている人にこそ、
子どもたちに価値を与えてあげられるはずです。

では、働いている従業員のロイヤリティーを
どのようにして上げればいいでしょうか?

・給与の上昇
・労働時間の改善

これらはもちろんですが、今回はそれ以外の部分の
お話をしたいと思います。

私はこんな塾講師をたくさん見てきました。

夜仕事が終わってから、コンビニで夜食を買って
生徒と約束したアニメを見ながらご飯を食べて、
日が昇る前まで趣味のゲームをやって寝る。
出勤ギリギリまで寝て、昼過ぎに起きてご飯を食べずに出社する
一日一食生活で、夜一気に食べるため、
太ったり肌が荒れたりする。
長期休みに久しぶりに大学時代の友人に会うと
「お前どうしたの?!」と言われる。
自身の不健康さ、労働環境に不満を持つようになり、
仕事の楽しさを覚える前にやめることを選択する。

そもそも、学習塾で働いている人は
ビジネスパーソンとして、
自身のメンテナンスができていない人が多すぎるんです。
正確には、そうさせるように働きかけている会社が少なすぎる。
会社は、社員が体のメンテナンスをしやすい環境を
整えてあげなければなりません。

多くの塾講師が抱えている問題は

・一日一食など、食生活が偏ってしまう
・疲れてしまって自炊できず、外食やコンビニ飯が増えてしまう
・昼夜が逆転しまって、昼間の活動時間が少ない
・情報収集が子ども向きのことに偏る

それによって

・太る、肌が荒れるなど、外見的なところに悪影響が出る
・出費が増えて、お金がたまらない
・日光を浴びる時間が減り、不健康(精神的に病む)
・ふとした時に自分が成長していないような気持ちになる

結果、高い離職率につながります。

では、それを解決するための一つの手段として、
福利厚生を充実させるというものがあります。

世の中の福利厚生には使えないものもたくさんあるので、
是非見直すきっかけにしてみてください。

今回は私から、3つの福利厚生を提案させていただきます。

①配食サービス

偏りがちな社員の健康のことを考えて、
格安で配食サービスを提供するのはいかがでしょう。

社会人1年目の段階から、
朝早く起きて、朝食をとるという習慣をつけさせる。

これだけで、
・偏った食生活
・昼夜逆転する
という二つの問題の解決のきっかけとなります。

朝のみ、朝と夜、朝昼晩の三食など、
選べる形にして1年目は強制的にサービスを使わせる。
そうすることで、生活リズムが狂わないように
会社でコントロール、管理してあげる
少なくとも、私が一年目だとしたら、
こういうサービスがあったら嬉しかったです。

②住宅手当+自転車通勤手当

塾講師に限らず、社会人に圧倒的に不足しているもの、
それは、運動です。

太陽の下で、日光を浴びながら汗をかいて運動する。
体力の向上、ストレスの解消、体型の維持
適度な運動は健康を維持する上で非常に重要です。

しかし、忙しい社会人になかなかそんな時間は取れない。

であれば、出勤時に歩いたり、自転車に乗ったりして、
運動することでその問題を解決するしかありません。

まず、住宅手当については、
最寄りから2つ隣の駅に住むことを条件に支給する形をとります。

そして、自転車で通勤する場合は
電車で通勤したと仮定する場合の定期代と駐輪場代を支給する。
自転車で通勤すれば、電車賃分を給与として受け取ることができます。
雨の日に電車を使った場合は、後ほど経費精算などで別途支給してもいいですね。

こうすることで、運動する機会を作ることができ、
運動をすることで給与が増えます。
また、会社にとっていいこととしては、
自転車で通勤することで、社員が地域のことを知る機会が増え、
保護者や生徒とコミュニケーションをとる上で、
有益な情報を得ることができます。

教えている生徒の学校にすら行ったことがない塾講師はたくさんいます。
そりゃ、遠くに住んでいて、遠くから通っていたら、
終わったらすぐ帰らなければいけないですし、当然ですよね。
やはり、地域のことを知っていないければ、生徒保護者から共感を得られない場面というのはあります。
そういう意味でも、塾の近くに住み、かつ運動している社員には、
給与が増えるような仕組みを作るのは
一部の社員にとってはうれしいことなのではないでしょうか。

③書籍購入手当(条件付き)

最近ではベンチャー企業を中心に、
書籍購入手当というのは多くの企業が取り入れています。
とにかく、社員に勉強して力をつけてほしい。
多くの経営者はそう願っているでしょう。

学習塾に従事するもの、
生徒たちに学習を教えるものとして、
勉強をし続けなければいけません。

しかし、少ない給与の中から、書籍を購入したりすることは
若干気が引けてしまいますよね。

そこで、ジャンルを問わず、どんな本でも書籍購入費用を
会社側で負担してあげる。
それでは太っ腹すぎるので、条件としては、

・読み終わったら、レポートを提出する(全社共有)
・読み終わった本は、エリア内もしくは社内で共有可能な形をとる
・全社で同じ本の購入は1冊まで。申請が早かったもの、レポートのクオリティが高かったものなど、支給する対象者は会社側で決める。

こうすることで、純粋に学びたい人は学ぶことができ、
漫画などは話はわからなくても、概要を知りたい人はその人が書いたレポートを見ることでざっくり内容を知ることができ、
生徒の話についていけたりします。

一人でも多くの人が学び、その学んだことを多くの人に共有する。

そんな仕組みを作ることができれば、
より多くの方が成長を実感できるかもしれません。

早い者勝ちにすることで、そういう情報にアンテナをはる社員も出るでしょう。

社員同士、競い合いながら楽しく学ぶ
そんな環境を作ることができたらベストですね。


いかがだったでしょうか。
ありきたりすぎず、ぶっ飛びすぎず、
現実的な内容で、福利厚生を考えてみました。

私が知っている中でも

・恋人の誕生日に休みがもらえる
・社員の誕生日プレゼントを経費精算できる
・誕生日は時給が3倍になり、ケーキが渡される
・月5000円までは書籍購入の補助が出る
・ジム代を全額負担してくれる

こういった福利厚生がある企業があります。

皆さんの会社でも、本当の意味で
社員のロイヤリティーが上がる福利厚生を
考えてみてはいかがでしょうか?

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