『天使の翼』第12章(72)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
それで、会話は途切れた。わたし達二人(?)とも、何となく黙り込んでしまった……心が読める二人の間で沈黙なんてものがあるとすればだが……
わたしは、悠然と滑空するエリザの首筋につかまりながら、気流がその強さを増してきていることに気付いた……太陽はどんどん高くなっていく……エリザは、ちょっと体の一部を動かすだけで、自在に虚空を切り裂いていった。
『そろそろ行きましょう!』
彼女は、この時を待っていたのだ。
鉱山街へ行くには、盆地を出なくてはならない。そのためには、強い気流が必要だったのだ。
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