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『天使の翼』第12章(82)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 もう一度ぐいと踏みにじって、思い切り後ろに引いた足で蹴り飛ばした――ジーンズ・スカートのスリットがわたしの思惑以上に自己主張する――
 誰かせっかちなのが、拍手する。誰も続かない……あと一押しだ!
 「あら、あなた達、SSIPのシンパって訳?」
 すぐに反応があった――何人もが首を横に振る……
 (ここの人達も、SSIPやそれに代表される政府、その苛烈な法、施政に恨みがあるのだわ)
 「OK!」
 わたしは、大きく頷いてから、鼻先に人差し指をあてがった。
 「あなた達の気持ちは良く分かった。事を荒立てて余計な災いを呼び込むのはやめときましょう。だって、わたしは、みんなにわたしの歌を披露したくて来たのだもの!」
 わたしは、両腕を大きく天に突き上げて見せた。

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