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ビジネスを考える

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#ニーズ

《連続投稿550日目》技術リソースを活用するには~情報のマッチングが第一歩~

 日経電子版の記事【アスタミューゼ、保有技術から社会課題提示】は、ごく短いものですが、「(記事より)自社技術の生かしかたが分からない企業」の存在、そして、それら企業にその技術リソースと105項目の社会課題とのマッチングを提示する、というきわめて重要な価値の創出が語られていると思います。  そもそも、企業にとっては、自社の貴重な技術リソースを最大限有効活用して、需要を開拓していく事は最重要の課題の一つに違いありません。技術リソースは、それだけでは何の価値もなく、それを有効活用

《連続投稿533日目》潜在的なニーズが顕在化する時~時間の優先順位~

 日経電子版の記事【「おうちごはん」 高級家電でこだわりの味】では、コロナ危機の外出自粛ムードが漂い巣ごもり消費が広がりを見せる中で好調な、家庭でも簡単にこだわりの一品が作れる高級調理家電がリポートされています。  この記事を一読してつくづく思うのは、コロナ危機のようなイベントリスクが起きようとも、一日24時間が変わらず流れ続け、また同時に、一日は24時間しかない、という現実です。  外部環境の激変によって行動変容等が起き、需要が減少する分野が出てきても、厳然として24時

生活スタイルをデザインする~家具メーカー「マルイチセーリング」に学ぶ~

 日経電子版の記事【時代に合わせたソファ次々と マルイチセーリング】は、私達の日常生活に溶け込んだソファというアイテムで、生活スタイルの変化を模索してきた家具メーカーをリポートしたものです。  さっそく記事からその流れ、変化対応するソファを整理してみると―― ▶変化対応するソファ① 第2次世界大戦時、生まれ故郷の越前市に疎開を契機に創業。               ⇩   創業当時~応接間に置かれるような高級ソファ・洋風椅子の製作。 ⇩ ② 家族団欒の生活シーンが和室か

ファミレスのデジタルトランスフォーメーション

 日経電子版の記事【すかいらーく創業50年、次世代ファミレスへ進化中】は、「全国一律・同一商品・同一価格」の『メニューブック』に象徴されるスケールメリットの古いビジネスモデルからの脱却を目指す「すかいらーく」の姿を見事に捉えた好リポートだと思います。  確かに、ファミレスを取り巻く昨今の情勢は、スケールメリットだけに頼った効率化では対応しきれない様々な課題(相互に絡んで相乗的な影響を及ぼしてくる様々な要素)に直面していると言えます―― ▶ファミレスを取り巻く環境の変化① 

TOTOの「走るトイレ」~インサイトをデザインする~

 日経電子版の記事【走るトイレ、TOTOがCESで公開 「TaaS」目指す】は、スマホアプリで呼び出せるトイレ一体型車両のサービスをリポートしたものです。  この記事を一読、久しぶりに面白いモノを見た、と思いました。  確かに、外出先でのトイレはちょっとした問題です。  ――すぐに使えるトイレはどこにあるだろう?  ――きれいで落ち着いて使えるトイレはないだろうか?  ――混んでないトイレがいいが……  ――やばい、トイレがない……  などなど  そして、こうし

外食の海外進出~味を現地に合わせるか?そのままか?~

 日経電子版の記事【なごやめし、世界へ あえて味「そのまま」で勝負 ナゴヤの名企業 新戦国時代 第3部 外食(1)】は、改めて外食産業の海外進出について考えさせてくれます――味を現地に合わせるのか?そのままがいいのか?――。  記事では、海外進出時の味戦略について、「そのまま派」と「現地化派」の両方の事例が挙げられています―― ▶海外進出時の味戦略(1)「そのまま派」の例   ① エスワイフードの居酒屋「世界の山ちゃん」    ・・・鶏の仕入れ・加工を工夫し、食感・味を

『万人受け』vs.『個性派』~ネット通販の隙間戦略~

 日経電子版の記事【アマゾン対抗の個性派通販、カギは安さ・手間・地域性】は、ネット通販におけるアマゾンのように、ガリバーがいる市場でどうやって闘ってゆけばいいか、一つの明確な方向性を示してくれているように思えます。  そもそも、ガリバー、巨大であるということは、『万人受け』するシステムで多くのユーザーを集めている、ということの裏返しでもあります。そこからは、『万人受け』するニーズでは満足できない、多様化する消費者のニーズが抜け落ちているのです。  記事で紹介される事例は、

顧客が先か?ビジネスモデルが先か?

 日経電子版の記事【孤高の成長企業、業界なんていらない】は、業界とは一線を画して成長する企業を追ったリポートです。    確かに、業界という存在が、既存のビジネスモデルのスキームに縛られてしまっているとしたら、変化の激しいコト消費の時代に顧客のニーズを吸い上げていく事は難しいかも知れません。  顧客の欲しているプロダクト(モノ・サービス)を提供するには、顧客のニーズを把握しなくてはならず、顧客を起点としてそのニーズに応えられるようなコンセプトを打ち立てる必要があります。

ニーズを押し広げる

 日経電子版の記事【「ニーズは自分たちで作る」 みそカフェや体験教室】は、業務用中心だった福井の味噌最大手が、次々と新たな施策を打ってニーズを獲得し、市場を拡大していく様を描いたリポートで、改めてニーズとは何か考えさせてくれます。  まず、記事から新たなニーズを開拓していった施策を整理してみると―― ▶新たなニーズを開拓する施策(1)『通販小売に参入』・・・業務用ニーズから小売ニーズへの対応へ              拡大。 (2)『ネット通販に参入』・・・小売ニーズ

アナログに使えるデジタル機器~プロダクトにおけるデジタルとアナログの融合~

 日経電子版の記事【紙のように書ける電子ペーパー、スマホ・Macと連携】を見ると、電子ペーパーもついにここまで来たか、との感を覚えます。    電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」、記事でも十分そのユーザビリティーが伝わってきますが、ネットで公式サイトを探して見ると、さらに迫力があり、企業の力の入れようが伝わってくるようです。  例えば、パソコンから資料のファイルをコピーしてクライアントとのミーティングに出かけ、指摘事項などを直接専用のペンで書き込める。その体

成長のエンジン~経営統合よりデジタルトランスフォーメーションか~

 日経電子版の記事【スシロー、進化形回転ずしで挑む一人勝ち】は、経営統合の交渉中止が株価下落に繋がった件を考察したリポートですが、具体的な事例はさておき、『経営統合』=正論とは限らない事だけは明白です。  ここで、改めて『経営統合』のメリット・デメリットを考えてみると―― ▶『経営統合』のメリット・デメリットの例(1)メリット   ①『調達力強化(スケールメリット)』・・・大量仕入れによる原価    低減。   ②『海外共同展開(スケールメリット)』・・・海外展開加速によ

オープンイノベーションの挫折~最悪の『出島』方式~

 日経電子版の記事【企業のオープンイノベーション なぜ空回り?】を一読し、何か違和感を感じて、2回ほど読み返してみました――浮かび上がってきたのは、そもそも『出島方式』でうまく行く訳がないのではないか、というものです――。  オープンイノベーション(OI)を実施するのに、社を真っ二つに分断して、『OI担当組織』という『出島』と『既存組織』という『本土』を設けてしまえば、『既存組織』が『OI担当組織』に対して冷淡であったり、反発しても何ら不思議はありません。社内が『オープン』

ポケモンGO、やっぱりそうだったか!

 日経電子版の記事【ポケモンGO 始まりはエープリルフール ポケモンGOのつくり方(1)】は、多くのユーザーの心に刺さり大ヒットしたポケモンGOの開発にまつわる、とても興味深い内容です。  私は、この記事の肝、とでも言うべきくだりは、次の一節だと思います―― そこに流れていたのは「ポケモンチャレンジ」と題された動画で、スマホを手に岩山や砂漠を探検するひとたちの姿だった。岩陰にスマホをかざすとポケットモンスターのキャラクターが画面にあらわれる。ボールを投げてポケモンを捕まえ

3Dプリンティングが変えるメーカーとユーザーの距離

 日経電子版の記事【3Dの技術活用 アジアは注力を ビベク・パタク氏 国際金融公社東アジア太平洋地域担当ディレクター】は、改めて、第4次産業革命のアクセラレータ『3Dプリンティング』のポテンシャルを考えさせてくれます。  文字通り、物質を積層的に(3次元に)プリントしてモノを作る『3Dプリンティング』は、テクノロジーの進歩と共に、その基本的な概念でできるコトが増えていけば、驚くべき技術革新『ディスラプション』となることは間違いありません。  その最大の特徴は、例えれば何も