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ビジネスを考える

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#nikkei

《親ペン雑記#9》仕事の『言い訳』10パターン

 ソニーの再建を題材にしたこの記事で『言い訳』という言葉が出てくるのは末尾の次のくだりだ。少し長いが引用してみると―― 「平井はエレキを知らないから、〝外〟から来た人間だから簡単に人が切れるんだ」とよく言われました。とんでもない。社内でも社外でも、つとめて笑顔でいたけど心が痛まないわけがない。誰だってそんな(リストラなどの)決断はしたくない。でも、私がやらないとまた先延ばしになってしまう。 言い訳や愚痴はなし。経営者はなんと言われても結果を出さないといけないんです。この時の

《親ペン雑記#8》プライオリティのクオリティ

 日本経済新聞社と日経BPが共同運営しているライフスタイルサイト『NIKKEI STYLE』の記事【脳を鍛えるコツ3つ 脳トレは筋トレより早く効果あり】はとても興味深い記事で、例えば次の一節などは「なるほど」と思う。 優先順位でToDoリストを作っていても、リモートワークでは仕事と家事がごっちゃに混ざります。優先順位で片付けようとしてもうまくいかず、いちいちやるべきことを考えるたびに脳のメモ帳が浪費されてしまう。シンプルに、時系列でやるべきことのリストを並べて、上から片付け

《親ペン雑記#7》面倒な人のイノベーション

 日経電子版は、何も最新の情報を得るためだけにある訳ではない。その検索機能を使って膨大な過去記事の中から「なるほど」とうならされる読み物を見い出すことのできる、まさに宝の山だ。  下に掲げた【シリコンバレーの神髄は「場所」ではない】なども、そんな珠玉の記事の一本だと思う  この記事では、世間でシリコンバレー、シリコンバレーともてはやされるそのシリコンバレーの神髄、イノベーションのエッセンスが、『場所』そのものではなく、そこに集っている『人』にあることを説いている。  面白い

《親ペン雑記#6》不老不死をめぐるディスクール

 暇を見て日経電子版の古い記事を読み返していると、面白い記事に出会うことがある。いろいろな意味で、最新の情報ばかりが必ずしも有益という訳ではない。  SF小説好きの筆者にとっては、下に挙げた2018年4月の記事【未来での蘇生を願う ロシアで冷凍保存され眠る人々】などとても興味深いものだ。記事によれば「遺体は完全に血液を抜かれ、マイナス196℃の液体窒素に逆さまに漬けられた状態で、100年先まで保存される」とあり、未来の科学の進歩に蘇生の可能性、夢を託したものだ。ちなみに、現時

《親ペン雑記#5》コンビニのトイレをめぐる奇妙な理屈

 コロナ対策でコンビニのトイレが使えなくなりだしてから、既にだいぶ経つ。下の日経電子版の記事などは、2020年の春に出たきわめて初期のものだ。  記事にもあるが、不特定多数の人が触れる箇所が多いトイレは、接触感染のリスクが高いことは明らかで、利用客同士、また、利用客と従業員間の感染リスクを避けるために使用中止とすることはやむを得ない処置と言える。トイレを使いたい切羽詰まった状況の利用客にとっては悩ましい問題だ。いきおいトイレを使いたい利用客と従業員の間でトラブルが起きること

《親ペン雑記#4》現代セルフレジ考

 スーパーやコンビニで自ら商品をスキャンしたり会計をしたりする姿、セルフレジもすっかり見慣れた光景になってきた。少し前の日経電子版の記事【セルフレジの利用客6割に スーパーも導入、民間調査】にもその普及拡大の様子が描かれているが、コロナ禍にあって顧客と店員の接触を減らす効果への期待などが背景にあるようだ。  しかし、このようなセルフレジの潮流は、コロナ禍で加速された側面は否めないにしても、そもそも商品を読み込んで(スキャンして)⇨会計するという時間のかかる旧態依然とした決済

《親ペン雑記 #3》プログラミング教育の必要性

 少し前の日経電子版の記事【IT人材育成、世界が競う】では、世界各国でプログラミング教育が広がる中、特にIT系人材の不足が深刻な日本の現状が憂えられている。  以前《親ペン雑記》で、コンビニという所には社会の縮図のような性質があって、様々な人間模様が観察できる、と言ったことがあるが、先日、まさにこのプログラミング教育の必要性を痛感させられるような現場を目撃した。  それは、私の前でお会計をしていたおばあちゃんなのだが、手持ちの電子マネーに残高が不足していたらしく、チャージす

《親ペン雑記 #2》一方通行のコミュニケーション

 日経電子版の記事【デンソー26年に倍増 東海の製造業、活躍進む女性管理職】では、官民で進む女性活躍への取り組みがリポートされているが、私が注目したのは、文中の次のくだりだ―― 21年度以降に手軽に育休中の女性が職場とコミュニケーションできるような「育休アプリ」の導入も検討する  人間の社会で、日常的な事に始まって大きなプロジェクトに至るまで、何事かをなすには、何にもましてコミュニケーションが、コミュニケーションの質量が重要になってくる。そこに十分な量のコミュニケーション

進化する組織と停滞する組織

 日経電子版の記事【京都で大学経営 日本電産・永守会長「教育に風穴開ける」】は、「(記事より)批判だけでなく、自分で大学を経営してみよう」という永守氏の、ある意味痛快な教育批判です。  さっそく、記事を参考に、それら指摘事項、日本の大学の問題点を整理してみると―― ▶日本の大学の問題点(1)「(記事より)大学の偏差値と入社後の仕事ぶりには何の関係も   ない」   ⇨ 偏差値と仕事のポテンシャルは無関係。だったら、偏差値とは何    なのか?大学とは何なのか?    (

ご当地食の経済効果

 日経電子版の記事【マヨネーズ好きな町は? クイズで巡る「ご当地食」】は、1世帯当たりの消費額で意外な地域が意外な食べ物でトップに立つ状況をクイズ形式で紹介している記事です。  この興味尽きない記事から、それでは何故その地域がトップになったのか、その理由と考えられる部分を整理してみると―― ▶何故トップになったのか?① ベッドタウン化で子育て世代が増え、時短調理である鍋物が好まれる。 ② 太平洋戦争中の国策で、かつお節工場が沖縄に多数作られた。 ③ 栄えた繊維産業の問

ペットテックのポテンシャル

 日経電子版の記事【ネット獣医や愛犬用代替肉 ペット市場にテック革命】では、IoTなど第4次産業革命のアクセラレータをペット業界にも活用することで、「ペットも家族の一員」という消費者の意識に寄り添う施策、スタートアップが紹介されています。  さっそく、記事からその事業分野、様々なカテゴリーをピックアップしてみると―― ▶ペットテックのカテゴリー(1)ペットサービス   ①『犬の散歩代行・ペット預かり』・・・飼い主と散歩代行者・ペット    シッターをマッチングするアプリ

第2ステージに入るリサイクル~企業の本気度が問われる時代に~

 日経電子版の記事【セブン&アイ、ペットボトル回収機を年1千台 環境目標達成へ再利用本格化】では、サスティナビリティ(持続可能性)が求められる時代に、「(記事より)再利用の目標を掲げる企業は多いが回収の仕組みは不十分で、このままでは達成が難しい状況になっていた」事がリポートされています。  この記事を読んで改めて気付かされるのは、日本におけるプラスチックのリサイクル率は8割を超えているにもかかわらず、そのうちの約7割が焼却で発生する熱をエネルギーとして使う『サーマルリサイク

ドライブスルーがMaaSの重要な要素に

 日経電子版の記事【ダイフク、ドライブスルー物流 積載時間を4分の1に】は、荷物をスライドして移動させる「トラバーサ」と荷物を送り出す「コンベヤー」を使って、今まで別々の場所で行っていた荷下ろし・荷積みを、ドライブスルーに1カ所で出来る物流システム「TRTS(トータス)」に関する興味深いリポートです。  確かに、このようなシステムがあれば、省力化・省人化⇨そして大幅な時短が実現し⇨結果、トラック一台当たりの効率が改善されて⇨運送に必要なトラックの台数の削減にまで繋がっていき

西洋薬的発想と漢方薬的発想

 日経電子版の記事【サイエンス、微細な泡で食器汚れ落とす】は、「(記事より)キッチンで水の出し止めを調整する水栓金具の部品を開発した。先端部から空気を取り込み、水の中に1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル未満の微細な泡「ウルトラファインバブル」を生み出す」という「ミラブルキッチン」についてのリポートです。  記事によれば、このような微細な泡の効果として―― ▶微細な泡の効果① 微細な泡が油汚れの下に入り込む⇨汚れを浮かし取る⇨高い洗浄効果。 ② 通常より短時間