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ビジネスを考える

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2020年7月の記事一覧

《連続投稿573日目》不景気が跳躍台になる会社

 日経電子版の記事【日本電産の永守会長「不景気の後ほど最高益のチャンス」】では、日本電産の2020年4~6月期連結決算についてのウェブ説明会の骨子がリポートされています。  この記事で最も印象深いくだりは、何と言っても末尾の次の一節ではないでしょうか―― (記事より)永守会長「過去のことをどうこう言ってもしょうがない。外部環境が悪くても自分たちで風を起こし、たこを揚げる戦いができるチャンスだ。リーマン・ショックの1年後には最高益を出した。今期も、すぐに最高益をたたき出す元

《連続投稿572日目》ロボットに時給を払って雇う時代

 日経電子版の記事【ロボット、時給980円で雇う 省人化にもサブスクの波】では、クラウド上で管理されたロボットの、必要な時+必要なサービス+料金は利用した分だけ、という『RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)』がリポートされています。  ついに、ロボットも時給で雇う時代が来たか、という感じですが、さっそく記事などからそのベネフィットを整理してみると―― ▶『RaaS(ラース)』のベネフィット① ロボット導入に関心はあっても、買い切りとなると、投資負担は  大きく、導入障

《連続投稿571日目》今求められるリニューアルとは~どこをリニューアルするか?~

 日経電子版の記事【ユースキン製薬、主力商品をリニューアル】では、創業65年を機に、9月に主力のスキンケア商品をリニューアルするユースキン製薬がリポートされています。  企業にとって、主力商品のリニューアルは、そのベクトルを間違う訳にはいかない真剣勝負です――どこを、どう変えるのか?――。  日経電子版にもリニューアルに関する記事は頻繁に掲載されますが、この記事の事例はどのようなリニューアルでしょうか―― ▶ユースキン製薬の主力商品リニューアル① ビタミン系クリーム「ユ

《連続投稿570日目》コロナで急拡大のアニメ動画

 日経電子版の記事【アニメ動画、リモート営業支える 採用・研修にも需要】では、コロナ禍で対面営業が減少する中、アニメ動画の需要が急拡大している状況がリポートされています。  コロナ危機によってアニメ動画の需要が拡大する、そこでは一体何が起きているのでしょうか?  さっそく記事からそのメリットを整理してみると―― ▶コロナ危機下のアニメ動画のメリット① 実写動画に比べ、発注から完成までリモートでの制作が容易である。 ② 広告・販促・採用・研修・オープンキャンパスなど様々

《連続投稿569日目》ウェブ会議はリアルなUXが問われる時代に

 日経電子版の記事【ビデオ会議を「同じ部屋」で マイクロソフトが開発】では、米マイクロソフトが、ビデオ会議参加者が「同じ部屋」にいるように見せる機能「トゥギャザーモード」(仮想の講堂・カフェの座席に皆で座っているように表示)を開発した旨リポートされています。  さっそく、そのベネフィットを記事から整理してみると―― ▶ウェブ会議に「同じ部屋」感が加わると……① 在宅勤務の寂しさを紛らわす心理的効果。 ② 通常のウェブ会議よりも低ストレスで疲れを軽減できる。 ③ 発言者

《連続投稿568日目》プロダクトをリニューアルするには~アスクルに学ぶ~

 日経電子版の記事【アスクルのプロ用乾電池 大胆改良で売り上げ増】では、仕事現場に多いデジカメ・トランシーバー・計測機器など大電流機器用を想定していたアスクルのPB「ハイパワーアルカリ乾電池PRO」のリニューアルが取り上げられています。  企業にとって、自社のプロダクトのリニューアルは、そのベクトルを誤って消費者離れを招くようなことがあってはならない、逆に、ユーザーの意見・不満・インサイトをすくい上げて需要が拡大していくような方向へともっていかなくてはならない、きわめて重要

《連続投稿567日目》水道会社がスーツを作った!?~『尖ったアイデア』が生み出す『刺さるプロダクト』~

 日経電子版の記事【水道会社発の「スーツ」 遊びから生まれたヒット アパレルの非常識(1)】では、元は水道会社が現場の作業員向けに作ったユニホームという、スーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」が、「(記事より)2018年に生まれたばかりのブランドが19年度に3億円を売り上げた。20年度は10億円を見込む」異彩を放つヒット商品となっている事がリポートされています。  大量廃棄問題をはじめとして、その大量生産モデルが限界に達し、コロナ危機も重くのしかかるアパレル業界にあって

《連続投稿566日目》AIのもう一つの活用法~現地に行けなくても~

 日経電子版の記事【くら寿司、マグロの品質をAI判定 仕入れに生かす】では、直接現地でマグロの品質を確かめることができなくても、スマホカメラとアプリで品質を判断できるAIがリポートされています。  この記事で「なるほどな」と思ったのは、①AIに熟練のバイヤーの目利きの技能を学習させ、②スマホで簡単に対応できるアプリをデザインする事で、③現地に行く必要がなくなった、という点です――「なるほど、AIにはそういう使い方もあるのか」と――。  このようなAIの使い方には大きなポテ

《連続投稿565日目》スモールプレーヤーの勝ちパターン~マツダに学ぶ~

 日経電子版の記事【マツダ「弱者の兵法」 人なし金なしでも世界一の技術】では、経営リソースが限られたスモールプレーヤー、小規模自動車メーカーであるマツダが、自動車のエンジン技術で世界トップに上り詰めた、その闘い方がリポートされています。  さっそく記事から、その闘い方、技術開発のメソッドを整理してみると―― ▶スモールプレーヤーの開発メソッド(1)『課題の選択と集中』・・・多数の課題の中から、多くの課題に通じる               共通課題を発見し、または、多くの

《連続投稿564日目》広がるD2Cのポテンシャル~D2Cはイノベーションの装置~

 日経電子版の記事【「D2C」でモノ・体験を直販 サイト工夫、ファン育成】では、企業が消費者にECなどで直接商品を販売するD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)のスタートアップが続々と誕生している旨リポートされています。  さっそく、記事からその事例をピックアップしてみると―― ▶D2Cスタートアップの例(1)「MOON-X」   ① コミュニティー・・・自社サイトに作り手のこだわりを伝える物語を              掲載。            ・・・ビールを

《連続投稿563日目》裾野広がるダイナミックプライシング

 日経電子版の記事【進化する「ダイナミックプライシング」 採用分野拡大、変動要素多様に 奔流eビジネス】では、様々な分野で採用され出したダイナミックプライシングが取り上げられており、興味深いものがあります。  さっそく、記事から様々なダイナミックプライシングの事例をピックアップしてみると―― ▶裾野広がるダイナミックプライシングと                その周辺サービス① レストランを完全予約制・前払い制とし、曜日・時間帯によって価格を  変える。 ② 需給に応

《連続投稿562日目》顧客接点としてのCEO~Zoomのウェビナー「エリックに何でも聞いて」に学ぶ~

 日経電子版の記事【Zoom、危機対策の「CEOに聞いて」を月1で継続】では、3月下旬に露呈したセキュリティー問題(ズーム爆弾・暗号化技術に関する説明の不備など)を、「(記事より)「90日間(3カ月)は安全性対策に集中すること」と「CEOによる進ちょく説明」」で乗り越えたZoomがリポートされています。前者は当然として、後者のウェビナー「エリックに何でも聞いて」にはどんなポテンシャルがあったのでしょうか。  企業にとって顧客との対話の場、顧客からのフィードバックを吸収し、企

《連続投稿561日目》テレワークのあぶり出す弱点~テレワークを支える4つの『必要性』とは~

 日経電子版の記事【「責任あいまい」テレワークで弱点あらわ テレワーク新常態(3)】では、テレワークにおける社員のマネジメントに悩む企業の抱える様々な課題がリポートされています。  さっそく、そのような課題の数々を記事からピックアップしてみると―― ▶テレワークにおける社員のマネジメントに                   関する悩み① オフィスという共通の場にいないので、業務の進捗を把握できない。 ② 目の前に本人がいないので、健康管理が難しい。 ③ 上司の指示が

《連続投稿560日目》タイムマシン効果のUX

 日経電子版の記事【試合結果を隠して表示 スカパーJSATが無料アプリ】では、スカパーJSATの、試合結果表示を遮断してウェブサイトを閲覧できるスマホアプリ(ユーザーがアプリで球団を1つ選ぶと、球団名・選手名などの単語を含むサイトの閲覧をブロックする仕組み)がリポートされています。  確かに、仕事からの帰宅後などの試合の録画視聴を楽しみにしていたのに、何気なくサイトを見ていて試合結果が分かってしまうような表示が出てくる事は、映画の視聴直前にいきなり結末が告げられてしまうよう