環境の大切さ~NAZELAB見学から学んだこと
埼玉県の秩父に位置するフリースクール「NAZELAB(ナゼラボ)」を見学させていただきました。運営者である舘野さんは、ご夫婦ともに地球惑星科学者というユニークな経歴をお持ちで、探究学舎の地球シリーズも担当されていたそうです。探究学舎とのご縁からNAZELABを知り、その最大の特色である「森での日中活動」に強い関心を持ちました。また、活動中にはiPadやスマホを使ったゲームや動画視聴を行わないというポリシーにも興味を惹かれました。
ただ、言葉だけでは具体的なイメージが沸かず、どうしても実際にその様子を見て学びたいと思い、見学をさせていただきました。
やはり百聞は一見に如かず。見学を通して「森で過ごす」という言葉だけではわからない、沢山の事を学ばせていただきました。
活動場所の選択肢
NAZELABの日中の活動場所は、毎日同じ森ではなく、森や大きな公園などいくつもの選択肢があるそうで、毎朝子ども達とどこで活動するかを決めているそうです。この「選択肢がある」という事がキーワードの一つだなと思いました。
大人の時間制限をなくす
また、子ども達の活動をできるだけ時間で区切らないよう工夫していることも印象的でした。 移動する時間、お昼の時間、帰る時間...これらを大人の都合で急き立てることなく、子ども達のリズに任せることで、子ども達の創造性が驚くほど発揮されることを目の当たりにしました。
私が走ることを得意とすると子どもたちに伝えたところ、彼らの中で走りたいという自発的な動きが生まれ、「ぷちかけっこ教室」へと発展しました。
こういう時、かけっこ教室をやっていてよかったと思います。
iPadやスマホから離れてみると
森の中では、ゲームや動画は一切ありません。 でも、彼らがゲームや動画が大好きなことは一緒に話していてわかりました。 好きなユーチューバーやマイクラの話など、同年代の子と話題は同じ。 そんな彼らも、iPadやスマホから離れ、森の中に入れば、自ら遊びを作り出し、創造力を如何なく発揮させることに驚かされました。 ゲームや動画は簡単に完成された遊びを提供してくれますが、それらがない元々の環境では子ども達は本能的に自らの創造力で遊びを作っていくようです。
本とキッチン
午後は、NAZELABの建物内を見学しました。1階は実験や作業ができる高天井のスペースであり、そこから広い階段を上がると、天井が低く落ち着いたリビングのような空間が広がっていました。階段やリビングには子どもたちの興味を引く多種多様な本が置かれており、その蔵書の選択も参考になりました。
見学した日はホットケーキを作る日で、キッチンはリビングの正面にありました。キッチンは子どもが遊びの中で入ってこれないように、奥まったところにあるのが普通だと思います。でも、ナゼラボではリビングのどこからでも見える位置に配置されており、子どもと大人が自然に交流できる設計であることが印象的でした。
環境が変わると子どもも変わる
この見学を通じて、環境が子どもたちの活動に与える影響の大きさを実感し、その重要性を再認識しました。例えばこんな環境です。
- 自然に囲まれた環境
- 子ども達に活動内容や活動場所の選択肢が与えられている環境
- iPadやスマホがない環境
- 時間の制約がない環境
- 興味を広げる本に囲まれた環境
- 子ども達の生活する空間の一部にキッチンがある環境
舘野ご夫妻にはこの貴重な機会を提供していただき、心より感謝申し上げます。
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