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『R・E・S・P・E・C・T』トイレの直し方とアナキズム

ブレイディみかこの新刊『リスペクト』、最高でした。

ロンドン五輪の影響で住む場所を追い出されたシングルマザーたちが公営住宅を占拠したという、実際にロンドンで起きた事件を元にした小説です。

占拠した公営住宅に人種も年齢も職業も性別も異なるいろいろな人が集まってきた。
たくさんの食べ物やおもちゃのカンパがあって、困っていることはお互いで助け合う場所ができた。
お金がなくても回っていく小さな社会。政府も警察もない。
お互いの尊厳を守る(リスペクトする)という目的のために集まった人たちの場。

「トイレの修繕講座ってめちゃくちゃ現実的に役に立つ。マジでこれ、アナキー」

トイレの構造を解説しながら、修繕方法を教えているおじさん。
それを見て、若者が興奮して言った言葉です。
新鮮で印象的でした。

本書で繰り返し出てくる「アナキズム」という言葉。
正直ちょっと危ない匂いがして、これまで積極的には関わって来なかった言葉です。
でも、本書で草の根のレベルの「アナキズム」が解説されていて、目から鱗でした。
とりあえず、『アナキズム入門』と『寿町のひとびと』を読んでみます。

「ネットなんかじゃダメなんです。フィジカルに集まって生きることをサポートし合う「場所」が要る。」

この言葉も強烈。
すぐにミエルが思い浮かびました。
ぜひ、ミエルの本棚に加えたい!

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