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「遊星より愛をこめて」 - ウルトラセブンの封印された第12話に思うこと-

『ウルトラセブン』には、放送から3年後に欠番となり「封印」されたエピソードがあります。それは第12話「遊星より愛をこめて」。「スペル星人の回」としても有名です。初回放映のみで再放送では扱われず、50年以上経った今でも「幻の作品」とされています。なぜこの回は「封印」されたのでしょうか。

■真っ白な体の宇宙人
ウルトラセブンの第12話は、スペリウム爆弾の実験で被曝してしまった宇宙人スペル星人が、腕時計に似せた道具を使って、地球人の血液を集めるというストーリーです。スペル星人は、真っ白な体にケロイド状の火傷の跡がついた、核爆弾で被爆したような痛々しい姿でした。

スペル星人_auto_x2

この回が放映された1967年当時はアメリカとソ連の間の冷戦のまっさかり。軍事的な緊張が高まっていました。脚本の佐々木守さんは12話に込めた思いを「核実験反対」と、実相寺昭雄監督も「被爆のない国へ、がテーマ」と語っていました(二人ともすでに故人)。

■被爆者団体から抗議
しかし3年後の1970年、小学館の学年誌『小学2年生』の付録についた怪獣カードで「ひばくせい人」と紹介されたことが大きな騒動となります。(実際の番組では「被爆星人」という字幕やセリフは使われていません)。
円谷プロの円谷一社長(当時)は被爆者団体からの抗議に対し、『ウルトラセブン』第12話の「封印」を約束したのでした。

以上が「第12話」が封印となった経緯です。(ここまでは「ハフポスト日本版」を参考にさせていただきました↓)

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さて・・・ここからが私(Atsushi)の意見です。

倫理観や世相というのは時代とともに変化するものなので、昔の番組を再放送する際には『本作品はオリジナリティを尊重して放送致します。ご了承下さい』みたいなテロップが出ます。ウルトラ警備隊がタバコを吸いながら仕事をするとか、シートベルトせずに公道を走ったり(当時はOK)、ナンバープレートを外してたりとか・・・当時はOKでも今はNGのものがあるので、このテロップでフォローしているわけです。昨年の4Kセブンでもテロップが出ていましたね。

ただし、被曝問題というのはちょっとレベルが違う・・・これは人権問題でもあり、倫理観や世相の変化という程度でフォローできるものではありません。確かにスペル星人のデザインは今見ても「アウト」です。

なので、私の解決案はこうです。スペル星人の映る場面だけ新しく撮り直して、差し替えて公開するのです! スペル星人が登場する場面はセブンとの戦うシーンを入れても5分弱なのでそれほど難しくないはず・・。

元々スペル星人はカブト虫のイメージが原案だったそうなので、新スペル星人をデザインして着ぐるみから新しく作るのです。・・・と思ったら、すでにスペル星人のカブトムシ版をデザインしてくれている方がおられました!(楠 健吾 様、イラストお借りさせていただきましたm(__)m)

もしスペル星人が(メトロン星人みたいに)等身大で、当時の役者さんといっしょに映っているシーンがあれば再現不可能ですが、幸いにも写っているのは巨大化した特撮場面だけ。新スペル星人の着ぐるみと背景のミニチュアは必要ですが、ホークやセブンの着ぐるみは今でもあるわけだし・・当時と同じ16mmフィルムで撮って違和感なくつなげることは今の技術ならそれほど難しくないはずです。つまりこんな感じになるわけですね。

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↓こういう所は難しい・・でも出来ないことはありません。セブンもいっしょに新しく撮り直しちゃえばNo Problem!


この方法なら200〜300万もあれば出来るはず。クラウドファンディングで集めてもよいですし、あとは円谷プロさんのやる気次第でしょう。

解禁されないまま52年も過ぎてしまったセブン第12話。アンヌ隊員の活躍が多い回であることも悔やまれます。近い将来、一部差し替えてでもよいから陽の目を見られることを願います。


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