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【物書き部企画】海外在住者対談!「私の住む街、こんな街」アジア編

「私の住む街、こんな街」

海外に住むってなんか憧れる〜、というあなたの夢を現実味のあるリアリティに引き戻す、という対談プロジェクト(笑)です。


物書き部 〜第二章〜 Presents
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちのインタビュー記事
田村淳の大人の小学校・すばらしき児童たちとは?


今回の対談は、アジア編


マレーシアのボルネア島に在住のかおりさん (以下:かおり)
韓国在住のみゆきさん (以下:みゆき)
中国在住の井上さん(今はコロナの影響で日本です、以下:井上)


この御三方と対談しました。
インタビューアーはヴェネチア在住のナターシャです(以下、ナタ)

1) どこに住んでいますか、なぜその国に住んでいますか?

井上:上海住人ですが、コロナで帰れていません。元々中国の医学部で東洋医学を学びたくて、中国に来たまま、在学中に起業をして、卒業しても雇っている人をそのまま放置して日本に帰れず、そのまま20年くらい住んでいます。


かおり:マレーシアのボルネオ島で、教育の仕事をしています。元々去年の4月にくる予定がコロナで11月になりましたが、住んで6ヶ月くらいになります。大分慣れてきて、年中過ごしやすい気候が気に入っています。


みゆき:海外で暮らしたくて、最初にアメリカに行きましたが、肌にあわず、帰国。当時、冬ソナが流行っていたので、韓国のコミュニティーに参加し、今の韓国人の夫と知り合いました。そこから、韓国で生活がしたいと思い、アルバイトだと時給が安すぎるので日本語の教員免許を取り、韓国に行きました。転職も経て、今では結婚して、韓国人の妻、そして一児の母です。


2) 海外に住んでいて不便なことはなんですか?

井上:中国は経済発展が著しかったので、2002年の着いた当時に不便だったことも今は解決している、という事が多いです。昔は本当に何も無かったので不便なことだらけでした。最初に住んだ南京は、特に田舎で、午後8時になると街灯がないとか、安全な環境じゃないんです。街が賑わってなくて、8時になるとみんな寝ちゃうんですよね。
大学の校内も中国って緑と赤が好きだから、その色のランプで木を照らすのでお化け屋敷みたいで怖かったです。
逆に今の2021年で不便なところって、物価がすごく高いところですね。上海は大阪の2倍、東京の1.5倍くらいのコストがかかります。航空券が往復で60〜70万くらいになってます。コロナ云々より前に高すぎて帰れないですw

みゆき:不便なところたくさんあるので箇条書きにしました。
- お風呂の追い焚き機能がない
- 地下鉄にエレベーターがあるとは限らない
- 家族の集まりが多すぎる
- この時期の黄砂がひどい
- 約束事の基本は当日
- あとは声が大きいとかですね。


かおり:すごく不便、というわけではないけれども、買い物の時に大変だなと思います。全てのものが手に入る場所がなくて、例えばイスラム教で食べない豚肉は、遠くの豚肉専門店に行かなければ手に入らない事でしょうか。


3) どんな種類のお酒がありますか?

かおり:ビールとワインしかなく、あまり種類が手に入りません。日本食専門店でサワーや梅酒が買えます。


みゆき:私はハイボールが好きなんですが、日本で1300円くらいのサントリーの角瓶が韓国では4000円くらいします。


井上:中国で有名なのは青島(チンタオ)ビールです。最近はウィスキーやワイン作りなんかも盛んで、飲むものが増えたなと思います。あとは白酒(ぱいちゅう)と呼ばれる52度の蒸留酒が特徴的な飲み物かな、と。


4) その国でしか食べられないものはなんですか?

井上:中国はもう4つ足のものはなんでも食べるのでね・・。蛇とかコウモリも普通に食べますし、ワニとかも食べます。昆虫系は南の方で食べます。個人的には、最初にきた時にパクチーと山椒の香りが衝撃的で慣れるの時間を要しました。


かおり:こっちでは豚や牛が手に入りにくい分、鶏肉が手に入りやすく、すごくジューシーで美味しいです。あとは果物が豊富で、美味しいです。ドリアン、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、パッションフルーツ、スターフルーツやパイナップル、マンゴーなど、どれも甘くて美味しいです。バナナの木はもういろんなところに生えていますね。


みゆき:韓国でポピュラーなのは(写真で見せてくれた小さなオレンジの果物)チャメっていうんですけど、食感と味は私たちがメロンで硬くて捨てるところにそっくりです。みんな大好きなデザートですが、私はあまり好きじゃなくて。これを種ごと食べるんです。


井上:中国にもありますよ。種は食べませんが、人気です。
みゆき:あとゲテモノ系では小さなゴキブリの子供みたいなのを、おやつがわりに食べます。匂いが特徴的で遠くに居てもわかります。タンパク質が豊富って言われていますがちょっと気持ち悪くて食べられません。


5) 着るものの特徴・民族衣装などを教えてください

みゆき:韓国はチマチョゴリですね。結婚式の時と、息子の100日記念で来ました。着物より楽ですし、いっぱい食べられます。笑
かおり:マレーシアはイスラム教の国なので、女性は肌を出しません。観光でモスクに入る時も髪の毛や肌を隠すスカーフをします。海に入る時もスカーフをつけたまま入っています。


井上:中国の民族衣装のチャイナドレスですけど、正装すぎて着ている機会があまりないですね。タキシードみたいな感覚です。以前、スーツで結婚式に参加したら「お前が結婚するのか」って怒られた事があります。結婚式も私服で参加が一般的ですね。


6) 恋愛について教えてください

ナタ:日本って「付き合ってください」って言って、デートに行く感覚が普通ですけど、ヨーロッパって何人かとデートしている状態があって、その中から一人「専属でお付き合い(exclusive)しましょうよ、という感覚なのですが、皆さんがお住まいの国ではどうですか?


みゆき:韓国は日本とほぼ一緒ですね。付き合いましょう、からスタートするのは変わりありませんが、「好意」を見せてくるので、こちらも考える時間がありますね。


かおり:公の場でイチャイチャしないですね。イスラム教の国なのであまり公共の場では控えている感じですね。


井上:昔は、外国人の方が、旅行でどこかに行く時に結婚証明がないと一緒に泊まれない時期がありました。手を繋いだら子供ができちゃうんじゃないかって泣いちゃう女の子とか、大学卒業するまでどうやったら子供ができるか知らないって方もいました。
今はマッチングアプリが大流行していて、そこで恋人を探したりしている時代です。

7) 「日本のコレ」が恋しい

みゆき:コンビニの店員さんの接客が恋しいです。一時期、過剰接客が問題になっていましたが、私は韓国の店員さんの態度が悪すぎて日本のサービスが恋しいです。


井上:新鮮な魚が恋しいですね。中国のスーパーも態度が悪くて、物も見つからないし、「パンはどこですか」って聞くと、「ない」って言われます。ないわけじゃなくて案内するのが嫌で、ないって言っちゃうんです。


かおり:マレーシアで一番衝撃を受けたのはトイレですね・・。シャワーがあるんですけど、トイレを使用した後に、自分の体も、トイレも、床も、洗い流すのでトイレが水浸しの状態なんです。トイレットペーパーも豊富じゃないので、洗い流して、そのまま暑いので自然乾燥しています。座るところもびちゃびちゃで、ちょっと抵抗があります。


井上:帰国すると成田のトイレに住みたくなりますよね 笑

ナタ:すごく分かります。イタリアのウォシュレットはビデっていうのがどこの家もついていますが、未だにどう使っていいのか分かりません。ウォシュレットとして使うなら自分が移動しないといけないし。やっぱり日本のトイレが一番ですね。


8) 日本にイライラすることは?

井上:中国では電子マネーやカードが主流だから日本の現金主義なところがイライラしますね。この間200円なくて電車に乗れなかった事もあって。中国だと携帯で決済できるから、その場で現金をもらって、自分の携帯マネーで決済できます。


みゆき:日本のキャッシュレスのポイントが全然つかない事ですかね。
かおり:マレーシアの人って怒ることをしないので、時間に遅れても、仕事に失敗しても、おおらかに対応するから、キリキリしてないし、気持ちがいいですね。


9) 教育で違うところを教えてください。

井上:中国は詰め込み教育です。「頭がいいってどういう事ですか?」って先生に聞くと、「覚えることだ」って返ってきます。日本との大きな違いは、塾がないって点ですが、いい学校に入ると夜まで学校で勉強させられるので、同じ、ですかね。


かおり:マレーシアのローカル校は午前に学校行く生徒と、午後に行く生徒と分かれていています。だから半日しか学校にいないんですよね。そして親の送り迎えが必須なので、その時間の交通渋滞がすごいです。あとは色々な人種の人がいて、小さい時から3〜4言語を学ぶのが普通なのですごいなーと思います。


みゆき:韓国も詰め込み教育ですね。息子は今、韓国の学校に通っていますが、1月と2月はまるまる冬休みなのでその間に日本に帰って、2ヶ月日本の学校に通わせています。あと、運動会も日本の方が盛り上がるので、その間だけ行かせています。


10) YesかNoでお答え下さい!

Q:一生食べるなら和食だ
A:3人ともYES!


Q:日本人の妻が世界一だと思う
A:3人ともNO
NOの理由は、愛嬌のある外国人女性が多い気がするから、世の中には素敵な女性が多いから。


Q:折り紙で鶴が折れる
A:3人ともYES!


Q:和菓子を食べると甘さが足りない、と思ってしまう
A: 3人ともNO!
ナタ:ヨーロッパのお菓子が甘すぎるから、もっと甘くていいかも、って思っちゃうんですよね・・。


Q : 日本のトイレが一番だ
A:3人ともYES!


Q:読むのは日本語が一番早い
A:3人ともYES!


Q:木は桜が一番好き
A:3人ともNO!
みゆき:私は「日立」のCMの木が好きです。

かおり:マレーシアの島に行った時にトトロに出てくるような大きな木があったので、そういうのが良いです。


Q:納豆が好き
A:みゆきNO, 他2人はYES!


Q:海外で生卵を食べる
A:みゆきNO, 他2人は新鮮ならYES!


最後はリスナーの方からの質問です。


11) その国に住んで良かった事は?

井上:中国の発展を見られたのが良かったかな、と思います。買うかは別として、日本でも手に入らないようなエルメスやヴィトンの最新作が手に入る環境にあるなど経済発展したな、と感じます。森ビルが高いビル、を建てたらその隣にさらに10メートル高いビルを建てるのを見たり。ダイナミックな多様性が見れたというのが良かったです。


かおり:マレーシアのボルネオ島から船で15分くらい行くと綺麗な島がたくさんありますが、普段は観光客でいっぱいですがコロナで入国禁止になっている間に行きました。そしたら本当に綺麗で。オオトカゲやさるなどの珍しい動物も見れましたし、シュノーケリングしたら海がとても綺麗で、プライベートビーチ化してたので贅沢でした。


みゆき:メンタルが鍛えられたという事、生きる術を学べる、日本では仕切り役だったのに、韓国ではもう他の方がリードしたがるので、その点も楽です。


12) 海外に出る友達にアドバイスするとしたら

みゆき:外国人の方と結婚するとなったら、相手が宗教に入っているかどうか確認しておいた方がいいです。


かおり:私は日本にいた時の方が住むことに不安がありましたが、住んでみたらそうでもなかったって感じです。でも隣がフィリピンで、この間も海賊が出たり、違法で移民がボートでやってきたり、日本では考えられないような事が起こり得るという危機感は持つ必要があるのかな、と思います。


井上:アジアに行く人は多いと思いますが、「気をつけていないとバカにしている」という点で、根本的な所でちょっと馬鹿にしている(日本だとこういうのがあるのに、欧米の人と英語で話すと緊張するけどフィリピンの人だと話せる)という認識があってから来た方が良いと思います。


インタビューは以上になります!

音声の対談からちょっと抜粋して文章にしているので、元の対談はこちらから聞けます!面白かったので、とってもおすすめです。



通勤や家事をしながら、聞いてもらって、クスッと笑ったり、へぇ〜って思って頂きたいです!

「インタビューを受けた人」
【3期生】かおりさん

【4期生】みゆきさん

【3期生】井上さん

「インタビューをした人」
【3期生】Natasha

(2021/10/18現在)