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予算管理SaaSのカスタマーサクセスに必要な会計知識とは

こんにちは!株式会社ナレッジラボの小野と申します。

私が所属するカスタマーサクセス部では、Manageboardをご契約いただいたお客様へManageboardの導入サポートを行っているのですが、予算管理SaaSという性質上、カスタマーサクセスを行う上で、基本的な会計知識を有していることが前提となります。

この点について、特に採用面接などで、「会計知識はどの程度必要か?」という質問をいただくことがありますので、このnoteでは、その質問にお答えしたいと思います。

結論:簿記2級レベル+α

いきなり結論なのですが、採用面接や新メンバーの加入時には、将来的に「簿記2級レベル」の会計知識の習得をお願いしています。

あくまでも「将来的に」であって、必ずしも簿記2級が採用基準ではありません。したがって、入社時に簿記資格を有していなくても問題はないのですが、入社後には簿記2級レベルまで達することを求めています。

簿記2級を取得していれば、財務3表連動や基本的な原価計算の考え方を理解しているといえますので、Manageboardを取り扱う上での基礎的な会計知識を有していることになります。

「簿記2級レベル」を証明するためには簿記2級を取得することが一番の近道ですが、最近の簿記2級の難易度は非常に高いので、必ず簿記2級を取得しないといけないということではありません。ただし、定期的に、簿記2級相当の知識を有していることのチェックを行っています。

そして、「+α」の部分には、予算管理SaaS特有の論点である次のような要素が入ります。

・予算策定
・非財務情報
・財務諸表分析
・中期経営計画 etc...

これらは経理や経営企画、経営(予算管理)コンサルティングの経験がないと習得が難しい領域なので、入社時には知識としても求めず、入社してからの習得を目指していただいています。

さらにいうと、これらは、私を初め既存メンバーと一緒に、勉強会などでスキルアップを目指す領域と位置付けています。

おすすめ本

会計知識に自身のないメンバーには、こちらの書籍をおすすめしています。

会計の分野では説明不要なくらい有名な書籍ではありますが、特に予算管理SaaSという観点から、次の点が優れているといえます。

・財務3表の連動性に焦点があてられていること
・一つ一つの取引ごとに丁寧な説明があること
・基本的な取引とその処理方法を網羅していること

Manageboardは予算管理SaaSなので、特に財務3表のつながりの理解は必須です。「貸借対照表のここの数字を変えたらキャッシュフロー計算書のここに影響がある」という基本的な財務3表の連動性を理解することで、お客様がManageboardで将来の財務3表を作成する際に、適切なサポートを行うことが可能となります。

この本の特に第3章までを理解すれば、Manageboardのカスタマーサクセスとしては、エントリーレベルで十分な会計知識を有していると言ってもいいのかなと考えています(当然ながら、その先も継続的な自己研鑽が必要なのですが)。

ちなみに私の本棚には、10年以上前に購入した初版と増補改訂版の2冊がストックされています。

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会計知識はあくまでもドメイン知識

ここまで、予算管理SaaSにおける会計知識の必要性を述べてきましたが、カスタマーサクセスとしてのスキルは会計知識のみで語られるものではありません。

カスタマーサクセスとしてのスキルや知識を語る際、私はよく「ドメイン知識」と「プロダクト知識」という言葉を使うのですが、Manageboardのカスタマーサクセスにおいては、会計知識=ドメイン知識であり、Manageboardの仕様理解=プロダクト知識です。

どちらかが欠けてもお客様にプロダクトの価値を届けることができませんので、一定程度の会計知識を前提に、プロダクトの仕様理解度も高めなければいけません。

とはいえ、多くのSaaSがそうであるように、ドメイン知識の向上によりプロダクト知識も向上するという正のサイクルが生まれますので、まずは、土台として一定レベルの会計知識が必要になると考えています。

さいごに

今回は予算管理SaaSのカスタマーサクセスとして必要な会計知識について紹介しました。

ナレッジラボ代表の国見をはじめ、経営陣に公認会計士などの会計資格を有している人間が多いため、会計資格や会計知識が採用の前提と思われることもあるのですが、決してそんなことはありません!

会計知識がなくとも、入社後のトレーニング環境は準備していますので、ご本人のやる気次第では、短期間で簿記2級のレベルまでは習得いただけるのではないかと思います。

会計知識を活かしたい方、会計知識はないけど予算管理SaaSに携わりたい方のご応募をお待ちしています!

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