Kohata Atsushi

Seventeenth and Eighteenth-century philosophy, and on the intellectual history of the period more generally (esp. Hume and Reid)

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  • 『ヒューム入門』ダイジェスト

    Hume: A Very Short Introductionを解説する記事です

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出版社に入って3年半

#会社員でよかったこと 30代中盤まで大学院生をずっとやってきて そのまま教授職でも目指すもんだと思ってたのに 突如、目覚めたかのように就活をし 苦労した末、見事出版社の編集者として就職ができた。 最初は単純作業のようなものばかりで これが編集作業の基本になるのだが 割と自分でも社会人楽にできるんじゃないかと思っていた。 しかし、いざプロジェクトの責任ある仕事を任されたとき プレッシャーと闘いながら一冊の本を仕上げていった。 そこで覚えたのはやはり進行管理とクライアント

    • デイヴィッド・ウィギンズのヒューム解釈の一考察:賢明な主観主義説・「趣味の基準について」の道徳論への示唆?

      はじめにヒューム道徳哲学は、狭い意味のヒューム解釈にとどまらず、現代倫理学の分野でもヒューム主義としてさまざまな立場の名称として使われている。 今回注目したいのは、デイヴィッド・ウィギンズの「賢明な主観主義?」という論考に表明されている感受性理論である。この立場は、ヒュームの現代倫理学理論として代表的であったマッキーの錯誤説や、ブラックバーンの準実在論といった反実在論的想定とは異なるアプローチで、やや実在論的様相を呈している。 興味深いことに、ウィギンズはヒュームのエッセー

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      • Hume: A Very Short Introduction(邦訳『ヒューム入門』丸善出版、2024)を勝手にダイジェスト(一)ヒューム受容の三つの不運とイントロダクション

        ▶連載について  今年はヒューム国際学会(Hume Society Conference)50周年だそうです。そこで、たまたま今年出た、自分が何かしらを担当したHume: A Very Short Introduction(2021:邦訳『ヒューム入門』丸善出版、2024年)を紹介する自分なりのダイジェスト版を書いていこうと思います。著者の正確な主張については本書を手に取って確かめてもらうのが一番なので、ここでは一読者としてこの本をどういう本として受け取っているのかを伝える

        • 兵庫県美方郡新温泉町の風景

          新温泉町の湯村温泉あたりをぶらついていました。

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        出版社に入って3年半

        • デイヴィッド・ウィギンズのヒューム解釈の一考察:賢明な主観主義説・「趣味の基準について」の道徳論への示唆?

        • Hume: A Very Short Introduction(邦訳『ヒューム入門』丸善出版、2024)を勝手にダイジェスト(一)ヒューム受容の三つの不運とイントロダクション

        • 兵庫県美方郡新温泉町の風景

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          3月は不本意ながらお休みになりそうです。

          3月ですが1月、2月とずっと不調のため やる気は出ていたのですが体調が追いつかず 色々お休みすることになりそうです。 こういうときは仕事も研究も気にせず サウナに行ったり運動して汗流したりして まずは身体の健康を整えることを優先した方が 良さそうです。 うまいもん食いにも行きたいですね。

          3月は不本意ながらお休みになりそうです。

          2024年はもっと休みたい

          2024年ももう2ヶ月が終わり 学年歴的に2023年度ももう1ヶ月で終わり 今年ですが、去年休みたいと言いながら 査読論文を一本通してしまうぐらいがんばってしまったので 2024年(度)はいっそう休みたいと思います。 今年の目標は東京都近辺のサウナを制覇したいと思います。 あと哲学の古典、特に難読書をどんどん読んでいきたいです。 古典でコテンパンにしてやんよ。

          2024年はもっと休みたい

          哲学の向かう先〜天か地か〜

          哲学の先駆者といえば 古代ギリシアのソクラテス、プラトン、アリストテレスが代表的ですが、プラトン、アリストテレスの思想は対極的にあることは有名です。 アテナイの学堂という有名な絵画では プラトンが天を指差し、アリストテレスが地を指し示すというのがありますね。 二人の思想の対比について カッシーラー『象徴・神話・文化』の中では、 ゲーテに下記のように語らせている。 プラトンとアリストテレスのこのような対立が 合理論と経験論、観念論と実在論などの対立の軸となっているという。

          哲学の向かう先〜天か地か〜

          2024年のあつしさん

          2024年になりました。 今年もよろしくお願いします(喪中のためご挨拶は略) 去年は休むつもりでしたがお仕事で大忙しでしたね。 研究の方はそんなにはやってませんが、 ちょっとした成果が出そうなので予告しておきます。 多少はがんばりました。 今年は国際学会で発表する予定です。 滅多にない海外渡航をします。 研究テーマは相変わらずトマス・リードの自由意志論(行為論)です。 世界トップクラスの研究者になるまではやめられませんね。 がんばるぞい

          2024年のあつしさん

          思いがけないクリスマスプレゼント

          今日はいいことがありました。 思いもよらぬことがありました。 長い時間をかけて じっくりやってきたことが ようやく実った感じがして 報われた気がしました。 それだけです。 何があったかは 今後のお楽しみです。

          思いがけないクリスマスプレゼント

          2023年は休んだ

          2023年ももう50日切ったというところで これまでnoteに何も書き記すことはなかったですが 駆け抜けるような一年だったかというと 所々忙しくもあり暇だったりと緩急の激しい一年でした。 研究方面はというととりあえず査読論文を二つ出して 一本リジェクト、一本査読待ちみたいな状況なので、 まあまあアウトプットはしております。 今年は隔週ぐらいのペースでほとんど 温泉&サウナに行ってた気がします。 行きつけの温泉施設は寝っ転がれるスペースがあるので そこでひたすら古めかしい古

          2023年は休んだ

          2023年はなるべく休みたい

          休みたいわけですよ。 2015年から博士課程に進学し、 2021年に無事博士号を取得したわけですが、 その前に2020年に就職してしまって、仕事を続けつつ 博士修了した後2022年もなぜか学会、それも国際学会での発表をし、 さらに日本哲学会でも発表したため、 ノンストップで活動しているわけですよね。 今年ぐらいは休んでいいんじゃないかなと思いますので、 研究活動についてはサバティカルということで 2023年はお休みします。 ただ英語論文は書かなきゃダメだし、 紀要論文ぐら

          2023年はなるべく休みたい

          2022年を振り返る

          はじめに 2022年はひたすら発表する、公に出るということを心がけた一年のような気がしますね。 研究動向はResearchmapをご覧いただければ分かりますが、 トマス・リード研究 まず一つ目ですがリード研究ですね。 今年はひたすらに自由意志に着目する研究をしてました。 自由意志という概念や行為者因果説が現代にどう意義を持ちうるかについて考えております。 発表の場としては2022年3月、 INSTITUTE FOR THE STUDY OF SCOTTISH PHILO

          2022年を振り返る

          悪の問題に取り組む

          神は善なのだとしたら 悪はどこから来たのか 悪が現実にあるのだったら その原因は神にまで辿らなければならない 神は善なのだから 悪に見えるものは実は悪ではないという 世界は最善に創られている じゃあ僕の身に降りかかるように見える理不尽なことも すべて悪ではないと 飢餓で苦しむ人々や行き場のない難民も 皆悪を被っているわけではないと 僕はまだ納得ができないらしい この問題は僕が初めて哲学の原点に触れるようになった 大学3年の頃に読んだテキストにあった 時代も国も違う

          悪の問題に取り組む

          哲学者の伝記が好き〜Biographilia〜

          僕は思想家の研究をやっている研究者が書く伝記が好きだ。 ある思想家を研究するとき、大抵の人は哲学なら哲学、政治なら政治など、自分の専門とする分野を切り口にして扱うことが多いが、その思想家に総合的に関心を持つ人ってどれぐらいいるのだろうかとは思う。 僕はその思想家を知るというとき、時代の制約の中でどういう人と交流したりとか、どういう環境の中で学んだりしたとかを知りたいと思ってしまうので、そういうとき伝記の類は便利だ。 あと僕の密かな基準として、論文で伝記が参照されているか

          哲学者の伝記が好き〜Biographilia〜

          有神論と無神論のはざまで(読書感想文@小並感)

          博論も完成稿を提出し終えたところでしばらく休みなはれと大学院事務の方に言われたので好きな勉強をしようと、毎朝の通勤ラッシュで読む本は何にしようかと思って、そういえば先々月末に大きな仕事をやり遂げて記念に買っていた本を読むことにした。 そこでピックアップしたのが、昨年末翻訳が出たジャンニ・パガニーニさんの『懐疑主義と信仰:ボダンからヒュームまで』ですね。 特に最近、ヒューム、ベールの比較に関心を持っていた私としてはど真ん中で、第六章と第八章を重点的に読まなばといった感じです

          有神論と無神論のはざまで(読書感想文@小並感)

          何かのメモ

          デカルト Des Cartes  カドワース Cudworth クラーク Clarke アバネーシ Abernethy プライス Price ヴォルフ Wolf ヒューム Hume

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