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【ワインの記録】サン・テミリオン(Saint-Émilion)訪問記

2023年11月4日に、ワインの銘醸地のサン・テミリオン(Saint-Émilion)を訪れました。なお、ボルドーも初訪問です。ボルドーからは電車で40分ほどで行くことができます(が、電車の本数がとにかく少ないので、要注意)。
丘の上にある小さな旧市街の周りの斜面は、見渡す限りぶどう畑が広がっています。場所にもよりますが、黄色く色づき始めていました。晴れたらもっときれいなのでしょうけど、当日は雨風共に強く、特に午前中はほぼ嵐でした…。そんな中、
ぶどう畑を歩いているのもほぼわたし一人。

場所によりますが、黄色く色づき始めていました。

サン・テミリオン一帯は、貴重な宗教施設や自然と調和した街の発展といった独自性から、ユネスコの世界遺産に登録されています。旧市街は中世の趣を色濃く残していて、細く急な石畳の路地は雰囲気たっぷりですが、雨の日は滑りそうでヨチヨチ歩きせざるを得ませんでした。

雨に濡れた石畳、恐々歩きます。

せっかくのサン・テミリオン訪問ですので、午後はChâteau La Gaffelière というワイナリーの見学ツアーに参加しました。ツアーは歴史→畑→醸造タンク→貯蔵庫(樽)と順に解説を聞いて、最後に赤ワイン3種類のテイスティング、1時間強で20ユーロでした。好きな人ならお値打ちだと思います。

面白いなと思ったのは、

  • 赤ワインはメルローとカベルネフラン(フレッシュさとエレガンスを加える意図)のブレンドでカベルネソーヴィニヨンは使わない。

  • カベルネフランは熟すのに時間がかかるので南斜面。

  • 実はシャルドネのワインを少量生産(AOC的には単なるVin de France)。理由を聞いたら空いてる畑を活用すべく、家族が好きな品種を植えたとか。(本当かなあ?)

  • ブドウは手摘みで3週間かかる。選果は粒の大きさと色で自動選別。

  • タンクは上が広く下が狭い形。その理由を聞いてみたところ醸造の際の果帽からのエキス抽出の仕方のためとのこと。上から果汁を注いで果帽を通す時には果帽が薄くなるようにタンクの径は大きく、果帽を絞る時には自然に圧力がかかるようにタンクの径は小さく、という理由とか。

  • 格付けの離脱は、ワイン以外の評価項目があったから。確かにこちらの資料によるとプロファイル(プロモーションなどの普及活動、流通量、国内外での評価)が20%だそうで、確かにこれは、、、と思ってしまいますね。

醸造タンク。上が広く、下が狭い形でした。
貯蔵庫。新樽と旧樽のバランスを考慮しつつ、最終的には全部ブレンドするとのこと。

このワイナリーは、東側にシャトー・パヴィ、北側にシャトー・オーゾンヌがありまして。まあせっかくだからと畑を覗いてきました。

シャトー・パヴィ
シャトー・オーゾンヌ

きちんと区画整理されたぶどう畑ってきれいですよね。ここのところ雨続きで(秋は雨が多いけど3週間も続くのは珍しいとのこと)、訪問当日も本降りの雨でしたので、ブドウの木の根元はドロドロ。さすが粘土質土壌のサン・テミリオン。

見学前にシャトー・ヴァランドロー直営ショップにも寄ったのですが、荒天からかわたし1人しかいなかったのでテイスティングしながらお話を聞けました。テイスティングの流れから2023年のヴィンテージについて聞いたところ、8月上旬に雨が降ったのに気温も35度近くあって、ボルドーではベト病(mildiou)が流行ったそうです。軒並み収量減で壊滅的なワイナリーもあったとか。ということで、2023年はボルドーにとっては厳しいヴィンテージになってしまったようですが、でも正直で素晴らしいなと思いました。

向かって左はポムロールで土壌に鉄分が豊富とのこと。確かにミネラル感が全然違いました。

いろいろ飲ませて頂いて感じたのが、カベルネフランが良い仕事をしているということ。この産地に限らず、いろいろ試して深掘りしていきたいと思いました。

(この記事の写真、カラーはFujifilm X-E4で、モノクロはLeica Q2 monochrome で撮影しました。)



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