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英国大学院留学決意から出願準備、合格まで (IDS、マンチェスター)

みなさん。こんにちは。
今回は、僕が英国大学院への留学を決意したところから、合格通知を受け取るまでを、できるだけ詳細にお伝えしてまいります。
*質問等はXのDMでいただけるとスムーズだと思います!

大学院留学を決めたきっかけ

将来は国際協力の業界で働きたいと考えている人ならば、誰しもが考えるであろう「修士号の取得」。
就職の時にも修士号が条件になっていることが多く、大学生の時から、いつかは修士号を取得しようと思っておりました。

が、周りの大人たちは「大学卒業からストレートで行くよりも社会人経験を持ってから大学院に進学した方がいい」が圧倒的で、大学生の時にフィールドに行く機会が多くあり、その中で一度社会人としての経験を積んでみたいという思いもあり、まずは社会人を経験することにしました。

モビリティメーカーに入社し、社会人やっていると、まぁ楽しくてですね、どんどん自分ができる業務の範囲が広がっていく喜びと、海外出張が身近にある職場に配属されたこともあり、社会人1年目からフランスに長期出張に出してくれたり、東南アジア出張案件が課内に沢山あったこともあり、仕事に充実を感じていて、プライベートも楽しんでおりました。

Covid-19がパンデミックを起こし、海外出張の機会もなくなり、仕事への充実感が薄れてきた頃に、本部への異動が決まりました。
本部での仕事は、日本国内とアジア、北米の部品調達戦略の構築と実行がメインで、途上国と呼ばれている地域のビジネスに関わることができ、ダイナミックで面白い仕事だと感じていました。
しかし、提案した戦略が、関連の取引先の工場閉鎖や人員削減をもたらすことがあり、「世界の人々の生活をより良くすることをやりたいと思っていたのに、実際は人々の生活を奪うようなことをやっているのではないか」と思う場面に出くわすことがありました。
ビジネスの世界では競争があるので、ダウンサイジングが発生することは当たり前のことではあるのですが、割り切ることができずに悩むことも多くありました。

もっと、相手の立場に立ったビジネス展開と、他国の支援を必要とせずとも国際社会で生き残っていけるようになるための国づくりのサポートをしたいと2021年2月(社会人3年目の冬)に強く思い、大学院進学を決めました。
その夜に、友達に「大学院進学決めたわ!」ととりあえず決意の電話をしたのを覚えています。

大学院留学出願準備

大学院選び(2021年3月から6月)

大学院進学にあたって、まずはどの大学に進学するのかを探し始めました。
日本の大学院にするのか、国連本部のあるアメリカの大学院にするのか、開発学の研究が盛んなイギリスの大学院にするのか、それとも支援が入っている国の大学院にするのか、、、

大学時代に、参加型開発の権威であるRobert Chambers氏を知り、教鞭を取られていたIDS (Institute of Development Studies) には漠然と興味を持っておりました。

しかし、今までの経歴では、農村開発、女性と子どものエンパワーメント、インフラ開発、栄養、教育、ヘルスなど様々な領域で国際協力に関わってきて、民間企業ではビジネス展開をやってきたことから、何を修士号で取れば良いのかイマイチピンとこない、、、

ということで、まず初めに見たのは、開発学の修士号を取れるような大学院でしたが、ざっくりし過ぎている感じがする。。。
セミナーに参加したり、大学院のコースの詳細を見ていたのですが、開発について調べていて、ふと辿り着いた「ODA大綱」を読んだ際に、ビビッときたんです。

ア 「質の高い成長」とそれを通じた貧困撲滅
世界には,いまだに多数の貧困層が存在しており,世界における貧困削減,とりわけ絶対的貧困の撲滅は,もっとも基本的な開発課題である。特に様々な理由で発展の端緒をつかめない脆弱国,脆弱な状況に置かれた人々に対しては,人道的観点からの支援,そして,発展に向けた歯車を始動させ,脆弱性からの脱却を実現するための支援を行うことが重要である。
同時に,貧困問題を持続可能な形で解決するためには開発途上国の自立的発展に向けた,人づくり,インフラ整備,法・制度構築,そしてこれらによる民間部門の成長等を通じた経済成長の実現が不可欠である。ただし,一定の経済成長を遂げた国々の中にも,格差の拡大や持続可能性の問題,社会開発の遅れ,政治経済的不安定等の課題に直面する国々があることに鑑みれば,その成長は単なる量的な経済成長ではなく,成長の果実が社会全体に行き渡り,誰ひとり取り残されないという意味で「包摂的」であり,環境との調和への配慮や経済社会の持続的成長・地球温暖化対策の観点を含め世代を超えて「持続可能」であり,経済危機や自然災害を含む様々なショックへの耐性及び回復力に富んだ「強靭性」を兼ね備えた「質の高い成長」である必要がある。これらは,我が国が戦後の歩みの中で実現に努めてきた課題でもあり,我が国は自らの経験や知見,教訓及び技術を活かし,「質の高い成長」とそれを通じた貧困撲滅を実現すべく支援を行う。

外務省 開発協力大綱
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/taikou_201502.html

「あ。自分が取り組みたかったものって、貧困削減だったのかもしれない」

開発協力大綱には様々な意見がありますが、今までやってきた活動が、この文章を読んだ際に繋がった気がして、貧困研究をテーマにすることに決めました。

そして、結果として出願した大学院とコースは下記の3つのコースとしました。
・Institute of Development Studies (University of Sussex), MA Poverty and Development
・The University of Manchester, MSc International Development: Poverty, Inequality and Development
・London School of Economics and Political Science, MSc International Development and Humanitarian Emergencies

国内大学院も見ていたのですが、イギリスの大学院は多くの国から留学しにきている人が多いということと、IDSへの想いを捨てきれず、まずはイギリスの大学院に出願することにしました。
IDSの出願したコースは、開発領域か途上国における経験が1年以上求められる社会人向けコースだったこともあり、クリアできる経歴を持っていて、社会人留学の僕にはちょうど良いと思い、IDSを第一志望にしました。
(実際は新卒も紛れていることを入学後に知ります、、、)

2021年入学も間に合う時期だったのですが、仕事がちょうど盛り上がってきた時期であったことや、英語のスコアなども含めて2ヶ月弱で提出する必要があったこと、国内大学院(2022年4月入学)もまだ視野に入れていたので、2022年9月入学を目標に進めることに決めました。

出願書類準備(2021年6月から9月)

出願には、BEOという海外留学をサポートするエージェントを利用しました。
おすすめの大学院の紹介や、語学サポート、ビザ取得サポートなども行っていただけるのですが、大学院の出願代行のみをお願いしました。

留学エージェントを使用するメリットとしては、過去の留学経験者の志望動機書や推薦文のサンプルを見れることが一番大きかったです。
サンプルを見てみると、定型文のようなものが多く存在していることを知ることができ、この点ではとても助かりました。

志望動機書(PS)とCVは、このサンプルを参考にしたのと、ネットで「海外大学院 志望動機書」「Graduate school Placement Sheet」「CV Examples」と調べると、膨大に例文や書き方が出てくるので、それを参考にしながら書きました。
毎週末にドトールや図書館に通って準備し、6月半ばから書き始めて、7月末にはIDSとマンチェスター用の2通は書き終わっていました。

7月末にBEOの無料の添削サービスを使用しましたが「Well written」とフィードバックが返ってきました(それだけ?って感じではありましたが)ので、他の添削サービスは使用せずに、そのまま提出しました。
参考のために、この投稿の末尾に2校分の志望動機書を掲載しておきます!

推薦文(Reference Letter)は、2通必要だったのですが、大学時代に2つのゼミに所属していたこともあり、その教授にお願いをしました。
条件が「少なくとも1通はアカデミックであること」で、エージェントからは「1通は所属の会社の上司の必要があります」と言われたのですが、大学院のHPにはそのような記載がないので、そのまま出願してもらいました。
大学院進学による退職がメジャーではない会社では、なかなか推薦文の依頼はしづらいですよね、、、
(エージェントは担当者によって言うことが違うので、全面的に信じない方が良いと思います)
7月末に志望動機書とともに教授に依頼し、8月末までに手元に届くように準備をしてもらいました。

LSEはBEOで出願代行をしてもらえないことと、志望動機の文量が多かったので、まずはIDSとマンチェスターを出願して、不合格だったらLSEを提出する形で出願準備を進めました。

イギリスの大学院の多くは、出願順に審査され、席が埋まるとそこで募集終了。
出願が早ければ早いほど有利なようで(本当かは不明)、10月の出願オープンのタイミングで出願できるように、9月末には全ての書類をBEOに提出しました。

英語のスコア獲得(2021年4月から12月)

これが一番の壁でした。
出願する大学院の中で、入学に際しての英語条件が一番厳しかったのがIDSで、IELTSのオーバーオールで7.0以上(全ての項目で6.5以上)が必要でした。

4月にお試しで受けてみたIELTSのスコアはオーバーオールで5.5で、撃沈。
(そういえば英語苦手だったことをこの時点で思い出します)

こうなったら、課金だ!

ということで、IELTS特化のオンラインの英語講座を実施している、イングリッシュイノベーションズのIELTSオンラインコースを受講しました。
ちょうど、イングリッシュイノベーションズが、オンラインコースを始めたタイミングだったこともあり、1週間に3.5時間(リーディング+リスニング2時間、ライティング1時間、スピーキング30分)で「6ヶ月コースに申し込んでくれれば、入学金と教材タダにして、プラス3ヶ月無料でついてくるよ」コースに申し込みました。(約15万円でしたが、会社の福利厚生を使ってほぼタダに⭐︎)

授業時間としては3.5時間なのですが、なかなかの量の宿題が出まして、強制的にIELTSに特化した試験対策をさせられるのが、個人的にはとてもあっていました。
7月に受けたIELTSでオーバーオール6.5(3ヶ月で1.0アップ!)でした。

9月末に出願書類を揃えたかったので、スコアは達していないものの、とりあえずこのスコアで出願しました。
*ここでもエージェントに「スコア達していないので、IELTSのスコアは出さないでおきますね」と言われました。「いや、出してください」と強くお願いをして、「意味ないですよー」と言われましたが、このスコアで出してもらいました。
(この後、大きな意味を生みます)

大学院留学合格発表

10月半ばにIDSとマンチェスター大学に出願完了したよ!という連絡がエージェントからあり、マンチェスター大学については、推薦文を各推薦者に大学からメールが送信され、各自でアップロードする形に変更になったという連絡がありました。

そして、11月21日にサセックス大学からUnconditional Offerを受け取りました。(IELTS 6.5で無条件合格!スコア出しておいてよかった)
第一志望だったので、合格通知を受け取った瞬間に、受諾の連絡をしました。

ちょうど会議中に合格通知を受け取り、「よしっ」と声を出してしまい、同僚に変な顔をされたのも思い出です。
*後日その同僚に退職を伝えた際に、「あの時に何かの朗報を受け取ったのはわかってたよー」と言われました。笑

12月頭にマンチェスター大学からも合格通知を受け取ったのですが、推薦文の確認が取れていないので、推薦文をアップロードしてくれたら、正式にオファーを送付すると連絡がありました。
大学の教授に確認する必要がありましたが、出してもらってもIDSに気持ちは固まっていたので、マンチェスター大学にはこのタイミングで、合格辞退をしました。


このような形で、1月から始まった出願準備は11月の合格発表を持って終わりを迎えました。

出願自体は2校だけでしたが、出願を通して、改めて自分はどんな勉強がしたくて、その後にどのようなキャリアを進みたいのかを考えるきっかけになったので、出願期間はとても有意義な時間でした。
少しでも参考になると幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございます。

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