勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし

「勝ちに不思議の価値あり 負けに不思議の負けなし」

これは、大名ながら剣術の達人であった江戸時代後期の平戸藩主、松浦静山が剣術書『剣談』のなかにある一文から引用されたものです。


人生の中にはたくさんの勝負があると思います。
大きい勝負も小さい勝負も、人生は勝負の連続だと思います。

勝負で負けたときには必ず原因があります。
その結果になった要因は何なのか、どうすればよかったのか。もしそれが力不足であれば、どうしたらその不足が解消されるのかを考えることが重要であると思います。

あるインタビューで2022年の夏の甲子園で優勝した仙台育英の須江監督が「勝って得られるものはほぼない、失うものの方が多い」ということを言っていました。

勝つという目標を達成してしまったら、なかなか振り返ることをしない。
なぜ勝てたのか、負ける要素はなかったか、細かいところに目が行き届きにくくなるからだと思います。
また、勝つときはなぜ勝てたのかわからないときがある。そんな時に得られるものは勝ったという事実だけになってしまいます。
そういう理由でこの言葉が出たのではないかなと思います。

負けの理由や負けから学べる自分の脆さ、取り組みの甘さを認識することで次の勝負に向けて準備をする。これこそが成功する秘訣であると思います。

「人生は敗者復活戦である」
この言葉も須江監督がおっしゃっていた言葉です。
たくさんの負けから何を学び、どう生かすのか、そして最終的に敗者復活戦で勝てばいいと思います。

僕も野球を通じてたくさんの勝負に負けてきました。
試合に負けることはもちろん、打てなかったり、エラーしたり走塁ミスをしたり、そのたびに何がいけなかったのか、次の勝負に勝つヒントは何かを究明してきました。
最終的に目標には届きませんでしたが、自分でも成長したということを実感できました。

これからも、たくさんの勝負事で負けることはあると思います。
そのたびにこの言葉を思い出し、成長の糧にしたいと思っています。

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