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就活において、学生の間にできることは?

 大学生達に教えていると良く出てくる質問で、「今、何をすればいいですか」とは毎年聞かれます。もちろん、人によって答えは違うといえども、ある程度の方向性はあります。今回は、アルバイトを切り口にしてお答えします。
 ここで伝えたいことは2点あります。
・自分で選んだアルバイトには将来のヒントが隠れている
・選ぶアルバイトは自分の将来につながるものを選ぶ

自分で選んだアルバイトには将来のヒントが隠れている

 学生の間にできることは、本当に多いです。大学生になると多くの人がアルバイトを行うと思います。その時、何を基準にしてアルバイトを選びますか。

 本文に入る前に簡単に自己紹介をします。私は、塾を起業して10年になり、理系の大学でもキャリアデザインの講師を行って7年目になります。その前は、放送機器メーカーやIT企業にて足掛け10年、エンジニアとして働いていました。

 もちろん、近いところがいいとか、時給が高い方がいいとか、いろいろな理由があると思います。みんな、自分が絶対にいやだと思うアルバイトを選ぶことは、あまりないと思います(友達に誘われてはじめたけど、本当は苦手な分野のアルバイトを選ぶと、すぐにやめてしまうこともあります)。実は選んだアルバイトから、自分がどういうことが好きなのかということも入っています。
 人が好きな人であれば飲食業を選ぶでしょうし、あまり人と接したくないと思う人であれば、スーパーの品出しやレジなど、会話が必要最低限ですむ仕事を選びます。
 洋服に興味があれば、アパレルなどを選ぶでしょうし、電気製品が好きならば電気屋、パソコンが好きならば、パソコンショップを選ぶという形です。
 多くの場合、自分が働いていたアルバイト先と同じ業種に就職することはないでしょう。アルバイトの時には、ただ、興味があることや好きな分野を選んでいても、案外、仕事になるとそれを選ばなくなります。
 それは将来性や安定性などを考えたりする、つまり自分の「好き嫌いの感覚」ではなく、「理屈」で選ぶようになるからです。

選ぶアルバイトは自分の将来につながるものを選ぶ

 上に書いたことと逆のように見える部分もありますが、もう一つの選び方として、自分が進みたいと思う分野に近い仕事を選ぶ方法があります。
 自分の好きなことと、進みたいと思う就職先の分野がかさなっていれれば、何も変わることはありません。ところが、自分が好きな分野とは別の分野を仕事に選ぶことを考えている場合もあると思います。
 そうした時には、その興味のある分野の仕事、もしくはその分野に近い仕事を選ぶようにします。
 建設関係に興味があれば、建設の下請けの会社でのアルバイトをしてみることや、舞台の運営などに興味があれば、スタジオでのアルバイトの募集はないか、ということを調べたりという具合にです。
 もちろん、どんな仕事にも近い仕事があるとは限りません。銀行に就職したいといっても銀行のアルバイトはなかなかないですね。ただ、消費者金融の事務関連のアルバイトは募集していることもあります。規模は違えど、やっていることは似た流れです。
 今のは少し極端な例かもしれませんが、今のような形で、自分が就職したいと思う仕事につながる業種を選ぶと、その仕事のいい面、悪い面も見えることがあります。
 それにより、少しずつ、世の中の自分の興味のもっている仕事がどういう役割で、何が問題になっているのかなどを身をもってしることができるのもアルバイトのいいところです。
 もちろん、社員とアルバイトのする内容は大きくことなることが多いです。それでも、どういうお客さんがいて、どういう社員がいて、という業界としての雰囲気などを知ることができます。

 アルバイト自体はキャリアにならない、そういう言い方をする人もいます。確かに、何年働いたというときに、なかなか言えるだけのことを用意するのは難しいです。それでも、自分の社会に出る前の現場経験としては非常に有用です。
 一日働くだけでも、どういう仕事があり、どういう社員がいて、どういうアルバイトがいて、どういう客層がいて、お金が1日にどれくらいながれるのか、わかることは多くあります。

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