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就活ではコミュニケーション能力を問われるというけど何ができればいいの?

 就職活動で重視される能力は「コミュニケーション能力」とされています。そこには2つのことが含まれています。正確に理解する能力と、伝える能力です。その方法についてお伝えします。

 簡単に自己紹介をします。私は、塾を起業して10年になり、理系の大学でもキャリアデザインの講師を行って7年目になります。その前は、放送機器メーカーやIT企業にて足掛け10年、エンジニアとして働いていました。

 経団連(日本経済団体連合会)の2018年の資料を引用します。

 「選考時に重視する要素」
一位 コミュニケーション能力(82.4%)
二位 主体性(64.3%)
三位 チャレンジ精神(48.9%)

 この一位は2004年からずっと不動です。このアンケートは597社の企業側の回答になります。

 就職活動をしていない人からすると、「コミュニケーション能力」が重視されているということはまだ知らないかもしれません。ただ、この能力は簡単に上げることができるものではないので、就職活動前から意識した方がいいことです。
 では、企業の求めるコミュニケーション能力とは何でしょうか。
 それは、次の二つです。

・相手の言ったことを正確に理解できる。
・自分の伝えたいことを正確に伝えることができる。

 当たり前に感じるかもしれません。
 ただ、これは簡単なことではありません。
 なぜなら、人によって理解できるスピードも伝え方も異なるからです。

 上司や先輩のコミュニケーション能力が高いとは限りません。その中でも、自分は正確に相手の言おうとしていることを把握できなければならないわけです。
 その逆もしかりです。こちらがわかりやすく伝えているつもりでも、相手には間違って伝わることもあり得ます。
 企業は必ず組織で、複数の人と情報をやりとりしながら仕事をします。その時の「通信」にあたるのが、コミュニケーション能力なのです。
 戦争などにおいても、いかに情報が重要なのかは聞いたことがあるかもしれません。状況がしかるべきところに伝わらなければその勝負は勝つことができないのです。
 コミュニケーション能力については、それだけで何冊も本が書けるくらいのテーマですが、ここでは仕事上におけるコミュニケーション能力をあげる方法についてお伝えいたします。
 コミュニケーション能力については、相手の話を聞き取る能力と、こちらの話を伝える能力の2つがあるとお話ししました。

相手の言ったことを正確に理解するために必要なこと

 まずは、相手の話を正確に聞き取る能力についてお伝えします。
 相手が伝え上手な人だと、こちらの理解の状況などを確認しながら伝えてくれます。ところが、そうでない人が大半です。
 相手は相手の都合、ペースで伝えてきます。つまり、早口すぎるとか、一回に伝えることが多すぎる人などもいます。

 そのためには、「メモ」が最強のツールになります。

 よく、サービス業でアルバイトを始めたばかりの時にはメモ帳を持ち歩いたりもしたことがあると思います。その店におけるルールのようなものは必ずあります。それが明文化されていることはまずないです。マクドナルドのようにきちんとマニュアルが用意されていても、それを持ち歩くことは難しいですし、やはり、最初に必要なのは「メモ」です。

 自分には追い付かないペースで伝えてくる人がいたとしても、それは伝えた人が悪いとはなりません。多くの場合、教えた方は当たり前のことを伝えているだけですが、聞いた方にとっては慣れていないことも多く、「前に伝えたじゃないか」と言われるのがオチです。

 この聞く側の立場にいる時に必要なことは「自分の理解を伝える」ことです。そして、自分のなんとなくでは解釈しないことです。「自分の理解を伝える」とは、こういう意味ですねと確認することです。

 何年か働いてきて、慣れてきているときにはその「なんとなく」で相手の情報が少なくても間違えずに情報を受け取ることができます。
 ただ、まだ慣れていない時には「相手の当たり前」と「自分の当たり前」は差があります。

 相手の話を一回で理解して覚えられる人と、そうでない人がいます。

 少し具体的な話をすると、一回の話で聞き取れる量というのは人に寄って異なります。つまり、ある人には、三つの話をしても全部理解し、覚えてくれます。ある人には二つの話までしか覚えられないというようなことがあるのです。

 伝える側がその能力が高いと厄介です。なぜなら、自分をベースにして伝えてくるからです。いわゆる、脳自体のスペックが高い人、つまり、頭の回転が速く理解が早く暗記が得意な人が上司や先輩だと教え下手であることが多いです。聞いている側もそれで伝わるだろうと思ってしまうからです。ただ、経験を積んだ人であれば、相手のペースを理解しながら伝えてくれます。

 一度整理しますが、「聞き手」において必要なことは、
・メモを取る(いつ、だれに、何を聞いたのか)
・相手に自分の理解を確認する(場合によっては、話の後にメールでもいい)

この二点を心掛けるようにしてください。

伝えたいことを正確に伝える方法

 次に自分が発信する際に必要なこと、「自分の伝えたいことを正確に伝えることができる」ことについてお伝えします。

 実は聞き手の時とあまり変わりません。
 この時にもメモが必要なのです。メールなどを使うという方法もあります。
 つまり、口頭で伝えたうえで、先ほどの内容を念のためメールいたします、というような形にすることです。
 仕事でよく起きるコミュニケーションのトラブルは、あのときこう言った、ああ言ったというようなことです。それを起こさないようにするために、口頭で伝えた後でメールでも伝えるようにすることでミスが減ります。

 また、よくあるのが、何を伝えたいのかわからない、と返されてしまうことです。これは、慌てて伝えようとしたりすることで、自分が整理できていないまま、伝えたときなどに起こります。
 トラブルや問題ほど早く先輩や上司に相談する必要があるのですが、一秒をあらそうものでなければ、数分使って伝えたいことを整理してから伝えるようにします。

 伝え方は前置きからではなく、結論から伝えるようにします。
「〇〇についてのご報告があるのですが、よろしいでしょうか」
「〇〇についてのご相談があるのですが、よろしいでしょうか」
のようなところから話を始めます。
「〇〇が〇〇になったとのことです」
のように、最初に結論を伝えます。

 その次に詳細を話すか、もしくは先輩や上司が質問をしてくれますので、それに合わせて答えるという形になります。
 こういったことは入社してから考えることではないのかと思うかもしれません。しかし、これは学生時代から意識することです。多くの人がアルバイトをやっていると思います。その時から、こういったことを意識して欲しいと思うためです。

 アルバイトの多くは繰り返し作業が多く、自分の時間を切り売りしている感覚かもしれません。それでも、さまざまなトラブルが起こるはずです。どんなアルバイトでも、店側と話し合いになるのはスケジュールについてなどです。スケジュールについて何も話さなくていいということはないはずです。
 こちらから正確に伝えるために必要なことついてもまとめておきます。
・口頭で結論から伝える
・その後、メール等、記録の残るもので送る(同時に記録にもなる)

 こういったことは、仮に今学生でアルバイトでもできることです。
 少し意識するだけで、普段のアルバイトが社会にでたときの練習になります。

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