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山の中にあるサウナ付きログハウスを買って住んでみる

横瀬町に移住して2年半が経ち、ご縁があって住処として中古のログハウスを買うという、大きな新展開がありました。

持ち家だの賃貸だの、新築だの中古だの、どっちが良い悪いという議論は溢れかえっていて、これが正しい!という結論を言うつもりはありません。それぞれが好きなように住めば良いと思います。
ここでは、"中古のログハウス"を買ったという僕の主観をメインにお話していき、今後同じような検討をされている人向けの参考になるようnoteに書き残します。

持ち家か賃貸か?

まず僕自身は、持ち家か賃貸のどちら派か?という問いに対しては、賃貸のほうが良いと思っていました。理由として一般的な賃貸が良いという理屈はもちろんですが、一番嫌なのが隣人やご近所ガチャによって生活のクオリティが変わるリスクです。高額な家やマンションを買って近隣住民とトラブルはもちろん、たまたまただ近くに住んでいるからという理由で、気の合わない人達と無理に仲良くしなきゃいけない、というのもあまり好きではありません。
人生の有限な時間を、あまり有意義ではない関係性を構築するのに消費するのが勿体無いと思っているからです。だから、気軽に住む場所を変えられる"賃貸"という選択肢がベターだと考えていました。

なぜ中古のログハウスを買ったのか?

ファミレスベンチやテーブルもDIYで製作

では賃貸派の僕が山の中のログハウスを買って住むことにしたのか?理由は沢山ありますが、ザックリ以下のとおりです。

  1. テレワークメインの生活となり、駅の近くに住むメリットが無くなって、より自然の多い場所に住みたくなったが、山間部の賃貸物件は皆無。

  2. 横瀬町に2年以上住んでいて、信頼できる人のつながり作りが出来ており、不動産状況に関して色々とアドバイスを貰えた。

  3. 家の場所は別荘地なので、住んでいる人も少なく、無理な近所付き合いがあまりなさそう。(これまで横瀬町の中心地に住んでて特に無理な近所付き合いはなかったですよw)

  4. 隣の家に住んでいる人や、近所の別荘使いしている人と家を買う前に会って話をする機会をもらい、皆が良さそうな人だった。

  5. 家の裏の山林が知人の土地で、利用させて貰える許可が取れそうだった。

  6. 仮に10年住んで半額で売っても月額換算の家賃がタダ同然であり、コスパが良かった。

  7. 近くのログハウスのシェア別荘オーナーを1年くらいやっていて、ログハウスのメリットとデメリットや、近くの地形や災害タフネス状況を把握していた。

  8. コンパクトな町なので、山間地区でも自家用車を使えばコンビニまで5分、駅まで10分、大型スーパーまで12分くらいでアクセスできる。

  9. 家からの眺めがとても良かった。

  10. サウナがついてた

  11. サウナがついてた

  12. サウナがついてた

ログハウスに住んでみて良かったこと① 結構暖かい

床から天井まで全てが木の空間

引っ越しがほぼほぼ終わり、2ヶ月ほどログハウスに住んで感じた良かったことを紹介していきます。

ログハウスは北欧を起源として発達してきた建築方法で、密度のある厚い木材がそのまま壁となっているため、断熱性だけでなく蓄熱性も持ち合わせており、外気温度の変化を受けにくくする特徴があります。我が家はエアコン2〜3機を24時間運転していますが、外気温が10度以上でもマイナス5度以下でも、エアコンの消費電力の差は少なく、この冬でも0.5kW前後のエコモードで運転し続けています。
以前住んでいた延床面積がほぼ同等の日本家屋の戸建平家よりも、エアコンの出力は2倍以上のものを取り付けましたが、エアコンの電気代は同等以下に収まっていそうです。

ちなみに我が家は風呂場の窓以外は全て2重窓になっており、軒下の通気孔が締められる仕様なので、より保温性が高いです。

2階のエアコンはダイキンの最上級モデル

ログハウスに住んでみて良かったこと② 改装が自由

階段の壁1面を棚に改修

一般的な日本家屋の壁は石膏ボードが多いですが、ログハウスの壁は太い丸太材なので、改装で棚や家具をガンガン付けていけます。賃貸じゃなく持ち家であることはもちろん、我が家は新築でもないので、傷を気にせず壁に棚を作りまくりました(笑) 太めの小屋梁が剥き出しなのも特徴で、ここにハンモックを吊り下げたりしています。
逆に新築でしっかり作り込み過ぎてしまうと、中途半端なDIYでは浮いてしまう可能性もあり、創作意欲が出ないかも知れません。僕みたいなDIYでカスタマイズが好きなクリエイター肌には、完璧じゃなく余白のある中古物件が合っていると感じました。

キッチン周りはカウンターや棚を増設
階段横の棚やバイキングの料理提供ができるスペース
ルーフのデッドスペースを活用した物置きも製作

ログハウスに住んでみて良かったこと③ 防音性が良い

ウォークインクローゼットを作り壁にテレビやスピーカーを設置

木の持つ性質に雑音を吸収する吸音材の効果があります。ログハウスは壁面に密度の高い厚い木材を連続させている構造によりかなり防音効果が高いのです。
家では、BoseのサウンドシステムにAmazon EchoやスマホとのBluetooth接続し、かなりの音量を出しても外には全く音漏れしていませんでした。うちは元気なインコも4羽いてたまに大合唱しますが、隣人に気を使う必要は全くなくなりました。(そもそも隣の家までの距離もありますが、、、)そのうちカラオケもできるようにしようかと考えてますw

インコ用の棚は暫定。近いうちにジャストサイズで作る予定。

ログハウスに住んでみて良かったこと④ ウッドデッキ

玄関前のウッドデッキは全天候型の作業スペース

ログハウス全てにウッドデッキがあるわけではないですが、我が家は玄関と寝室前と2階に、3つのウッドデッキがあります。
玄関のデッキは屋根の下にあり、強めの雨が降っても全く濡れる事がありません。なので、DIYの木材加工は概ねここでやっています。
寝室前のウッドデッキはSolostoveの最大サイズのユーコンを置いて焚き火したり、WeberでBBQができるようにして使います。ここは屋根が無かったので、三角タープを設置しました。サウナ後の外気浴エリアにもなります。
2階テラスのウッドデッキは武甲山の眺めが良く、テーブルを置いてお茶をしたり、暖かいときは仕事をしようかと考えてます。ここもサウナ後の外気浴エリアにしていきたいです。

寝室前のデッキは焚火やBBQが楽しめる
2階のデッキは武甲山を目の前に

ログハウスに住んで良かったこと⑤木の温もり

2階は仕事デスク兼フリースペース

ログハウスの魅力は何と言っても木に囲まれてるところ。買った時は床がテカテカワックスで居心地がイマイチだったので、知人からフロアーサンダーを借りて水場以外は無垢フロアーにし、蜜蝋ワックスで仕上げました。作業はかなり苦労しましたが、その甲斐あって裸足でいても木の温もりが感じられる気持ちの良い床になりました。
昨今のウッドショックで木材価格が高沸している状況だと、新築でログハウスを作るには宅地面積あたりのコストが思いのほか高くなり、僕だったらログハウスは諦めていたかも知れません。
因みに新築と中古のCO2排出量は33倍の差があるそうで、環境にエコな暮らしを実践したいのであれば中古という選択肢は有効だと思います。

フロアーサンダーで表面のワックスを削る
傷の目立つテカテカワックス。肌触りも冷たい。
無垢材になった床。裸足で乗っても気持ちいい。

自宅にサウナがある!

大人3人は入れるしっかりとしたサウナ

このログハウスを買うに至った最大の動機が、『サウナ』が付いていたことでした。このサウナはフィンランドのサウナメーカーMetos社のサウナユニットで、このログハウスに合わせて設計されているようです。
サウナストーブは200V電源で3.7kWの出力で室内は大人3人が入れる大きさ。電源スイッチを入れると30〜40分で100℃に到達し、電気代は1回あたり200〜300円程度なので、わざわざ銭湯のサウナに行くよりかなりコスパが良いです。
このサウナはドライサウナですが、100℃近くまで上がり(仕様上110℃まで可能)る結構本仕様で、理由は不明ですが銭湯にあるドライサウナよりカラカラにならず汗かきも良いのです。個人的には、上野にある『北欧』のドライサウナだった頃よりクオリティーが高い印象ですw 本当に良いサウナで、これだけで元が取れた感が満載です。
山間部に家があるためか、冬期の水温も低めで、最近は8℃くらいになっています。チラー無しでグルシンの水風呂ができちゃうのも最高すぎます。

スイッチを入れたら30分で90℃以上に
Metosだけあってしっかりサウナ

実は歩いて行ける距離にハイクラスサウナー界隈で密かに日本一気持ちいいと噂されるミノペンサウナがあるのですが、冬期は薪を火入してから2時間くらい掛かるし、こまめに薪を焚べなければいけないので、気軽さではウチのサウナが勝ってしまいミノペンサウナにあまり入らなくなってしまいましたw

ログハウスに住んでみて気になったこと①セトリング


ログの固定ボルトは木の縮みによって緩むのでこまめに手締めする

ログハウスの宿命ともいえるセトリングとは、乾燥によるログ材の収縮と木材そのものの重さで壁が下がってくる現象です。我が家は築20年以上経っているのでセトリングは落ち着いてはきてますが、膨張収縮を繰り返しているので、たまにピシッという音が聞こえていました。エアコンを取り付けてからは室温を一定温度に保つようにしているので、木の軋み音はあまり出なくなりました。ただ、ドアや窓のサッシはセトリングの影響を受けやすく、ドアが少し傾いていたり動作が重くなったりしているので、少し修復が必要でした。こちらはDIYで修復する程度で生活に支障がない状態を維持する事ができています。

ログハウスに住んでみて気になったこと②ログの隙間


セトリングの影響で隙間が広がったサッシはシーリング材で隙間を埋めて対策

ログの隙間が開いて細ーく隙間風が入ってきていました。こちらもセトリングに起因する部分も多いのでしょうが、外壁部の劣化などもあるのでしょう。買ったときは夏だったので、あまり気にならなかったですが、気温が下がるにつれて隙間風が見つかるようになりました。特に窓サッシの周りは大きいようで、すこしヒンヤリします。これに関しては隙間風を見つけてはシリコンのシーリング材でひたすら埋めることにより、徐々に改善しており、室温もさらに安定するようになりました。

他には、地形的な問題もありカメムシを1日5匹くらい外に追い出す日々がしばらく続きましたw こちらは隙間から来るものや、入り口ドアを開けた際に隙間にいたヤツが入り込んで来てるものもありそうで、根本的な対策はまだできていません。

この先やりたいこと


外壁の保護塗装は全部ブラックに塗る予定


中古ログハウスを8月に買って4ヶ月かけてDIYで室内をリフォームし、2022年1月から夫婦とインコ達の生活基盤を移植する事ができました。
内装はほぼ終わったものの、外装はほとんど未着手なので、半年くらいかけて基本はDIYでやっていきたいと思っています。
内容としては、以下の感じでまだまだやる事が沢山あり、しばらくは退屈しなそうです。

  1. 外壁の保護塗装

  2. ウッドデッキの保護塗装

  3. ウッドデッキの手すり改修

  4. 裏の林につながるウッドデッキの拡張

  5. 屋根の貼り替え(業者に依頼かな)

  6. 倉庫小屋の設置(作るか買うかは検討中)

  7. 雨どいの設置

最後に

家の窓から見える雲海

山間部の土地はバブル期には別荘地として高値で売られていたけど、高齢化が進みあまり来なくなって売却する人がここ数年で増えてきており、世代交代が進んでいるようです。
側から見たら、わざわざ不便な場所に住まなくても良いのにと思うかも知れません。でもコンビニや駅に近い便利な暮らしが豊かなのか?と考えると決してそんな事は無いと住めば分かります。ウチの周りの中古物件は不動産屋に情報が出ると即日問い合わせが殺到するそうで、昨今の情勢によりライフスタイルを変えたい人が増えてきた印象でした。

キンと冷え込んだ朝にブラインドを開けると眼下に広がる雲海。家からランニングに出かけると車の排気ガスを1ミリも吸わずに、エンジンの音じゃなく鳥の囀りを聞きながら走れる道。夜サウナに入って星空が綺麗なウッドデッキでの外気浴。ちょっとした便利さと天秤にかけた事によって得たものは、それとは比較にならないくらい素晴らしい生活でした。

今後日本の山間地域においては、人口減少に起因した税収の減少などにより、生活インフラの維持が困難になる可能性が大いにあります。ここにあと何年住めるか分からないですが、もしかしたらこういう場所に人が暮らせる最後のチャンスなのかも知れません。だから、今を思いっきり楽しんだ事が将来的にとても贅沢な時間になると思っています。

そんな山間部での豊かな暮らし、是非体験してみてください。

家の真上からドローンで撮影

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