やぁやぁやぁ!セミを捕まえて食べるイベントに行ってきたよ(デジタルリマスター版)
どうも、エンジニアの三井です。
昨年の7月にセミを捕まえて食べるイベント「東京セミ会」に行ってきたので、元気いっぱい!レポートさせていただきます!
東京セミ会 とは
昆虫料理研究家の 山内昭一先生 が毎年夏に主催している、昆虫食(特にセミ料理)のワークショップ的イベント です。
山内先生は年間を通してさまざまな昆虫食のイベントを主催されています。
中でも「東京セミ会」はセミを捕まえるところからやる参加型のイベントです。
詳しい様子は ほそいあや さんのレポート記事を読んでもらうのが一番だと思います。マンガ・写真つきでとてもわかりやすいです。
私もこの記事を読んだところから興味を持って、今年は実際に参加してきました!
7月28日、台風直撃
東京セミ会、今年は #1〜#3 の全3回企画されていました。
私が申し込んだのは7月28日に行われた #2 。
が、なんと当日朝から 台風が直撃 ...。
前日から「当日の採集は中止して調理と試食のみ」とのアナウンスがされていました。
この日のために虫取り網も買っていたのに…。残念すぎる…。
当日、採集がないので集合場所から調理場に直行しました。
参加者は35名ほど。
悪天候で来られなかったかたもいただろうにこの人数です。人気イベント!
調理する!
『セミを捕まえていないのに調理する分はあるの?』と思っていたんですが、
なんと!山内先生と運営スタッフの方が前日・前々日と事前採集をして調理に必要な約500匹(成虫約300匹、幼稚約200匹)を調達していてくれました!
素晴らしい!その労力を思うと頭が下がるばかりです。
普段なら2時間ほどかけて採集して、その後調理と試食を1.5時間ほどでやるので結構バタバタらしいのですが。
この日は幸いに調理・試食だけで3時間を使うことができます。
じっくりゆっくりと調理ができますね。ラッキー ✌😁
ちなみにメニューはこのような感じ
・セミ成虫・幼虫の天ぷら
・セミ幼虫の燻製
・ミールワームと地蜂とスズムシのカナッペ
・セミ成虫のタコス
・たこ焼き(セミ焼き?)
・抜け殻のゼリー
セミの他にミールワーム、地蜂とスズムシも食材として提供されました。
山内先生が用意したレシピを元に各テーブルでメニューを分担して調理にかかります。
私はセミの燻製の調理に参加。
お酒に合いそう🍶だから覚えておこうと思ったので。
細かな調理法は色々ですが、昆虫は基本的に生で食べても大丈夫な食材なので調理は簡単です。
洗って煮るか、素揚げすれば食べられます。
いざ実食
実のところ、私もこの日が昆虫料理 初体験だったので、集合場所に行くまでは
『実際、身体が受け付けなくて食べられないかもな』
と思っていました。
が、調理が終わった頃にはそんな心配は吹き飛んでいました!
だってルックスが普通の料理なんですよ、ほら。
※セミ成虫の天ぷらです
というわけで食べてみました。パクっと。
普通に美味い😋
表現するなら「ナッツの風味のエビ」って感じですね。
セミ幼虫の燻製なんかはスモーキーな風味が加わってるのでピーナッツ味のエビを口に放り込んでいる感じです。マジでシュリンプ 🦐
なぜセミを食べるのか?
さて、イベントレポートはこんへんにして。
ここからは「なぜセミを食べようと思ったか」について書いていきますねー。真面目な話!
今回、東京セミ会に参加した目的は、当たり前に食べれる食材と気持ち悪くて受け付けない食材の境界線は何なのか自分なりに答えを出すため です!
「エビを食べることは普通、昆虫を食べるのは普通じゃない」というのがマジョリティ🧙♀️な意見だとは思うんですが。
実際には、現実には、それらの違いって何なの?ってところにしっかりと向き合いたかったわけです。
何故なら人生において 何を食べて・何を食べないか って大きなテーマだから!
ところで、私が「気持ち悪くて受け付けない食材」について考えるきっかけとして、こんな原体験がありました。
原体験その①:自分でエビを採りに行く
私、つい5年ほど前まで兵庫県の田舎の酒蔵で働いていたんですが。
あるとき、先輩に声を掛けられて 川エビを採りに行く ことになりました。
「潮干狩り」みたいなちょっとしたレジャー感覚ですね。
その時獲ったのは「手長エビ」。細くて長ーい手が特徴のエビです。
深夜に車に乗り込み、大きな川と日本海がぶつかる場所まで来ました。
淡水と海水が混じる川岸にエビがたまごを産み付けにやってくるので、それをアミで捕まえます。
一晩で20匹ほど採ったでしょうか。
解散するころ先輩が、
先輩「じゃあ三井、このエビはお前にやるわ。素揚げにして塩を振るだけで美味いぞ」
三井「え?」
そう、この時気付いたのです。
いまクーラーボックスの中にエビが20匹ほどガサガサいっています。これを食べるの なんか気持ち悪いな と。
とはいえ、相手はナマモノ(であり生き物)です。
気持ち悪いと言って放っておいて、死なせて腐らせるのはもっと気持ち悪い。
家に帰ってから勇気を出して素揚げにして塩を振って食べました。
味はまぁ、普通に美味しかった 🍤
しかしこの思い出にふと 違和感 が残りました。
エビは普段から食べ慣れている食材だし、川でエビを採るのは楽しかった。
でもそれを食材として調理し、食べる段階になって「気持ち悪さ」を感じ始めたのです。
食材を見て気持ち悪さを感じるのって何なんだ??と。
原体験その②:韓国で食べた ユムシ の刺身
もう一つ印象的な体験がありました。
韓国旅行で釜山に行ったときのこと。
そのときは海辺に宿をとっていたので、夜になって「港に屋台が出ているから飲みにいこう!」という話になったのです。
そのときに行った屋台の前に いけす があり、その中に何やら 殻の無いチューブ状の貝 のようなものが泳いでいるのです。
肌色のホースのブツ切り?のような見た目ではっきり言って 気持ち悪い 見た目でした。
後から調べたところによると、それは「ユムシ」という生き物で。
日本では食材としては流通しておらず、釣り餌として利用されるとのこと。
さんざん気持ち悪いと書きましたが、私その屋台でユムシを食べたんですよ!刺身で!味噌だれを付けて!
なぜ食べようと思ったのか、
・この生き物は何?名前も分からない
・この港はどこ?それも分からない
・もしも今この刺身を食べずに終わったら、
どこだか分からない港で出てきた名前も知らない食べ物を自ら調べて食べようと思うか?
・それは絶対にない。今を逃すと絶対に二度と食べる機会は無い!!
ということで食べました。
感想は...
味噌だれの味しかしない & やっぱり気持ち悪かった、です。
ここでもやはり、手長エビのときと同じ、ちょっとした 違和感 がありました。
普通にお店で提供されていて、ちゃんと調理して出てくる食材を気持ち悪くて食べられないと思うのは何故?自分の中での基準は?
「食材」と「気持ち悪さ」の間で考えたこと
2つの違和感体験をもとに数年間もやもやと考えました。
ユムシはダメ、エビはOK。でも自分で採ったエビの生きてる状態はダメ。
...
ひらめきました。
逆に、もっと「食材ではないもの」を食べてみよう!昆虫とか!
実際に食べてみてあからさまに身体が受け付けなければ、それが「食」について考えるきっかけになります。
もしすんなりと食べられれば、それもなにかのヒントになるかも知れません。
幸いにも「セミの味はエビに似ている」という前情報も得ていました。そしてお話は冒頭の東京セミ会へと繋がっていきます。
セミを食べることは「気持ち悪い」ことだったか?
結果を言うと、全く気持ち悪く無かったんです。全くもって違和感はありませんでした。
プリプリしたミールワームも、セミ成虫が丸々入ったタコスも。全然へーき。
結局、食べて平気な食材 と 身体が受け付けない食材 の境界線って何なんでしょうね??
私なりに考えてみました。
いまのところたどり着いてるの仮説は、「周囲の人たち・文化が自然に受け入れている食材なら気持ち悪くはない」ということです。
つまり、食べ物に対する気持ち悪さは環境に依存して決まる のではないか と考えています。
思い返してみると、
・自分で採ったエビを食べたとき
→ 調理のときには自分一人しかいなかった。そして自分にとって活きたエビは不慣れだった。
→ 気持ち悪い
・ 屋台でユムシを食べたとき
→ 韓国ではユムシを食べるのは一般的だが、一緒に行った旅行仲間の中ではユムシを食べるのは普通なことではなかった。
→ 気持ち悪い
・ 東京セミ会でセミ料理を食べたとき
→ 山内先生やセミ会参加者の中ではセミを食べることは普通なことだった。セミは食材。おいしい。
→ 気持ち悪くない
東京セミ会は昆虫料理に親しんだ人が多い場です。
それくらい親しんでるかというと、「セミのてんぷらは事前に下茹でしたほうが美味いか、下茹でしないほうが美味いか」についてみんなでワイワイとディスカッションが起こるような環境です。
みんな完全にセミを食材として見ているし、おいしく食べる方法について真面目に考えています。
そんな環境に飛び込んだことで、私にとってセミを食べることは「気持ち悪いこと」ではなくなったのです。
これが自分の家で一人でセミを調理して食べていたら。おそらく無理だったでしょうね...。
まとめ
というわけで 東京セミ会レポート と 三井が「食」について考えていること でしたー。
この夏は東京セミ会をつうじて「食」について考えることが出来て、とてもいい機会になりました。
残念ながら台風直撃でセミ採りはできなかったので、ぜひ来年も参加して「自分が採ったセミを自分で調理して食べる」をやりたいなぁ、と思っています。
私からは以上です。
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