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パラリンピック 〜盲目のカメラマン〜

卓球会場のメディアセンターに、白杖をついてカメラマンベストを着ている男性が入ってきた。

目が見えへんのに、どうやって写真を撮るんやろう。

気づいたら声をかけていた(人見知りやのに、誰にでも声かけるやん)

ブラインドフォトグラファーのジョーアン・マイヤーさん。

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28歳までは見えていた目が、ブドウ膜炎という病気で失明した。

右目は見えず、1メートルぐらい離れて座った私を見て、下のほうが黒い色(私のズボンの色)だと識別できるぐらいで、顔や手などは全く見えないという。

目が見えなくなり砲丸投げをはじめ、パラを目指したこともあるという。

写真は趣味で撮っていた。目が見えなくなると、友達から「目が見えないのに写真なんて無理だ」と言われたが、「自分からあきらめる必要はない、カメラマンとしてスポーツを撮りたい」と思った。

リオパラリンピックではプロのカメラマンとして取材したジョーアンさん。

今はスマホのアクセシビリティ機能のおかげで、色んな説明が音声で聞けて、なんでもできるという。

ただ、今のカメラはアクセシビリティがついていないので、ガイドと一緒にフォトグラファー席に座り、試合の状況を聞きながら心でシャッターを押す。

競技会場によって、天気や照明、ポジションが変わるため、ほかのカメラマンに細かい設定を頼まないと自分で調整ができない。だが、ほかのカメラマンに迷惑をかけるので、カメラにもアクセシビリティ機能がつくことを願っている。

「写真を通して選手の力を伝えたい。障がいを持つ子どもたちにも、何でもできるということを伝えたい」

目の見えないジョーアンさんが撮るパラリンピックの世界。フォロワーが1万人以上いるインスタはこちら。
https://www.instagram.com/fotografiacega_/


すでに、2023年に開催されるフランスパラリンピックの準備をしているというジョーアンさん。

フランスで会いましょう!(家族の了承も得てないし、メディアパスがでるかも分からんのに)と言ってしまった。

ガイドボランティアのサンドラさんは、カメラのことがよく分からないので、撮影の瞬間を説明するのが難しいという。

サンドラさんと私は、同郷だ(なんと、家も近かった)ということで話が弾んだ。ほんまに人見知りか。

あるやん、同じ地域の結束感みたいなん。551の豚まんは、新幹線に持ち込んだら迷惑って分かってくれる安心感みたいな(ないか)。

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