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七月二十四日@ペーチ

今日から二泊三日で、南ハンガリーの方へ一人旅に出かける。朝早くにKelenföld(ケレンフゥルド)駅まで家の最寄駅から地下鉄で向かう。この地下鉄はブダペスト四番目の地下鉄で、比較的最近出来たことから電車も駅も新しい。終点のKelenföldは大きな鉄道駅とバスのターミナルがある。

チケットは事前にインターネットで購入しておくと20%割引なので、既に入手済み。本当はハンガリーの学生だったら学割で50%割引なのだが、私は大学がアメリカの学位かつEU市民じゃないので、ハンガリーの学生とは見なされず、何事においても正規料金を払わなければならない。チケットを見ながら、目的地のPécs(ペーチ)行きの電車のプラットフォームを探す。

電光掲示板を見ると、Pécsの表記はあるがプラットフォーム番号が書いていない。番号の代わりに何かハンガリー語で書いてあるが読めない。かろうじてBusz(バスの事)という単語だけ読み取れ、もしかしてペーチまで代行のバスになってるのではと予想する。電車の旅がしたかったのにそんなの嫌である。

色々駅を歩き回り、駅のアルバイトの学生などに聞いてみると、どうも途中の駅まで代行バスになっているようであった。六月からそうなっているのになぜかHPに一切記載もなく、現地はハンガリー語しかないので外国人には不親切だと思った。早めに着いていてよかった。

バスに揺られて途中のSzázhalombatta(読めない)まで30分弱ほど。バスを降りると既にPécs行きの電車が停まっており、予約していた席に座る。そこから二時間ほどで到着する。割と涼しい朝だったのに、何故か車内の冷房が点いておりパーカーを羽織るがかなり寒い。

着いて見ると外は晴れ。ハンガリー第五の都市だがなんだかこじんまりした印象。ハンガリー最古の大学(1367年創立)があることもあり、かなり古くから人が定住し、ハンガリーだけでなくバルカン地方、トルコ(オスマン帝国)など色んな文化が混ぜこぜになったところ。

歩いて宿まで行きチェックインする。一人旅だといつもドミトリータイプのところに泊まるが、そのような施設が見つからなかったので一人で一室借りる。宿の周りはすごく雰囲気がよく、気持ちがいい。

本当はペーチの蚤の市やジョルナイという焼き物に興味があってここに来たが、街のゆったりした空気があまりにも心地よくて、思いのままぶらぶらすることにした。そもそもこの季節蚤の市はやってるのかどうかもよくわからなかった。今回は一日しかないので、またすぐに来ることもできるし、歩いて街を散策することにする。

お昼ご飯はバルカン料理が食べれるお店があり、見た目の雰囲気が良さそうだったのと、美味しそうだったのでそこでいただく。レストラン(ビストロ)なのでお高めだが、納得のお料理。

ブダペストと違って街中の坂が多く、ちょっと歩くだけで疲れる。南の方に行くと鉄道駅、バスターミナル、ショッピングセンターなどあり都会な様子。北に行くと教会、モスクをはじめとした歴史的な建物や公園など。色々見回ると歩き疲れて、一旦宿に帰ってスマホを充電しつつぼーっとする。

ペーチはVillány(ヴィラーニ)とSzékszárd(セクサールド)というワインの名産地(特に赤ワイン)の間にあるので、夜はワインバーに行って何種類か飲んで見る。お腹が空いていなかったので生ハムの盛り合わせにするが思った以上の分量。みんな誰かと飲みに来ていて、私は一人で寂しい気もする。

ご飯も食べてないのでワインを三杯飲んだら酔っ払った感じになる。上機嫌で宿に帰って寝る。