八月十一日・十二日@名古屋・大阪
八月十一日
八月の頭から長らく東京や仙台やら、色々旅行させてもらって、今は最後の目的地の名古屋に来ている。前に泊まったがろくに探索することのできなかった円頓寺商店街の内のゲストハウスに泊まる。昨夜は案内人のフランス人に会い、なぜか私の研究に興味を持ったようで、カフェに行って研究の話などから初めて、彼がなぜ日本にいるかなど彼の人生のあれこれを聞く。アカデミアの人ではないが質問が非常に学術的な観点だったので、よくよく聞いてみるとお母さんが心理学者で、特に霊長類学の本をたくさん読んだということだった。なるほど。
今日はお昼から大学で十名程度を相手に、研究と留学の話をさせていただくという非常に貴重な時間をいただいたので、そのためのスライドの最終調整をする。発表の原稿をなんとなく書いて、スタバでブツブツ練習する。日曜日だがあまり混雑していない名古屋のスタバである(名古屋駅ではないけど)。
名古屋駅までホストの先生に迎えに来ていただいて、そのまま大学へ向かう。大学は緑に囲まれたところにあり、とても気持ちのいいところである。
指定の時間にすでに全員揃っており(ヨーロッパだったらほぼないことである)、定刻に始める。自分の研究の話にだいたい一時間半ほど、そのあと留学の話を三十分ほどさせていただき、当初早めに終わるつもりで計画していたが、結局丸々二時間議論させていただき、たくさんの意見をもらうことができた。母国語と言えど日本語で発表するのはスライド作りから話の組み立てまでなかなか骨が折れるが、こういう機会を与えていただけるのは本当にありがたいことである。
夜は大学近くの美味しいベルギービールと料理のお店に連れて行ってもらった。こういうトークの後の懇親会が楽しくて、なんだかヨーロッパのザ・ソーシャルディナーという感じではなくて、本当に人と人が心で話しているような(少なくとも感覚)になれるのは、日本の飲み会のいいところだなと思う。
八月十二日
名古屋から大阪に帰る前に、名古屋のネット友達と会う。朝のブランチと、お昼のお茶をして、そのあとは名古屋駅に向かう。在来線を乗り継いで大阪の実家まで帰る。米原で乗り換えてそのまま播州赤穂行きの新快速に乗り、別に日常には何の影響もないんだけど、心の中で糸がぷつっと切れる感覚がある。
二週間ぶりぐらいに実家に帰ってくる。作業をしようと思って近くのスタバに行くが、寒すぎて結局SNSをやっただけで終わる。家に帰って故障したサムソナイトのスーツケースを包んで修理のために集荷をお願いする。夜はステーキなどを食べる。もういい歳だけど、親と家でご飯を食べているときは、まだ子供たっだ時の私となんら変わりない気がする。親も私も確実に年老いてるのだけど。