博士号取得・オランダ移住・テラスハウス暮らし

博論の公聴会や新しい国への引っ越しなどが重なり忙しくてnoteの更新が滞っていた。そろそろこのブログの終わりも近い。ただ博士課程が終わってしばらく休憩したことで、書く気力が湧いてきたので、書きたかったテーマいくつかは書いてから終わろう。かな?


博士号取得

2016年9月にイギリスで修士課程に入り、そこから運良く翌年の2017年9月にはハンガリーで博士課程に進むことになった。就職活動する前に、たった一つだけ出願した大学院に合格したので、思い悩むこともなく流れるように研究の世界に浸ることになった。非常に長い道のりだった。博士課程は大変だと聞いていたが、予想通り大変だった。研究は先生やラボの手厚いサポートがあったのだが、異国での生活(に加えコロナ、大学移転)という研究生活を支える基盤が揺らぐことによるよくわからない不安によって何もしなかった・できなかった時期が辛かった。

三月上旬まで日本に一時帰国し、四月からすでにリモートで仕事が始まったので、久しぶりの研究ではない仕事に触れてやる気が上がる。研究が向いていなかっただけで、仕事に対する熱意はまだあるのだと感じる。この時点では博論を提出していたものの、公聴会はまだであった。公聴会は五月だったので働きながらも準備をしなければならなかったのだが、恐ろしすぎてろくに準備ができず震え上がる。とはいえ既に二回ラボで練習したのと、さらに追加で先生と二回面談したのでまぁ、何も準備しなかったわけではないのだが、準備万端というわけではなく、最後の最後まで先延ばしをしてしまった。もう一回博士課程をやることがあったら、この過去六年ほどの経験を活かしたいが残念ながら(?)もう博士学生をやることはない。

コロナの影響もあって私はろくに対面で発表した経験もなく、非常に公聴会を恐れていたのだが、実際当日になれば一通り練習した通り喋って、練習していた通りに質疑応答も答え(もちろん予想外の質問もあったが)、ひたすら耐えていたら二時間ほどで終了した。若干博論の修正が必要になったが、無事その場で博士号を授与という結果をもらった。当時は高揚していていかに公聴会がひどいものであったかなどを振り返る余裕もなかったが、とりあえず最低限のラインは超えていたのだと思う。そうだと思いたい。忙しすぎて全てが流れていき博士の終わりを味わう時間も余裕もなかった。

オランダ移住

博論の公聴会の次の日、オランダに移住することになる。なぜこんな無謀な計画を立てたのか今考えても全くわからないのだが、すでに働き始めていたし早くオランダに引っ越したかったので、これでいけると思っていた。しかし前日は公聴会、そして先生方とディナー、移動して同僚と飲む、その後Metalabというハッカースペースに行って深夜まで遊んでいたので、翌日はげっそりであった。しかもまだパッキングが終わっていない&退去日なので部屋の掃除もしなければならないということで、恋人と一緒にパニックに(私が)なりながらウィーンを離れる。幸い優しい大家さんでいらないものは置いていってもいいと言っていただいたので盛大に置いていかせていただいたおかげで、何とか飛行機にギリギリ間に合った。心臓に悪いのでやはり空港には二時間以上前にいるのがいい。今回はチェックインカウンターが閉まる十分前ぐらいにつき、ちょっとでも電車が遅れたらやばかったんではないかとドキドキした。

オランダに引っ越して二週間ほどは恋人の家に住むことになる。どこに行くにも自転車が必須なので早速中古で自転車を買った。平日は電車でアムステルダムのオフィスへ通うようになる。オフィスまで一時間半ぐらいかかるので、まぁなかなかな通勤時間だが、乗り換えも少なくたまに行くアムテルダムの大都会っぷりにはウキウキするものだった。今住んでいるところも穏やかでいいところだが、これまで首都に住み続けてきた私にとっては何となく物足りない感じである。

テラスハウス暮らし

オランダ移住前に既に二人で住むところを見つけていて、五月の下旬にテラスハウスへと引っ越した。元々恋人が住んでいた街と同じところなので、近距離の移動だが、恋人は荷物が多くたくさんの友達に手伝ってもらって何とか自力で引越しをした。日本だと引越し業者に頼むのが一般的なような気がするのだが、オランダは何でも自分(とその周りの人)でやる文化であるということにこの頃から気づき始める。

テラスハウスというと某テレビ番組が浮かび、観たことはないのだが、テラスハウスというのはそういう家の形態(建て方)だそうだ。というのもテラスハウスなるものを見たことがなかったので知らなかったのだが、オランダでは非常に一般的なようである。私の感覚からすると普通の一軒家で、庭もあるし今までずっとワンルームに住んでいたのでとにかく広い。

新築で綺麗のは良いのだが、最低限のものは揃っていたものの、照明は自分で電気配線につなぐ方式ですぐに使うことができず、しばらく天井の照明がない状態で暮らしていた。日本だとひっかけ(?)タイプしか見たことがなかったので、電気配線の工事を誰かに頼むかと思いきや恋人は自分で道具を買って自力で取り付けたから驚いた。日本でも自分の家族がやらないだけで他の人はやってるのかと思ったが、どうも電気工事士の資格がない人はやってはいけないらしいので、うちの家だけではなさそうである。オランダではDIYはトレンドでも何でもなく、文化に根付いているようである。もちろん理由は業者に頼むと高くつくからということなのだが。