六月三十日@ブダペスト

寮の五階に滞在しているのだが、ブダペストはウィーンと比べてもはるかに暑い。クーラーがついてるので眠れないことはないのだが、性能が悪いので「ゴーッ」っという音がなってある程度温度が下がったら切れて、また温度が上がったら「ゴーッ」という旧式タイプなので、このうるさい音に何度か起こされてあまり寝れなかった。

朝はお気に入りのカフェKálvin térにあるKaffeine Espresso Barというところに行く。めちゃくちゃ通ったわけでもなかったけど、便利なところにあったのでたまに言っていた。お母さんとおばさんがブダペストに遊びにきてくれていたときにも待ち合わせしたのがそのカフェだったなぁ(もう二年以上前)。ハンガリーの店内飲食の基準がわからないのだが、特に何も提示を求められることなく座ることができた(オーストリアだとワクチンや検査の証明書がないと入れない)。

そのあとは大学に言って長年お世話になった人に挨拶に行く。一人は事務の一番ボスのお姉さんで、本当は一緒にウィーンに来るつもりだったんだけど、息子さんがハンガリーでも名門の音楽高校に受かったということで、一緒に残ることにしたそうだ。でもとても嬉しそうで、仕事はまた探さないといけないしどうなるかわからないけど、それでも息子がそこに受かって本当に嬉しいと言っていた。あぁ、次にいい仕事が見つかりますように。ブダペストのお母さんみたいな存在で、抱きしめられて涙が出そうになった。本当に悲しい、また会えると信じてるけど。ウィーンからのお土産を渡すと後から丁寧にお礼のメールをくれる。

次はラボマネジャーで一人はもうウィーンに来ているけど、もう一人はウィーンに来ることができない(か行きたくない)ので、うちのラボが閉鎖する今年末に辞めることになった。先日先生に提出してもう少しで雑誌に投稿できそうなあの論文の元データはほぼこの人にとってもらったので頭が上がらない。いろいろ将来のこととか趣味の(でもお金を稼いでる)ポーカーの話とか聞いてとても面白い。私が最近興味を持ってるユーザーインターフェース系の研究に彼も興味があるらしく、その分野の博士課程プログラムがハンガリーにあるらしいので、出願を考えていると言っていた。うまく行くといいなぁ。この人もまた会えると信じてるけどしばし、バイバイ。

そのあとはいつも食べに行っていたベトナムフォーの小さいのを食べに行く。いつの間にか改装していて、しかも現金しか受け付けなくなっていた(何で)。ATMにお金を下ろしに行くがなかなか見つからなくて時間を食う。

このあと何をしようか悩んだが、Normafaというちょっと標高の高いところにある自然豊かなところに行くことにする。そこに行く通り道に一番よく通っていたEspresso Embassyがあるので、溜まっていたスタンプカードを使って無料でコルタドを手に入れて、バナナケーキと一緒にいただく。

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メトロやバスを乗り継いでNormafaに到着。何もせずぼーっとする。こんなにぼーっとすることって、それは折々あったとは思うけど、なんかとても久しぶりな感じだ。スマホも見ず、本も読まず、木陰の下で揺れる葉っぱをただ見る。

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そのあとはあんまり時間がなかったけど強行スケジュールでセンテンドレに行ってランゴシュを食べる。いつ見ても可愛い街並みだが、お気に入りのレストランが閉店していてコロナの影響を感じた。

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急いで学部に置いてた荷物を取りに行き、残ってた人たちにバイバイを言い、バス停に向かうと一時間以上遅れるという連絡が入ってげっそりする(バス停の近くは本当に何もない)。オーストリアへの入国を少し心配していたが、ウェスアンダーソンのグランドブダペストホテルに出てくるチケット検察員の劣化版みたいな制服を着た男性(警察?)が来てちょっとびっくりした以外は、適当にチェックされただけで何も問題はなかった。

そもそも十二時前につく予定だったのに、さらに遅れて一時半ぐらいにErdberg駅に着く。すぐそこにタクシーを発見したのでたたっと駆け寄って行くと、後ろから三人の男性も同じタクシーを狙っていたようで、「どっちの方向に行くの」と聞かれる。Pratersternというと、方向が違ったみたいで他のタクシーを探してくれた(申し訳ないけど眠すぎてタクシーを譲る心の余裕がなかった)。そのまま無事帰宅して爆睡。ブダペストにまた行きたいなぁ。