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ついて行ったら【ショートショート#18】

おかしい。
さっきからずいぶん歩いているはずなのに
なかなか駅にたどりつかない。

日が暮れて、夜になってしまった。
頼みのスマホは、もうバッテリーが3%。
できるだけ使いたくない。


初めて来た場所で、駅まで歩こうって思いついた。
最近運動不足だし。
こう見えて土地勘はあるほうだ。


周りはぽつりぽつりと家があるだけ。
時々、ぼーっとした電灯が立っている。
お店があればいいのだが。


はるか前のほうに、女性が1人で歩く姿が見えた。
しめた!
あの人についていけば
どこかに出られるだろう。

できるだけ離れないように歩く。
あんがい足が速い。
息が切れそうになる。
歩く、歩く、小走りになって
見つめながら追いかける。
この方向。線路がある方だ。
もう少しで駅に出るはずだ。
ーーー

とつぜん眩しい光に僕は照らされて。
耳をつんざくような警笛。
激しいブレーキ音。

次の瞬間、女性が目の前にいた。

「わたしね、寂しいから
誰かいないかなーって思っていたの。
追いかけてくれて、ありがとう」
彼女は微笑んだ。
なぜかゾッとした。

思わず下を向いた。
そして気がついた。
僕の足が……ないことを。

ーーーー

あつこのつぶやき

先週、中野から池袋まで歩いたときのことです。
歩いているうちに日が暮れてしまいました。
なぜか家ばかりで、お店がない場所が続きました。
地図で見ると、西武池袋線のそばで、都会なんですけど。
街灯もそれほどなくて、心細く思いながら1人で歩いてました。
前のほうに男女2人連れが見えましたが、途中で曲がってしまい、一人ぼっちに。

いや、さびしい!

わたしはどこか間違ったとこに迷いこんじゃったんじゃないかと。
そんな時、頭に浮かんできたお話です。
スマホのバッテリーはちゃんと持ち歩こうって決めました。
Google先生がいても迷ってしまう私ですけど。

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