歯医者に行ってリラックスを処方された話

右上の歯が痛い。

奥から2番目と3番目の間に歯間ブラシを入れると、ピリッとする。

ーーー
実はあつこ、インプラントを入れている。
2本。

(そのうち1本は定着が悪く、やり直した。
…
歯医者さんの腕はある。そう思う)

そんなこともあって、4ヶ月に1回、
歯医者にメンテナンスに行く。
いわゆる定期検診とお掃除だ。
これは歯科衛生士が担当するもので、
医師は見ない。
(この辺は歯医者によって違う所。
メンテナンスでも医師が見るところもある)

ーーー

先日、目がパッチリとした歯科衛生士さんに、指摘された。
「歯と歯の間が少し汚れています」

歯間ブラシが面倒で
ここ1月くらい使っていなかった。
(デンタルフロスはうまく使えない人)

そこで、心を入れ替えて、歯間ブラシをちゃんとした。

そうしたら気がついた。

右上の2番目と3番目の歯の間が痛い。
インプラントの隣だ。
歯間ブラシを通すとピリリと痛い。

知らないうちに歯茎を傷つけてしまったのかと思い1週間続けてみた。
でも痛い。


もしも虫歯だったらえらいことだ。

そこで、歯医者に電話したのが昨日のこと。
運良く
キャンセルがあって、
翌日に診てもらえることになった。
ーーー

そして、今日、歯医者に向かう。

椅子に座る。
エプロンをつけてもらう。
うがいをして、横になる。

膝の上にはバスタオルを。

目の上にはタオルをかけてもらう。

歯科衛生士さんに、なぜ今日来たかを説明する。

小さな音でクラシックがかかっている。

ーーー

ドクターがやってきた。
眼鏡をかけ、穏やかに話す人だ。
「こんにちは。あつこさん」

ざっと見た後に
その部分の写真を撮ってくれた。

特に汚れてはいないし、虫歯の所見はなかった。

知覚過敏。
それが診断名だった。

予想外だ。

あつこ「どうしたらいいんですか？」

ドクター「フッ素や敏感な部分の痛みを少し和らげるような効果のある薬を塗ります。

症状がなかなか良くならないときには、夜寝るときにマウスピースを装着します」

あつこ「マウスピースですか？」

ドクター「知覚過敏の原因のひとつは、噛み締めている時間が長いことです。
それを治すためのマウスピースです。」

夜寝る間に、ぐっと力を入れて歯をかみしめ続けていると、知覚過敏になりやすい。
歯ぎしりも原因になるそうだ。

ーーー

あつこ「分りました。
まだそこまでの状態ではないと思いますが。

それではせっかく来たので、他に虫歯がないか見ていただけますか。」

上の歯
下の歯
全部の歯をチェックしたあと。

ドクターは、頬の上からあごの噛み合わせ部分を指で押した。
もちろんタオルを間にはさんで。

あつこ(なになに……)

右側のかみあわせ。
耳の少し下あたり。
少し中心より。

ドクター「このあたり、痛いところがありますか？」

ある部分で、グッと痛みが走った。

左側の頬の噛み合わせの部分も。
顎に近いところ。
どちらかと言うと、耳のそば。
左右4カ所ずつ押された。

ドクター「あつこさん、ずいぶん顎の周りや頭全体が凝っているようですね」

あつこ「そんなに凝ってますか？」

ドクター「そうですね」

あつこ「8時半から17時15分まで、パソコンに向かってます。
入力をしたり、書類をチェックしたりしているものですから、肩の周りはガチガチです。
でも頭の周りもそうだったんですね」

ドクター「頭の周りの凝りで顎が硬くなることがあります。知覚過敏の遠い原因かも知れませんね。」

あつこ「はあ」

ドクター「お風呂に入ったときに、頭のマッサージなんていいと思いますよ」

あつこ「はい」

ドクター「リラックス、大事ですよ」

ーーー

ドクター「ところで知覚過敏の薬ですが、
塗ってもぬらなくてもどちらでもいいです。

これすごいメロン味なんですよ(軽く笑う)」

あつこ「せっかく来たので、では塗っていきます」

実際に塗ってくれたのは、歯科衛生士さんだった。

あつこ「今日は先生に、いろいろお話をして頂きました。
頭の凝りの話はちょっと驚きました。」

歯科衛生士「今日は比較的時間があったんですよ。珍しいんですけど」

あつこ「そうだったんですね。思い当たることがあってびっくりでした。」

歯科衛生士「歯って大事ですよね。いろんなところにつながっていて。
この仕事を選んで、働きだして改めてそう思います」

薬はしっかりメロン味だった。
実は冗談だと思っていたのだが、本当だった。

お口の中が、メロンメロン🍈した。
塗らなくてもよかったかな、とちょっと思った。