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告白雨雲のたくらみ【ショートショート#25】

街の高台にあるムーンライト広場。
満月の夜、はるかちゃんといっしょ。
とつぜん頭の上に白い雲が現れて、キラキラ光る雨を降らせた。
俺だけに。

いきなり本音で告白してしまったのだ。
「スカートから出ているはるかちゃんの足が大好きだから、
付き合ってください」
こっぴどく俺はふられた。

告白雨雲は、月夜のムーンライト広場にあらわれる。
雨に濡れた人は、率直な気持ちを告白してしまうのだ。

が、俺だってやられっぱなしじゃない。
仕返ししてやる。
おれはキラキラ雨水を集めだした。
大変だったよ。。。
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「くらえ!」
キラキラ雨水を告白雨雲にぶっかけた。

白い雲はピンク色に変化した。

「おひとりで月の世界に帰ってしまうなんて。
もう1000年もあなたのお迎えを待っております」

その時だ。
満月からさあっと光の道ができた。
天女のような美しい姫が降りてきた。
ピンク色に輝く雲は、一緒に月へ戻っていった。

「・・・かぐや姫?」

あいつ、自分の告白に俺を利用しやがった。


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あつこのつぶやき

竹取物語は、9世紀後半から10世紀前半に成立したそうなので
かぐや姫を持っているとしたら
・・・・なんて長い時間。
ずっとずっと
かぐや姫を好きでいられたんですねえ。雨雲くん。

こちらの企画に参加しました。


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