認知症の改善薬
土曜日は母(96歳)の有料老人ホームに行く。
玄関を入ったところで看護師さんに呼び止められた。
ご相談がありますと、以下のような内容を告げられた。
「ご迷惑をかけて申し訳ありません」と答えた。
母は頭脳明晰な方で、入居してからも普通に話ができる。
文字を書くことが好きで、レポート用紙にいろいろな覚書を書いている。それは今でもそうなのだが。
しかし、電話で話していて、異変を感じる瞬間もあった(電話は普通にかけてくる)
・時間がわからなくなったことがある(今何時かと電話で聞かれる)
・まだご飯を食べていないと電話がかかってくる。(慌ててケアマネさんに聞くとお腹の調子が悪いので自分で食事を断ったとのこと)
私に心配して欲しいので、わざとそう言ってるのかと思っていたのだが。
元気な頃から母はかまって欲しい人だった。
心配してほしくて、故意に困ったふりをすることがよくあったのだ。
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職員さんにしてみれば、お世話をするのに辛い瞬間もあるのだろう。
夜、オムツの面倒を見るときに、強い言葉を投げかけられるのは気が重くなってしまうに違いない。
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看護師さんには「申し訳ありませんが、少しお時間をください」と返して、認知症薬について調べてみた。
いくつかの認知症薬があるのだが、処方の仕方によってかなり違うらしい。
わずかな量から始めて様子を見るのが一般的だ。
また飲み始めたから、すぐ効果が出るわけではない。
怒り出すとか暴れるのを柔らかに抑える効果があるとのこと。
職員さんに面倒をかけているのであれば、それは飲んだ方が良いのかもしれないが。
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実は私は薬の投与に前向きになれない。それには2つの理由がある。
●母は今心臓が弱っており、体がむくみ始めている。足が象のようになってきた。腎臓の機能も弱ってきていると思われる。
●現在6種類の薬を飲んでいる
心臓や腎臓の機能が弱り始めている人に、また薬を増やすことで、さらに臓器に負担がかからないだろうか。
また薬を増やすことで、薬の多剤服用にならないだろうか。
これは、NHKのクローズアップ現代で紹介されていたものだ。
たくさんの薬を飲むことで、副作用が重なって認知機能の低下が起こることがある。6種類以上薬を飲む人に出ることが多い。
3年ほど前に、私からドクターにお話をして、薬を減らしてもらった。
それでも母は今6種類の薬を飲んでいる。減らす前は9種類飲んでいた。
ここにまた薬が増えるのはどうなのだろう。
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ひどく迷ってしまい、夜寝ていても、そのことを考えていた。眠りが浅くなったほどだ。
老人ホームのケアマネジャーに相談した。親身になって話を聞いてくれた。
アドバイスは、以下の2点
・認知症の薬の効果は穏やかに過ごせるようになること。ちょっとぼんやりすると言ってもいいかもしれない。個人差が大きい。
・ドクターに直接お話をしてみることをお勧めする
やっぱりなぁ。穏やかになるって言う事は、どこかでちょっと意識を沈静化させるっていうことだし。
ドクターとは先日、終末期医療の話をしたばかりだった。(まだノートにしていない。ノートに次回します)
あらかじめ勉強会で話を聞いてもらったことがとても参考になったのだった。
終末期医療のことを考えればならぬほどの状態なのに。
心臓の状態が悪くなってきているのに、やっぱり認知症の治療もいるのだろうか。
もちろん、母の命がいつまであるかは誰もわからないが。
迷う。
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親切なケアマネさんにまた相談したくなって電話をした。
ちょうど電話に施設長さんが出てきた。
いつもニコニコしていて、腰の低い人だ。
思わず相談してしまった。
「認知症の薬を考えるようにと言われて迷っています。
今この電話で何か答えて欲しいと言うわけではなく、迷っていると言う状態をお話ししたくて電話しました」
そして、母の心臓の状態や、薬の多剤服用を心配していることなど、大まかに話した。
施設長さんは「ちょっと調べてみます」と言って電話を切った。
丁寧に話を聞いてくれた。
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今日面会に行って、母親と話をしてみた。
普通に話はできる。
ただやはり怒りっぽく、自分の気持ちに沿わないところは、あからさまに嫌な表情をする。
もともと家事は完璧で、器用な人でもある。
ほぼ寝たきりになってしまい、思うように体が動かず、イライラするところがあるのだろう。
しかも、母は自宅に帰ることはできない。居場所はこの老人ホームだけだ。
ぐるぐる考えていると、わたしのメンタルに来る。
いっぱいいっぱいだ。
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施設長さんの意見も聞いて、ドクターに話をすることになるのだろう。たぶん。
いずれ自分も行く道、頑張るしかないか。
(定年後の夫の育て方は、明日日曜日にノートにします。母のことがあると、なかなかノートが書けなくて)