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#23 スペイン語の上達が急務なボリビア生活5ヶ月目のわたし

2022年4月15日 viernes
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今月からまたスペイン語を勉強するべく語学学校へ通い出した。

二年前にも通っていた語学学校へ舞い戻る

デザインの授業、プロジェクトを進める中で、圧倒的なスペイン語力不足を感じ、これはいかんなと、重い腰を上げた。今は、言いたいことを生徒に察してもらうスタイルになっている。デザインの考え方、自分の経験、そこからの視点を伝えようとすると、どうしてもある程度込み入った表現が必要で、言いたいことが言えないもどかしさを抱えながら「今日もうまく伝わらなかった・・・ちーん」と、教室を後にする日々。
職場で日常的に会話ができればいいものの、オフィスでは黙々と資料作りなどの作業をするのみで、喋るのは授業とミーティングの時だけ。週に3日、1−2時間。これでは口がスペイン語に慣れるはずがない。というか、会話をせずに終わる日が大半の今、けっこうな危機感を感じている。

生徒や教員と、もっとフランクにしゃべる機会を持ちたい、と、なにげない普段の雑談からのアイデアを大事にしたい、(そして私にはそういう中でスペイン語を少しでも使って仕事でのコミュニケーションを円滑に進めたい)旨をディレクターに伝えるも、「コロナ禍でそういう場をもつのが難しい」など、できない理由を述べられることに、正直うんざりする。
そんな中でも、唯一、私の持っている活動で直接つながっている生徒たちとはプロジェクトの調整ごとでやりとりができるので、ありがたい。

今週の水曜日に控えていた障害を持つ子どもたちの施設への訪問に関して、生徒の女の子が訪問の申請を進めていてくれていたのだが、火曜日のお昼に彼女から連絡があった。私は午前にスペイン語の勉強をし、その後、ミニブスのルートも確認しつつ、再度その障害者施設の方まで出向き、ちょうどランチをとって、少し旅気分を味わっていた、その時。

天気もよく、ちょっと旅行気分な私
けっこうなテーブルの傾きで、スープが飲みやすいかも、などと思っていた。

「明日の訪問が認められなくなった」との連絡で、詳細を確認するため色々と動いてくれている様子の彼女。その後、その施設を管轄する組織の方まで出向いてくれ、詳細がわかった。どうやら「申請のプロセスがこの月曜日に変更されて、申請から二日経たないと訪問が承認されない。あと、施設の閉まる時間が16時なので、訪問時間も変更した方がいいんじゃないか?・・・」というようなこと。テキストと音声メッセージで連絡をくれた。それを何とか理解しようとする私。汗・・・

なかなか事情が読み取れない。解読するだけで、けっこうな時間を消費する現状。。。

「とにかく今から話をしにいく、アツコ、どこにいる?」と、その午後にオフィスまで会いにきてくれた。諸々の事項を一緒に確認し、概要が理解できた私。「とにかく明日のプランは変更して、通常のミーティングにしよう。訪問は来週の水曜日に延期。明日申請書を持ってきてね、サインをするから。」と。そして、「可能であればその施設に今後何度か訪問して、子どもたちと過ごす中で何ができるか見つけられればいいね」と私が話すと、「だったら、その意向も申請書に含めて明日、改めてきちんとした書類を持ってきくる」と、彼女。「明日は、週末に控えているたんぽぽの家へのオンライン訪問で聞きたいことの確認と、来週の施設訪問の打ち合わせ確認をみんなでしよう。プラン変更のことはすぐにメンバーに共有する」と彼女に伝えた。施設訪問に控え、私が子どもたちへの折り紙を用意していたのを、プロジェクトのメンバーに伝えていたので、彼女は「明日はみんなでもっと折り紙を作ってもいいね!」と、私が作ったいくつかの折り紙を見て「わーーー!!」と喜んでいた。「プロジェクトを進める中での調整ごとは複雑で大変だけど、これもいい勉強だよ」と彼女に話し、「また明日ね!」と別れた。

疲れている私に、かなりの癒し効果を発揮した、折り紙

次の日の水曜日。訪問を予定していたのでミーティングに際して特に何も準備していなかった私。施設訪問の諸々を任せている彼女には、現状の説明をみんなにしてね、とお願いしているが。念のため、折り紙を持っていき、みんなで折々できれば、と。

「何が折りたい?」と聞くと、前日に見てびっくりしていた「風船」と即答する彼女

自分で折った風船に喜ぶ同僚と、施設訪問の調整をしてくれている生徒。
その後一人、プロジェクトメンバーの生徒が来て、今後の訪問スケジュールを共有し「調整ごと」の難しさと、それを経験することも良い勉強だという話から、デザインの仕事をしていく上で大切なことって何だとおもう?という話など。そして私なりの例えを使って、デザイナーとして、こういうことができる人になってほしい、という話を拙いスペイン語で話すと、「そのメタファーは日本の考え方?」と、男子生徒。私は「私の経験からの私の考え方だよ」と言うと、驚いた顔をして二人の生徒は拍手をくれた。
ここでは誰もが知るような著名人のメソッドであったり、法則を示し、そこに当てはめながら制作を進める、というやり方が主流で、教員が自らの経験やそこから得た思考などを生徒と共有することがないように思う。マニュアルの中での制作。そこが変わらないと、独自の視点でなにかを生み出すことは難しいんだろうな。なので、少なくとも、いま関わってくれている生徒たちには色々と伝えたいことがたくさんある。が、伝えたい表現に対して圧倒的に語学力が足りてない、もどかしさ。



2022年4月16日 sábado
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昨日は祝日。気持ちのいい晴天で、気温も上がりそうな陽気。シーツを洗濯し、ゆっくり朝食をとる。日中は特に予定もなく、カフェでゆっくり書き物でもしよう、と、出かけた。ロドリゲス市場を抜けて、観光客の集まる通りサガルナガへ。祝日のムードもあり、少し旅気分になって歩いてみた。自分でデザインしたボリビアTシャツは持ってきたものの、本場のデザインTシャツも一枚くらいは買っておきたいな、と、Tシャツを物色しながら歩く。
着れそうなデザインのものを見つけたので、さっそく購入。

リャマ?アルパカ?のTシャツ

目的の Carrot Tree Cafe に到着。上の階に上がると、気持ちのよい景色。

眺めが気持ちよい。ゆっくり過ごせそうなレイアウト。

観光客がよく利用するカフェのようで、聞こえてくるのは英語と、ドイツ語?英語を喋る若者たちのグループは、どうやらロンドンからの旅行者のよう。久しぶりに耳にするイギリス英語がなつかしい。

昨日着いたばかりと話す若者たち。お揃いの服を着ていたので、なんかの宗教かなとおもった。

一時間少し、そこでゆっくり過ごしてからサンフランシスコ教会に寄って、家路につく。昨日は、今取り組んでいるプロジェクトのリサーチで夜21時から奈良のたんぽぽの家にオンライン訪問の予定があったので、夕方は家で少しゆっくり。オンライン訪問では、もちろん私が通訳をしなければいけない。うまく訳せる自信は、まったくない。
20時頃に、リマインドのメッセージをプロジェクトメンバーの生徒と教員に送り「21時ちょうどに入ってね」とZoom会議への参加を促した。
まず私が一番に入り、奈良のたんぽぽの家とつながった。日本は朝10時。青空と、すごい風の音。「お久しぶりです!」と少し会話をしたのち、担当教員の Walter が時間通りに入室。Walter を紹介をしながら、他のメンバーが入ってくるのを待つ。
祝日の金曜日のため、生徒がちゃんと出席してくれるかドキドキだったものの、いつもミーティングに参加するメンバーは顔を出してくれたので、一安心。障害を持つ人たちが制作をする様子、その働く環境に刺激を受けた様子の生徒たち。またスタッフの方々の雰囲気なども手伝って、終始楽しい空気の中で、見学と質問のやりとりが行われた。気づけばボリビアは夜の23時。最後に「みんなで写真を撮ろう」と呼びかけ、集合写真パチリ。

興味津々の様子で、質問が飛び交う。途中、たんぽぽのメンバーとの交流も。

ミーティングが終わってから、プロジェクトのグループチャット内では「とてもいい雰囲気で、すごく楽しかった!」「早く写真送ってーーー!」など、喜びの反応が飛び交う。協力いただいた、たんぽぽの家からの「また継続しましょう」との言葉を共有すると、さらに「イエーイ!」「もちろん!!」と、生徒や教員の反応。
私は久々に、たんぽぽの家の人たちと交流できて癒されたのと、生徒たちの喜ぶ様子も手伝い、満たされた気持ちで、ぐっすりと眠れた。



2022年4月18日 lunes
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土曜日は昼過ぎ、ボリビア人の友人二人とValle de la luna[バジェ・デ・ラ・ルナ]へ出かけた。久しぶりにゆっくり過ごせる週末、いい気分転換ができた。

いつも集合時間から一時間は遅れてくる友達。この日も例に漏れず。
自分で切っている髪の毛のシルエットが確認できた。そこまでひどくは、ない。

その夜には同僚とその彼女とピザを食べてから、ディスコへ行く予定をしていたので、彼女たちも誘い、みんなで私の家で集まることにした。いつものようにジェンガを楽しむ私たち。

心なしか少しずつジェンガの技術が上がってきたようにおもう

そして、ディスコへ繰り出し2時過ぎまで踊って、それぞれ家路に着いた。

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日曜日。同僚の彼女に誘われ、昼過ぎ、コーヒーを飲みに彼女の家へ。一週間前に彼女が拾った猫を、可能であれば私に飼ってほしい、との相談。「いやー、それは難しいわ」と返答しつつ、彼女の家に着くと、かわいいその子が私の目に飛び込んできた。

大人しく、賢そうな子。たまらなくかわいい。

Facebookで里親を呼びかけたところ、欲しいという人はたくさんいたらしいが「子どもが欲しがっているから欲しい」とか「私の猫だ!」とか、どうも信用できない反応に「信頼できて、できれば近くにいる人がいい」と、私に飼ってほしい、という彼女。「状況的に難しいよ」と、伝えつつ、私はその猫の愛らしさにメロメロになっていた。
丸くちょこんと座る姿が、豆大福のようで、勝手に「大福」と呼ぶ私。大福は私のマッサージで、うとうと眠りに入ってゆく。可愛すぎる。

私の膝の上で気持ち良さそうにうっとりする大福

その姿を見て癒される私。これが日本だったら、、飼ってるな。。。

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月曜日の今日は、午前中、語学学校へ。週末のいろいろ、プロジェクトの進捗などについて先生と話し、「圧倒的に話す量が足りていないな。口がまわらん・・・」と改めて感じる。夕方には、二年前ホームステイしていた家のママを訪ねた。

私が一ヶ月だけ住んでいた部屋を見上げる。なつかしい。

パンデミアの初期に夫を亡くした彼女。元気にしているか心配だったけども、変わらず穏やかな様子に、少し安心した。私たちは、今の仕事の話(彼女はアルパカのニット製品をデザインし販売している。)、ボリビアの文化、建築、ダンス、食べ物や健康管理について話し、あっという間に時間は過ぎ、外はすっかり暗くなっていた。
次は一緒にカレーを作ろう!と約束して別れた。

彼女手作りのホットサンドと、アップルシュトゥルーデル

彼女との時間は、本当に落ち着いて過ごせるので、ありがたい存在だ。



2022年4月20日 miércoles
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今日、障害を持つ子どもの施設へ訪問の予定が、申請手続きの諸々で急遽、行けなくなった。やはりボリビアではまだその環境が閉ざされていることが、申請のややこしさからも窺い知れる。
昨日、施設訪問の申請に奔走してくれている生徒 Belén から再度連絡があった。プロジェクトメンバー全員のワクチン接種証明と、IDのコピーを提出しなければいけなく、さらに全員のコピーに私(代表者)のサインがいる、とのことで、今週に入ってから、その連絡共有と書類準備に動いてくれている彼女。やっと全員の書類が揃い、私に会いに学校に来た。私は全てにサインをし、彼女はそれをまとめて提出しに行く。「提出してから状況をまた連絡するね」と。

この二週間ほどずっと、申請方法の確認や、その連絡共有に動いてくれているBelén

そして少し経ち、Belén からのボイスメッセージ。なかなか解読がむずかしい・・・しかし、あまり良くない状況が起こっているのだけは、わかる。
4回ほど繰り返し聞いてから、「明日は行けなくなった。今からさらに訪問できるかどうかのジャッジを待たないといけない」という旨は理解できた。「ごめんなさい、できることは全てやったんだけど、、、また延期になってしまった」と落ち込む様子の彼女。私は拙いスペイン語で、元気づけのボイスメッセージを送ってから、テキストメッセージで、概要を確認する。
私は「とにかく、結果を待とう」「私たちの訪問を援護してくれそうな人にも応援を頼む」ということ、そして何よりも、このプロセスを経験してる今、彼女の経験値が上がっていること、その様子を見てうれしく感じることを伝えた。

リスニングでの解読がまだ難しく、テキストでのやり取りに頼らざるを得ない。。。

咄嗟に返す表現もままならない今。もどかしさは、募る。

でも、生徒とのこういうやりとりができることはうれしくもあり、彼らとの信頼関係ができてくる中で、コミュニケーションの面で彼らにサポートしてもらったり、スペイン語の表現を教えてもらえたりするので、今はプロジェクトメンバーの生徒と会話できる時間が楽しい。
このプロジェクトメンバーとはいつの間にか、ハグでミーティングを閉じるようになっていることも、「チーム」になってきた感じで、うれしい。


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