ラジオ
「さて続いてのお便りに参りたいと思います」
「ラジオネーム、"今夜も眠れない"さん」
「こんばんは。私には長い間付き合っていた彼氏がいました。
私の彼氏がこのラジオが好きでよく聴いていたので、ふと想い出してメッセージを送りました。思えば、彼とは四年間もの月日を共にしたのですが、今はどうして彼の事が好きだったのかまるで思い出せません(笑)これってどうしてなんですかね?今思い出せるのは彼の長すぎる前髪と、異常なほど猫好きなこと。私は猫アレルギーなので嫌いでした(笑)あとは、お金遣いが荒いこと。なんだか思い出すと腹が立ってきました(笑)長々とごめんなさい!たまたま車から流れてきたので、メッセージを送りました!これからも聴こうと思います」
「最後に、ちゃんとお薬飲んでね。」
「とのことでした~。いや~、わかります!元カレとの幸せな思い出って全然思い出せなくなりますよねえ〜、、、、、。」
車の外では風が走り、星々が街灯のない道を照らしている。車の中から溢れんばかりの熱を逃さないようにそっと窓を閉めた。月の光がなんだか眩しい。