見出し画像

働くことの意味

はじめに

前回のお話で、お金を貯めることは言い換えれば『こころの負債』であるということをお伝えしました。
これに関して、もう少し自分なりに今後の生き方について考えていることがあります。

島の高齢者にとっての生きがい

島に住んでいるおばあちゃん、かなりのご高齢ですが毎日近くの自動販売機に赴き空き缶を回収しています。
あるとき、お仕事かと聞いてみたことがあります。
するとこんな答えが返ってきました。
「違うわよ。少しでもわたしでも役に立つことがしたいのよ。」
ニコニコ笑いながらその日も空き缶を回収しに行った後姿を覚えています。

お金を得たいからするのではなく、ただ自分の生きがいを自分なりに見つけて実行していらっしゃるのです。

若いときにやっていてよかった

以前にもお話ししたように、若い時に経験できてよかったことがあります。

一つはバックパッカーとして世界一周できたこと。

そしてもう一つは、大学へ自分のお金で行けたこと。

元々大学には行くつもりはなくて、早く就職してお金を稼いで自立したかったので専門学校に進学しました。
30代になった頃、社会人として脂が乗って天狗状態になっていたわたし。日々のなかで職場の人たちと接するなかで色々と考えることも多くなり、大学で学び直そうと思い至ったのです。

仕事も続けたかったので、通信制大学で編入という形で2年間学んだことで、自分の世界がいかに小さいかということを痛感しました。
大学ではずっと興味のあった心理学を専攻し、卒業時には看護学学士だけでなく公認心理士の資格を得ることもできました。
就職などでほとんど役に立つことはありませんが、心理学を体系的に学ぶことができたことは大きな収穫だと今でも思っています。

また、大学にしては安い授業料でしたが、自分で全て賄うことができたのはその後の自信につながりました。

働きながら学ぶということは想像以上に大変です。通信制でも大学に行かなければいけない授業やテストがありますし、仕事の都合をつけながら他の人が遊んでいる間に勉強をして心身を休めるはずの休日にテストを受けに行く。中々の苦行でしたが、周りの学生も同じ境遇だと思うと最後まで頑張ることができました。

このような自己投資にお金を使うことは人生にとってとても大切なことだと思っています。そして自己投資は自由に使えるお金がある程度必要です。
もちろん、知識を得るためだけであれば図書館などで書籍を読むだけでも勉強になるでしょう。しかしながら、資格を得たり専門的に学び将来につなげたいと考えているのであれば、やはりある程度の資金は必要になります。

自由に使えるお金があればやりたいことがあったときにすぐに実行に移せるのです。

働くことの意味

働くことは、生活をするうえでのお金を得るためだけでなく、自分のやりたいことや夢を実現するためのことであったり人の役に立ったりやりがいにつながることだと思っています。

以前、仕事を退職して世界一周していたときのことです。
わたしは毎日こんなことを思っていました。

「こんなことをしていていいんだろうか。」

罪悪感にも似た自身への問いかけでした。

というのも、当時は一か月ごとにホームステイをしながら各地を転々としていたので、その土地に来て一週間経つ頃には『旅』ではなく『生活』になっていたんですね。
生活しているのに生産人口の中にいる自分が仕事していない、そして仕事ができる能力もあるのにそれを活かしていない。
見えない不安と焦りがさらに不安を煽る悪循環。

ホストマザーは「人生にはそういう時があってもいいのよ」と言ってくれましたが、依然としてわたしの心に巣食っていました。

結局のところ、帰国後は飢えたように仕事に邁進できたこと、自分には仕事が必要なんだと再認識できたので良かったと思っています。

適度なストレスのある仕事がいい理由

健康の定義について、WHOはこのように定義しています。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることを言います。」

WHO憲章、1947

看護学生は看護学校に入ってこれを一番最初に習います。
それくらい重みのある言葉です。

長時間労働や精神的ストレスを抱えながら仕事をしている方がいます。特に日本人は我慢することが美徳という理念を幼い頃から植え付けられていることもあって、組織のなかで自分の役割を一生懸命こなそうと頑張っておられます。

しかし、仕事は自分の健康を害してまですることではありません。
このようにいうと、仕事をしなくていい、と勘違いしてしまいがちですが全く仕事をしなくていいということとは意味が異なります。

自分のキャパシティーを超えてはいけないということです。

睡眠や食事を削り、自分の安全や安心を脅かす仕事は仕事とは言えません。
それが自分の使命であり生きる意味というのであれば他者がでしゃばることではありませんが、そうでないのならば少し立ち止まって考えてみることをお勧めします。

そうかといって全くストレスのない仕事も考えものです。刺激がないと飽きてしまいますし、成長もできません。
現状維持は衰退と同義と言う人もいるくらいです。

人間は楽な方へ逃げてしまう生き物。全くストレスのない生活は人間の成長を止めてしまうため、ある程度は必要なことなのです。
自分のキャパシティーを理解し、その範囲内で適度に働くことが心身とも健やかに保つ秘訣かもしれませんね。
(そもそも、キャパシティーを超えるような仕事をさせるような職場の上司は管理者としてどうなのかしら、というのがわたしの持論です。)

FIREという生き方

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、FIREとは経済的自由+早期リタイアを組み合わせた言葉です。
10年ほど前からじわじわとこの生き方が認知されるようになり、日本ではコロナ禍頃から一気に知られるようになりました。
背景には、経済の不安定さやインターネットの普及による投資のし易さなどが挙げられると思います。岸田総理も「資産所得倍増計画」なんてものを掲げていて、NISAやiDeCoなどを後押しに「貯金から投資へ」の流れを作っていることも要因でしょう。

兎にも角にもこのFIRE、聞こえはとても夢がありそうです。
でも、実際に早期リタイアをして経済的自由を達成できるほどの資産が作れる人というのはどれくらいいるのでしょう。

お金持ちになって自由に生きたい、けれど今の生活も変えたくない。

そんな人がほとんどではないでしょうか。

Coast FIという働き方

わたしは早期リタイアに興味はない、でも自由に生きたい。そんな我儘な生き方を模索していました。そこでヒットしたのがCoast FIです。
(早期リタイアを示すFIREではなく、経済的自由のFIです。)

日本語に訳すと「惰性に働く」という意味になります。
(*実際の訳とは異なりますが説明すると長くなるので省略させてください笑)

身もふたもない言い方になってしまうのですが、
「将来安心できる金額を貯めたら、あとは自由にダラダラと働く」生き方です。

わたしの場合、このCoast FIとは意味合いが異なるかもしれません。ダラダラというよりも自由にいろんなことにチャレンジしたいのです。

看護師という資格を使って、全国を住み替えながら医療機関だけでなく教育機関や予防の分野も経験したい。看護師という枠組みから外れた働き方でもいい、とにかく自分のやりたいことをやりたい時に思い切りチャレンジできる働き方がしたいのです。

だったら退職金分の資金をさっさと作って老後問題など諸々解決させて、あとは自分の好きな働き方をしたらいいんじゃない?

これが今のわたしの生き方です。

もちろん、生き方なんて人それぞれですし、わたし自身いつその方針を変えるか分かりません。それでも指針を作っておくだけで心はだいぶ楽になりました。

おわりに

お金は使ってなんぼなので、旅などの使う目的ができたらあまり考えずその都度出すようにしようと思っています。ぐだぐだ考えていると本当にお金を使わないのでわたしにとってはとても重要!
わたしは派遣社員なので退職金が出ませんが、代わりにiDeCoやNISA制度を利用しているので心配していません。

看護師という職業が好きです。人の役に立つことは自分の成長に少なからず影響していると実感できます。それを目の前でダイナミックに知ることができるのです。辞めたいと思ったこともありません。

他の誰でもない、自分の人生をより充実させたいから仕事をするし、貢献している実感で自己満足を満たしたい。仕事は他者のためではなく全て自分のためなのです。

世の中は怒涛のように日々変化しています。
未来の自分が自由に生きることができるように、今を整えておきたいと日々奮闘しています。

最後に。
寒い日が続いておりますが、どうぞご自愛ください。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?