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【カーボンニュートラル推進企業紹介②】 アンリツ株式会社~経営陣のリーダーシップにより会社一丸となって脱炭素へ挑戦~

 厚木市内の脱炭素の取組を進めている企業に、どのように「脱炭素への挑戦」をしているかをインタビューしました。取り組む理由や取組の具体的な進め方、これから取り組む企業へのメッセージなど、1社ずつご紹介しています。
 2社目は、電子計測器、食品・医薬品の品質保証機器、環境計測機器、デバイスなどの開発・製造・販売を行っているアンリツ株式会社です。

(今回お話を伺った環境・品質推進部長の佐藤さん(左)と
コーポレートブランディング部広報チーム担当部長の西さん(右))

サプライチェーンでの生き残りをかけて脱炭素の取組をスタート

 当社は元々省エネ法対応という文脈で工場やオフィスの省エネに取り組んでいましたが、海外顧客からの要求もあり、2010年代から脱炭素の取組を始めました。
 脱炭素に取り組む背景としては、「取り組まないことによるデメリットが大きすぎる為やらざるを得なかった」と言います。もちろん根底には社会貢献の理念がありますが、顧客からの要求が厳しく脱炭素に取り組んでいないと入札で不利になる等取り組まない場合のデメリットは大きいです。また、当社のメイン商材である携帯電話の計測器は、顧客の約8割が海外企業で、特に米国の大手IT企業は自社エネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う等脱炭素の取組を積極的に行っているため、取引先の当社も温室効果ガス削減計画の策定や具体的な取組の実施を求められています。このようにサプライチェーンで生き残っていくためには脱炭素に取り組まない選択肢はありません。

まずは排出量の9割以上を占める電力から~太陽光パネルの設置~

 このようにして始まった当社の脱炭素の取組ですが、取組を進める上でまず行ったのは実績値の把握です。当社が直接的または間接的に排出しているCO2がどこでどれだけ生まれているのかを確認し、その結果、当社の排出量の9割以上を占めているのが電力使用によるものだとわかりました。そこで削減のメインターゲットを電力使用に定め、具体的な取組の検討を始めました。
 電力使用によるCO2排出の削減方法としては、創エネとCO2フリー電力*の購入の2つが考えられますが、後者は費用が割高になる為、経営陣から「2030年までは自分たちで汗をかいて頑張ろう」と、創エネに取り組むよう指示がありました。さらに、「Anritsu Climate Change Action PGRE30」(以下「PGRE30**」)と題し、2030年ごろまでに当社グループの自家発電比率を30%程度に高める目標も掲げました。こういった方針や目標を経営陣から打ち出すことで、会社全体を巻き込んだ取組につながっています。また「PGRE30」という当社独自のネーミングをしているところも社内浸透という意味で役立っています。
 創エネに取り組むことが決まった後は、風力発電、水力発電や地熱発電等の実現性も検討した結果、太陽光発電を選択し、現在日本・米国に有する主要3拠点で太陽光パネルの導入・増設を進めています。

(本社建物の屋上に設置されている太陽光パネル)

 今後の取組については、まずは「PGRE30」を完遂するために、敷地内に置ける限りの太陽光パネルの設置や蓄電池の導入なども進めていきます。その他にも、車通勤の社員向けにEVの充電場の設置等も検討中です。
*発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギー電源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど)に由来するCO2フリー価値付きの電気のこと
**Private Generation of Renewable Energy(再エネ自家発電)の略であり、「30」は達成時期の2030年頃と自家発電比率目標値の30%程度を意味する。

再エネは想像以上に安いかも?

 再エネ導入はコストが高いイメージがあるかもしれませんが、電気代高騰の影響もあり、当社では、初期投資を鑑みても再エネ導入の方が結果として安くなっています。導入にあたっては、初期投資の要らないPPA*といった制度や補助金制度もあるため、一度再エネ導入を検討してみてはいかがでしょうか?
*施設の屋根等にPPA事業者が無償で太陽光パネルを設置し、発電した電気の利用料をPPA事業者に支払う制度

出所:アンリツ株式会社へのインタビューを基に作成

文責:株式会社日本総合研究所 コンサルタント/研究員 吉村早紀


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