YESTERDAY

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どういう映画か

主人公のスーパーで働く、売れないミュージシャン、ジャック(男)は中学の数学教師で幼馴染みで付き添い人のエリー(女)と地方のパブをまわっては小銭を稼ぐ生活をしていました。そんなある日、世界中が停電します。自転車を漕いでいたジャックは停電により交通事故を起こします。病院に運ばれ、目を覚ますとベッドの上でした。幸いにも怪我も深刻ではなくジャックは数日で退院できます。退院祝いに新しいギターをエリーから貰います。エリーは1曲何か弾いてよとジャックに要求し、ジャックはビートルズの名曲『Yesterday』を弾き語ります。すると、エリーとジャックの友人のロッキーは「とてもいい曲だ。いつ書いたのと?」と意味不明な質問を投げかけてきました。ジャックが「 ビートルズの曲じゃないか」と答えると、周りの人はキョトンとしていました。ジャックは家に帰って[The Beatles]と調べました。ですが、検索結果に出てくるのは[beetles(昆虫)]だけです。ジョン・レノンもリンゴ・スターも存在しないのです。ジャックはあることに気づきます。この世から「The Beatles」が消えたのだと。それからという日は、パブではビートルズの名曲を演奏する日々が続きます。パブでも人気になり、徐々に有名になっていきます。すると、エド・シーランから連絡がきて家に招き入れることになります。ジャックの演奏に感銘を受け、エド・シーランの前座をやってほしいと本人から直接オファーを受けます。モスクワでの素晴らしい前座はSNSにより瞬く間に世界中に広がり、ジャックはさらに有名になります。この活躍を耳にした、エド・シーランの有能マネージャーが「LAに来ないか」と渡米を勧めてきます。ジャックはイギリスにエリーを残せないとエリーを誘います。しかし、エリーはその誘いを断ります。エリーは自分がジャックの幼馴染みの付き添い人枠であることに不満を抱いています。ですが、ジャックはそれに気づくことなく誘いを断れたまま、楽曲の歌詞を思い出すためにリヴァプールを訪れます。そこで、エリーがジャックに想いを伝えるためにエリーもリヴァプールを訪れます。リヴァプールで出会った2人は良い雰囲気になります。2人がジャックの部屋に入り、キスをするとエリーは突然距離を置きます。そして、「私はあなたの友人枠じゃ嫌なの。これもどうせ一夜限りの関係でしょ。」と言い放ち、部屋から出ていきました。ジャックはエリーの気持ちに気付かぬまま何十年も過ごしてきたのを後悔します。翌朝、ジャックが目を覚まし、エリーとの関係を昨日のままにしてはいけないと思い地元に帰ろうとしているエリーの後を追いかけ、話をすることになります。エリーは「私があなたの友人枠でないのなら、LAに行くのはやめて私と一緒に居て。」と要求します。ですが、ジャックはLA行きの飛行機に間に合うようにその場から離れてしまいます。ジャックはその後いつか気づかれるかもしえないという不安と罪悪感を抱いたままツアーとレコードの日々に迫られます。その間に、エリーは別の人と付き合ってしまいます。ジャックはその後、地元でライブをすることになり、ライブ後の楽屋でとても大切な人と出会います。リズとレオという男女です。その2人はジャック同様「The Beatles」を覚えていたのです。ジャックはついに終わってしまったと思ったのですが、2人はジャックに感謝をしました。「ビートルズがない世界はとても退屈だ。この世界にビートルズを残してくれてありがとう。」と。そこで、ジャックは「正しい使い方をしてね。」ともアドバイスを貰いました。リズは1つの紙切れをジャックに渡します。そこには1つの住所が書いてありました。そこに行くと、ジョン・レノンが存命しており、78歳になっていました。ジャックはジョン・レノンに「あなたの人生は幸せでしたか?」と尋ねると、「幸せな人生とは、好きな人に愛を伝え、その人と共に過ごすことだ。」という答えが返ってきました。ジャックはそこで、本当に大切なものは誰かの曲で手に入れた金や名声などではなく、大切な人に本当の気持ちを伝えることだと気づきます。ジャックは急いでエド・シーランにライブのサプライズゲストとして出演、そのライブにエリーを招待することを頼みます。ライブ当日、友人のロッキーにエリーに舞台裏に連れてきてもらいます。『All You Need is Love』を演奏後、ジャックはエリーとファンの前で、今までの楽曲は全てビートルズというバンドのものであり、富と名声はいらないから全ての楽曲を無料で配信すること、そしてエリーへの気持ちを伝えます。突然の告白に全世界が驚きます。多くの人々からの追跡を振り切り、エリーと無事家庭を築くことになります。その後、ジャックは小学校で『ObーLaーDi,ObーLaーDa』を演奏しているというシーンで映画が終わります。

感想

この作品を観て感じたことは、身近にある幸せに気付くことと思っていることを素直に伝えることがどれほど大切かということです。富と名声を手に入れると人間というのは天狗になり、傲慢になり、視野が狭くなり、大切なものに気付くことが出来なくなるというのがありがちな状況です。ですが、そのような状況から抜け出すのは難しいです。この映画では身近なもの大切さ、日常の大切さに気付かされます。この映画の醍醐味でもある、「ビートルズのない世界」においてこの大切さを気付かせてくれたのが「ビートルズの[ジョン・レノン]」だというのが僕自身のとても好きなシーンです。本当ならありえないことさえ、この物語の中ならビートルズ関連になるとなんでもOKになるのがとても興味深かったです。身近にいる大切な人に直接、自分自身から思っていることを伝える事がどれほど大事かがこの作品を通じて、感じ取ってもらえると嬉しいです。ぜひ一度、観てください。