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苦行、健康診断 マンモグラフィ

2020/09/19(土)
健診に行くため、朝ごはん抜き。
横浜で毎春、健診に行っていたが、流行病のため、割と利用者の多いいつもの健診センターに行くのが怖くなってしまっていた。
血液の数値など、見ておかなければいけないものもあるので、静岡に越してきてからこちらの病院の予約を入れた。

健診センターはとてもきれいで、受け付ける人数を制限しているのか、広い待合いにまばらに座ることができた。

当たり前だが、持ってきた『つけびの村』を何度も中断される。
ここではフルネームで呼ばれるのが苦痛だった。わたしは他人に名前を知られることを、ストレスに感じるのだ。被害者意識が過ぎる、と自虐する。だけどなにがどう転ぶかわからない。病院ではできれば番号で呼ばれたいけれど、わりとフルネームで呼ばれることが多い。

呼び方のことを除けば、看護師さんも技師さんもとても優しくて、流行病のこともあるのに文字通り寄り添ってくれた。

今日のハイライトはやっぱりマンモグラフィで、それは富士フイルム製のけっこう新しそうな器械だったが、乳房を押しつぶす手法には変わりはなかった。

「痛いです」
「まだなんにもしてませんよー」
じゃあなぜ痛い?!
採血中に注射器を凝視できないのとおなじで、自分の体がどうなっているのか、怖くて見れないままだった。
本当に痛くて、涙がにじむ。
「痛いです」
「初めてこんなに痛い?」
「前も痛かったです」
「よかったー、じゃあ今日が特別ってことじゃないですね!」
わたしにはできない考え方だったが、嫌じゃなかった。すこし、笑った。

計4回、押しつぶす。
4回目がはじまるときは心身ともに消耗しきって、ぐったりしたので、とても素直に押しつぶすことができた。
「じょうず!一番じょうずにできましたよー!」と褒めてもらう。

そうか、体のちからをぬけばいいのか。
でも無理に押しつぶされるから反発して体がこわばり、ちからが入るのだし、あの検査で最初からちからを抜くことは相当難しい。

採血だけでも大嫌いなので、今日はかなりくたびれた。

心のなかに、小さな自分がいる。
彼女は今日、ものすごく怒っているし、拗ねている。しかたがないので、コンタクトレンズを入れたまま際限なく昼寝をして、起きてからは彼女が大好きなしゃべくり倒しのフランス映画を流した。

本当はあと数年、受けたくない。

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