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生活綴方叢書『とろんと』

本屋・生活綴方の歓送迎会で、わたしの小説をリソで刷ったものをいただいた。

小説は『とろんと』というタイトルで、Trontoのことではなく、妙蓮寺のおでん屋さんが話に出てくることから、そんな名前をつけた。
おでん屋さんのご主人には実際に話を聞かせていただき、わたしの妄想とご主人の人生をフュージョンさせてもらった。
おでん屋さんにも、送らなきゃ。

この小説について、裏ごししていないじゃがいものスープのように思う人もいるかもしれない。つぶつぶしている。濾すべきだ、と思う人もいるかもしれない。
書いてしばらくはそんなふうに思っていた。

でも、生活綴方のリソで刷られたことで、つぶつぶが残っていて、むしろ良かったように思えてきた。
ピシッと音の出るような印刷ではなく、じんわり・ざらざらとした印刷。あの商店街にある本屋さんで、印刷ができる。そういうこととも合っていて、作っていただいた喜びと、書いた喜びで、じぃんとしている。

非売品となっているので、生活綴方でどういう扱いにしていくかをわたしは把握していないのですが、お近くの方は一度本屋さんでお声をかけてみていただけますか。

わたしは静岡で『とろんと』を撫でています。

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