見出し画像

ぼくの「帰宅時間の連絡」はがんばり続ける妻に1日の終わりを告げる「タイマー」だった。

ぼくはいつも会社を出ると妻にLINEする。帰宅時間を知らせるためだ。たとえばこんな風に。

なぜ、こんなことをしているのか?

それはぼくの帰宅時間が妻にとってとても大きな意味を持っているからだ。

そのことに気がついたのはほんの数年前だった。

以前はぼくの帰宅時間の遅さと妻の不機嫌レベルは相関関係にありました。帰る時間が遅くなればなるほど妻は不機嫌になる。

なんでこんな遅いの?もう疲れた……。

電池が切れかけたアナログ時計が針を震わせるように、妻の体力も限界を迎えていたんです。

だけど、家に着く時間を前もって伝えるようにしたら、妻の機嫌が悪くならず、むしろ、ぼくらは望んでお互いにケアをし合えるようになったのです。

なぜなのか?

それは、ぼくの「帰宅時間の連絡」が妻にとってどういう意味を持つのか知ったからです。

以前から「何時に帰るのかちゃんと教えてよね」とは言われてたんですよ。だけど、会社でも管理されてるのに、なんで家でも管理されなきゃならないんだと反発してたんですよね。

9時から17時半まで決められた時間を働くよう会社から管理され、行動やルールまで規定され、窮屈な思いをして働いてるのに、家に帰ってまで管理されたくない……!

そう感じてたんだと思います。

だけど、ある日、妻がこう言ったんです。

あっちゃんが19時に帰ってくると思えると、それまでがんばれるの。

小学校から帰った子供たちを習い事に送迎する、夕飯を準備する、子供たちに食べさせる、食器を片付ける、小学校のプリントと宿題をチェックする、子供たちをお風呂に入れる……。

終わりなき家事に追われ、妻の体力はひっくり返された砂時計のようにサラサラと減っていく。

そんな時にぼくから何時に帰るという連絡が来れば、終わりなき家事に終わりが見えるんです。落ち続ける砂時計の砂を止めることができるんです。

ああ、あと1時間がんばればあっちゃんが帰ってくる。そうすれば楽になれる。あっちゃんに助けてもらえる。

帰宅時間を知らせるぼくからのLINEは妻にとって、がんばりつづけた1日に終わりを告げるタイマーなんです。

慌ただしい家事育児から解放され、人間に戻れるまでのタイマーなんです。そのボタンが押されることを意味していたんです。

でも、なんでぼくは言われるまでこのことに気がつかなかったんでしょう?

世間では「察して欲しい」問題で片付けられるトピックですが、ぼくはその理由は「体験」が少なかったからじゃないかなと思っています。

ぼくは平日フルタイムで働き、妻は午前中だけ働いています。自然と妻の家事育児負担は増え、ぼくが平日夕方の家事育児を担当する時間は減ります。

つまり、平日子供たちが帰ってきてからの時間、15時から19時までの間に家でなにが起こっているのかを体験できていなかったんです。

その圧倒的な体験格差がぼくに妻への想像力の欠如と無理解を生んだんじゃないかと思うんです。

たまに妻が週末に友達と遊びに出かけ、昼から夜で家にいないことがあるのですが、そういうときだけぼくは子供たちと4人だけで過ごすことになります。(うちの子たちは9歳、9歳、5歳の超絶元気な男の子です)

何度かそういった日を体験し、ワンオペで3人の子供の面倒を見る大変さも理解できるようになってきました。

気がつけば朝ごはん、昼ごはん、夕ご飯とずっとご飯を作り続けてる気がするし、子供達がそれぞれ遊びに行きたい場所が違ってケンカになるし、ゲームはやめないわ、宿題はやらないわ、お風呂は入らないわでイライラするし……。

週末だからいいけど、平日だと学校や習い事で子供たちも疲れてるのですぐに行動してくれず、疲労感から兄弟喧嘩も増えるんですよね。

妻との圧倒的な体験格差は相変わらず存在するけど、少しでもそれを埋めることで妻の気持ちを想像しやすくなったなって思うんです。

たぶんそれがケアと呼ばれるものなんだろうなって。

だけど、妻が素直な気持ちをぼくに丁寧に話してくれたことが、ぼくの意識と行動を変えるきっかけになったなって感じてます。

あっちゃんが19時に帰ってくると思えると、それまでがんばれるの。

ぼくの存在が妻にとって安心感になっている。頼れる存在だと感じてくれている。

ぼくの帰宅が、慌ただしく回転する時計の針のスピードをゆるめ、妻をゆったりとした時間のなかで包み込むことができる。

この日々は毎日続くのだけど、1日の終わりに救われたような気持ちになる。

ぼくが帰宅時間を妻に伝えるという、ただそれだけの行為で。

だから、これからも続けていこうと思っています。

この話はポッドキャスト「アツの夫婦関係学ラジオ」でもお話ししています。通勤や家事のおともにぜひ。

-Spotify

-Voicy

-Apple Podcasts

この記事がいいなと思っていただけたら、スキやフォロー、SNSでのシェアをしていただけると嬉しいです。

◇


「アツの夫婦関係学ラジオ」の深掘りニュースレターも配信しています。夫婦関係改善方法をより深く知りたい方向けです。

個人オンライン相談はMOSHを使っています。今なら数量限定クーポンで半額です。

※半額クーポンコード(数量限定):y5nt8udtp28




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?