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妻がお弁当を作ってくれるようになった「背景」にあるもの。

「あっちゃん、あたしがお弁当作ってあげるから」

1ヶ月前のある日の朝、妻は突然ぼくのお弁当を作り始めました。

結婚して13年目ですが、今まで会社に持って行く弁当を妻に作ってもらった記憶はまったくありません。

「嫁が弁当作ってくれて……。」と言いながら、照れくさそうに弁当を頬張る同僚がちょっぴりうらやましかった時もありました。

ついにぼくにもその時がきたわけで、(これがいわゆる"嫁の弁当"ってやつか)と感慨深ったのですが、素直に「嫁が弁当作ってくれて……。」とは、ぼくは言えないんです。

いや、はっきり言うなら、そんな言葉にこのお弁当を落とし込んで欲しくないんです。

「妻がお弁当を作ってくれるようになったこと」には、そこにいたる背景があり、それを抜きにして、このお弁当の話は語れないのです。

たかがお弁当の話が壮大なオープニングとなってしまいましたが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

話は9年前にさかのぼります。(飛びすぎだけど、ここから聞いて欲しい)

双子妊娠が発覚し、妻は2ヶ月間入院することになりました。しばらく家には戻れないので、家計管理をぼくが担当することになったのです。

それ以前もやってはいたのですが、すべての支出の管理をやらざるを得ない状況になり、ぼくが正式な担当者となったわけです。

子供が小学2年生あたりまでは問題なかったんです。育児に対してお金もかからないし。だけど、3年生になり、習い事が増え、3人目も5歳になりバクバク白米を平らげるようになり、徐々に食費や習い事費を中心に支出が増えていったんですね。(3年生になると食欲がすごいですよね、3号のお米があっという間にすっからかんになります)

ですが収入自体は上がってないので、家計はマイナスになるわけですよ。サラリーマンは急に収入が増えたりしないので、こりゃまずいと思い妻に相談したのです。

外食や惣菜を減らせば家計はプラマイゼロくらいになるんじゃないかと思ったのですが、妻にはぼくの言葉が「無駄遣いを責められている」ように感じられたようなんですね。

忙しくてごはんを作れない時もあるわけで、なにも贅沢したくて外食や惣菜を買っているわけじゃないんですよね。子供が3人もいればめちゃくちゃ忙しいですから。それはぼくもわかります。

ぼくも妻を責めたくなかったのでこれ以上言えず、それにぼくが収入を上げられないことも原因の一つなわけで、自分を責めたりもしていました。

こうやって、思っていることを素直に妻に伝えられないままいたずらに時間は過ぎていったのですが、数ヶ月前にいよいよこれはヤバいというレベルまで家計は追い込まれたのです。

貯金を切り崩さないと生活できないレベルになってしまい、とはいえ収入はすぐに上げられず、支出を減らしてくれと妻にも言えず困っていました。

でも、ウンウンうなっていても何も解決しないので、すべてを妻に共有することにしたのです。

うちの世代収入はこれくらいで、支出はこれくらいで、貯金はこれくらいで、投資信託はこれくらいで、うちの家計はこんな感じでちょっとヤバいんだ。どうしたらいいか分からなくて困ってるんだ。どうしよう?

素直にすべてをさらけ出したんです。情けない夫だと思われたくなかったし、嫌われるんじゃないかと怖かったけど。

すると、妻はもっと早く話してくれればよかったのにと言うと、どうすればいいかをすぐに一緒に考えてくれたんです。

(以前から伝えてたけど、緊迫感が伝わってなかったことと、ぼくが自分のせいと思って抱え込んでたんだと思う)

そこからは二人で家計を見直し、月の支出は7〜8万円減りました。

ぼくも更新してないブログ用のサーバーを解約したり、見るのをやめた動画サブスク(Huluじゃないと見れない子供受け番組があって、その時だけ入ったんですよね)を解約したりと、自然と節約モードへと移行していきました。

その頃、会社で売っている600円のお弁当を買っていたのですが、毎回チャリンチャリンと小銭が消えていき(PayPayなのでスマホがペイペイ言いながら消えていき)、トータルで一万円もかかってたんです。

これも無駄なお金だなと思い、朝ごはんの残りのパンを会社に持っていくようになりました。

ですが、それを見ていた妻が

「あんた、そんなの食べてたら体調崩すよ?倒れたら大変なんだから、あたしがお弁当作ってあげるよ」

と言ってくれたのです。

ここまで1,700文字を費やしましたが、このお弁当の背景にはこんなことがあったのです。

それに、家計とは別に家事育児を通してぼくらはお互いをケアし合うクセがついており、ぼくが妻からぼくへのケアを当たり前と思わなくなったことも大きいと感じてます。

時間を割いて妻がぼくのお弁当を作ってくれている。朝の忙しい時間にお弁当作りという一つの工程を足してくれている。ぼくが体調を崩さないようおかずを選んでくれている。

そんな妻からぼくへのケアがとてつもなく嬉しく、貴重なものだと感じられるのです。

ぼくらが素直な気持ちを(家計の話も含めて)シェアできるようになったこと、お互いのケアを当たり前と受け取らなくなったこと。

だからこそ、「妻がお弁当を作ってくれるようになったこと」は、ぼくにとってとてつもなく大きな意味を持っているんです。

たかがお弁当の話がだいぶ長くなっちゃいましたが、伝わりましたでしょうか……?

それから、妻が寝る前に明日以降のお弁当のおかずを仕込んでいるのを見ると、ものすごく心がキュンキュンときめくんです。

何を言ってるのか意味不明かもですが、妻が自分の時間を割いてぼくのためのお弁当の準備をしてくれている。ぼくのことを考えてくれている。ぼくを大切にしてくれている。

そんな思いが溢れてきて、もうスキ!と胸がときめいてしまうんです。(理解不能かもしれませんが……。)

やっぱり愛情の正体はケアなんだなと、そんなことをしみじみと感じています。

そんなわけで、今日も妻が作ってくれたお弁当を持って出社します。皆さんもいい一日を!

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味付き卵が最高なのです。



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