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”軸”を決めたら子どもとのお出かけが楽しくなった話。

「この町って、源範頼みなもとの のりよりが隠れ住んでたんだって」

ぼくがそう言うと、妻は「えー!本当に?」と説明書きを興味深げに覗き込んだ。

ここは埼玉県吉見町、ぼくらは古墳時代の遺跡である吉見百穴よしみひゃっけつを家族で訪れていた。

6世紀ごろのお墓

一年前のぼくらなら絶対に行かなかった場所だ。

この場所のことは以前から知っていたけど、ただの「壁に空いた穴」としかぼくは思っていなかった。

だけど、今のぼくらはそこに古代人の息吹を感じることができ、何気なく書かれた説明書きから歴史的な興味を揺さぶられることもある。

壁に空いた無数の穴のなにが面白いのか?

源頼朝の弟とはいえ、超マイナーな武将である源範頼みなもとの のりよりのなにが面白いのか?

この記事でその面白さを伝えようとはまったく思ってません。

ぼくが伝えたいことは、「”軸”を決めた家族旅行って面白いよ」ということ。

ぼくらの場合、それは”歴史”になるわけだけど、親子のどちらも興味のある分野をもとにお出かけ先を決めると、精神的に疲れることがなく、楽しい旅ができるんです。

少なくともぼくと妻にとっては、軸を決めてからは子連れのお出かけがとっても楽しいものに変わったんです。

以前は土日になるたびに憂鬱だったんです。

うちには8歳の双子と4歳の三男がおり、全員男の子なので超絶にぎやかなんです。

休みの日に家にいると、遊び叫ぶ声と泣き叫ぶ声が家中に響き渡り、頭がおかしくなりそうになることが何度もありました。

家の中にいると辛いから外に出るのですが、特に何も考えずに行き先を決めると子どもが飽きてぐずり始めたり、ぼくらもその対応で疲弊してしまうんです。

ぼくらによって土日のプランを練ることは超重要課題なんです。

ですが、平日が忙しすぎて土日のプランまで手が回らない!

子どもが興味ありそうな場所(大きな遊具のある公園、ちょっとしたミニ動物園)を候補に入れるけど、大人が楽しめそうもなく心躍らない!

自分たちも楽しめるとなると遠出のレジャーになり、移動だけで疲れてしまう!

そんな感じですっかり参ってたんです。

そんな我が家に訪れたのが、空前の歴史ブームです。

大河ドラマ「どうする?家康」をきっかけに家族中がハマり、聖地巡礼に名古屋城と清洲城(織田信長の城)まで行ってきました。

シャチホコが眩しい名古屋城

家の中では連日連夜子どもたちがチャンバラをし、4歳の三男は演舞用の木製の日本刀(小さくて軽いやつです)を振り回し、毎晩外で武将ショーを繰り広げています。

「われこそはー!前田慶次!いざまいりゅ!」

毎晩20時頃まで、三男は名古屋城で見た武将ショーをひたすら再現するのです。

妻はいつの間にかNHKオンデマンドに申し込み、毎晩「鎌倉殿の13人」を見ては涙を流しています。

秋の旅行は沖縄にするはずだったのに、姫路城になりました。

年末年始はユニバーサルスタジオジャパンに行くはずだったのに、大阪城になりました。

そして、近所の公園へのお出かけが「古代のお墓」に変わったのです。

家族全員がハマれるものができたおかげで、お出かけ選びが格段に楽になったんです。

以前ならいくつもの選択肢があり、迷いが生まれやすかったんですよね。

子どもの知育にいい場所がいいんじゃないか?

いや、大人が楽しめないと辛い。

ゆっくりできるレジャー施設やホテルにするか?

でも、遠くは嫌だ。

無数の選択肢から旅行先やお出かけ先を選ぶのは大変ですよね。

でも、歴史という”軸”を定めそれをもとに決めると、あっという間に決まるんです。

誰一人反対する人もでず、みんなが楽しめるお出かけになるんです。

それに、歴史的な場所って、結構身近な場所にもあるんですよね。

うちの近くには江戸時代に建てられた家が残っていて、ミニ観光スポットになっているので、どこにも行けない時にはそこに行っています。

他にも源平合戦にゆかりのあるお寺や、もうなくなってしまってけど跡地だけ残っているお城も、意外に近所にあるんですよね。

ぼくらの場合は歴史でしたが、なにか軸を決めて行き先を決めると、選択肢が減ることで選びやすくなり、そして深く楽しめるお出かけができるんじゃないかなと思っています。

よろしかったら、あなたの家族にも”お出かけの軸”があったら教えていただけると嬉しいです。








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