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子供のスイミングスクール選びから考えた「組織と個人の目的不適合」問題。

「なんでぼくは泳げないの?」

小学生2年生の夏休み、息子がそう言ったんです。

水泳の授業中、スイスイ泳げる子がいる一方で自分は溺れる子犬のように泳げない。なんでなんだ…?

そんな単純な疑問が湧いたようでした。

来年の夏までに泳げるようになりたいとのことだったので、近所の通いやすい水泳教室を選び、毎週通うことになりました。

ですが、一年経っても息継ぎすらまともにできず、クロールなんて夢のまた夢って感じだったのです。本人の問題かと思いきや、その教室に通ってる子はだいたいそんな感じでした。

そんなわけで思い切って昨日から別の水泳教室に切り替えたのですが、これがいい判断だったようです。「組織と個人の目的を合致させる」ってホントに大事だなと昨日から痛感しています。

この体験から感じた子供の習い事先の選び方と、運動教室のスポーツマーケティングについて書こうと思います。ぼくと同じく子供の習い事先の選び方に悩んでる方の参考になれば幸いです。

ずいぶん老人が多いんだな……。その水泳教室が始まった時、最初に感じた感想がこれでした。そこはジムが主体で、ジムがキッズスイミングスクールを付け足して運営している感じでした。

ホームページには若い男女が筋トレやランニングをしている画像が並び、その下に「キッズスイミングスタート!画期的なITシステム指導!」なんて書かれています。

ああ、ジムがやってるのかくらいにしか思ってなかったのですが、行ってみるとジムというよりなんというか、まるで老人介護施設でした。

ジムの入り口では70代以上のおじいちゃんおばあちゃんが列をなして開店を待っています。どうもおじいちゃん達はお風呂目的の人が多いらしく、「今日はボイラーが壊れてお風呂はお昼からですー!」とアナウンスがあった日は残念そうに帰っていきます。

女性は運動が目的のようで、ヨガ教室でたくさんのおばあちゃん達ががんばって関節を開いていました。

耳が遠い人もいるようで若いスタッフがおじいちゃんおばあちゃんの耳元で大声で話しかける姿もよく見かけました。

肝心のキッズスイミングスクールはどうかというと、25メートルプールの70%は老人に占拠されており、穏やかに水中散歩をするおばあちゃんや、緩やかに泳ぐおじいちゃん達で溢れかえっていたのです。

子供達はプールの端っこの方でパシャパシャと申し訳なさげに練習をしているのです。最初はなんじゃこりゃ?大丈夫かな?と心配だったのですが、マーケティングが異常にうまく、レベルが細かく分かれていて、毎月のテストで少しづつ級が上がっていくんです。

帽子の色や帽子につけるワッペンが変わったり、さらに進むとキャラクターが印刷されたアクリルパーツがもらえて、それをアクリルの盾にはめていくみたいな感じで、「上達してる感」を演出するのが憎いほど上手だったのです。

なんだかんだ一年ほど経ち、小学校では水泳の授業がまた始まりました。今年こそ!と気合が入っていた子供達でしたが、結果は残念なものでした……。

クロールはおろか、ビート板で25メートル泳ぐことすらできません。なぜなら、まだ水泳教室ではそこまで教えられていなかったからです。一年経ってるのに!(月謝を返してくれー)

本人の努力の問題として片付けるのは簡単ですが、僕は組織の問題と仮定しました。あんな介護施設まがいの教室で子供達が水泳をじっくり練習できるはずがない!そうだ、他のスクールにすればいいんだ。

もう水泳自体辞めさせようかと思いましたが、本人達は泳げるようになりたいと望んでいたので、妻のママ友ネットワークを総動員し「泳げるようになるスイミングスクール」を探しました。そして、ついに見つけたのです。

やたら横幅が広い50メートルを持つそのスクールは子供向け水泳教室に特化しており、子供以外には指導していません。壁にはマスターズやらなんやらの水泳大会で輝かしい成績を残した子供達の写真が飾られ、大会に向けて子供達を激励する言葉が並んでいます。

ここは「ガチ」の水泳教室だったのです。ゴミのような入会特典グッズ(ほんとに要らんものばっかり)もなく、眠くなるほど長い入会説明もなく、初日から1時間ひらすら泳ぎ続け、子供達は帰りの車でウトウトするほど疲れ切っていました。

以前通っていたジム主体スイミングスクールでは、子供達が「気持ちよかったー!」と言いながらプールから出てくるのですが、水泳というよりお風呂で遊ぶみたいなレベルだったようです。

ここならば、今年の夏までには25メートル泳ぎ切ることはもちろんクロールもできるようになりそうです。

この体験から学んだのですが、「組織と個人の目的地を合致させる」ってホント大切ですね。

ジム主体スイミングスクールの目的は「子どもをプールに慣れさせる」程度のもので、さらに本質的な目的はジム入会者を増やすことでした。子供と一緒に入会すると安くなるとか、待ち時間にジムで汗を流しませんかとか、さんざん宣伝してました。

そして、メインの客層は老人なので、子供達への待遇改善(広い練習スペースを確保、泳げるようになるなるための指導)はたいして重要じゃなかったのです。

それに対して新しく通うことになった水泳教室は子供向けのガチのスイミングスクールです。「子供達の泳力を上げること」が目的であり、親への余計な勧誘もなく、意味不明なクレジットカードへの強制入会もありません。ただひたすら、子供の泳力を上げることに集中しています。

そして、うちの子供達の目的も「泳力を上げること」です。

「なんで、このスイミングスクールに通いたいんだ?」

改めて子供達に聞くと、こんな返事が返ってきました。

「クロールが泳げるようになりたい」

「25メートル泳げるようになりたい」

本当は夏の水泳の授業で同級生に負けたくないという気持ちもあるんでしょうが、彼らの目的が叶うまでここに通わせてみようと思います。

結論としては「組織と個人の目的を合致させること」ってマジ大事だなと身に沁みました。仕事にも参考になりそうですよね。

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それでは、また明日!



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