妻が”頑張って”ママ友コミュニティに参加していたことを知った話
「あたし、もともと知らない人たちの輪に入るの苦手なんだよね。だからちょっと頑張ってんのよ。ここに引っ越してからも、あの子たちが小学校に入ってからもさ」
こないだ上の子たちの小学校の授業参観と懇談会があったんですね。ぼくも次男の授業参観だけ参加したので、妻とその日の夜に子どもたちの様子を共有し合っていたんです。
その時に妻はそんなことを言ったんです。
ぼくはちょっと意外だったんです。妻はぼくと違ってすぐに友達を作ることができるキャラで、いつも明るく楽しそうにしているんですね。いつも冗談ばかり言っているし。
ご近所のママさんたちとも仲良さそうに話しているし、小学校に入ってからも他のママさんたちとも楽しそうに「やっほー」なんて言って会話しているんですね。
(あー、この人は社交的なんだな。というか、ママさんたちはみんなおしゃべりが好きなんだな)
なんて、呑気に考えていたんですが、それはどうも勘違いだったみたいです。
◇
「だって、仲良くしておかないと何かあった時に連絡取れないし、こっちに連絡もらうこともできないからね」
妻はそんなことも言っていまして、確かに思い返すと、子どもたちがコロナになったときに、学校への連絡や持ち物の相談を妻は近所のママさんとLINEでやりとりしていたんですね。
あと去年は、まだ一年生だった長男が時間割のプリントを学校に忘れてきてしまって、「明日の準備ができない…。」と夜の21時に泣き出したことがあって、その時も妻は、近所に住んでいる長男の同級生のママ友から時間割の画像をLINEで送ってもらって解決したんです。
他にもママ友の助けを借りたことが何度もあって、多分ぼくの知らないところではもっとたくさんあるんだと思うんです。
ぼくは(妻は社交的だなぁ、女性ってよく話すからなぁ)って思っていたんですが、妻としてはママ友とのコミュニケーションを「頑張っていた」そうなんですね。ぼくは全然そこに気がつかなかったんです。
小学校のママさん達は「幼稚園グループ」ですでにコミュニティが出来上がっているんですね。保育園っていろんな地区から通うけど、幼稚園ってその地区の子たちが通うじゃないですか?
だから、その地区の子たちが通う小学校には、その地区にある幼稚園に通っていた子たちが多いんですね。
なので、うちのように保育園出身だと、すでにそこにある幼稚園グループの中にうまく入っていく必要があるわけです。
妻のご近所ママ友もその幼稚園グループに入っているので、小学校の授業参観や懇談会にご近所ママ友と一緒に行くと、そのご近所ママ友が幼稚園グループと会話をするんですね。
小学校内では最大勢力である幼稚園グループとうまくやっていると、色々と情報が入ってくるそうなので、妻も頑張って声をかけたそうなんです。
ご近所ママ友と幼稚園グループのママさんが会話をし始めた瞬間を狙って、「こんにちはー、◯◯です。◯◯幼稚園だったんですか?」なんて何気ない雰囲気を装って、うまい具合にその幼稚園グループに接近したそうなんです。
(こういうところが妻はすごいなー、よくできるなー)とぼくはいつも感心していたんですが、妻は好きでやっていたわけじゃなかったんですよね。
「あたし、子どものために頑張っているんだからね。学校に持っていかなきゃいかないものの情報とか、プリントの情報が適当すぎてよく分かんない時ってあるじゃない?子どもが学校で困んないように頑張ってんのよ。知らない人と話すのもともと苦手なんだから」
妻はそう言うんですね。
ぼくはてっきりただのおしゃべり好きかと思っていたんですが、子どもたちが近所や学校でうまくやれるように、そのためのサポートとしてママ友のコミュニケーションを頑張っていたそうなんですね。
◇
妻のそんな話を聞いてからは、近所の仲良さげなママさんたちのおしゃべりも、授業参観に来ていた仲良さげなママさんたちのおしゃべりも、みんな意味があるものに思えてきたんですね。
もちろんおしゃべりをしてストレス発散している人もいると思うし、本当に気が合うからおしゃべりしている人もいるとは思うんですが、もしかしたら女性のほとんどのコミュニケーションは、コミュニティ内でうまく立ち回り有益な情報を手に入れるための根回しなのかもしれないなって思うようになったんです。
次男が去年学校で軽いいじめにあったことがあったんですが(先生と相談して解決はしました)、その時に妻は相手の子がどういう子なのか、親はどういう人なのか、同じ被害にあった子はいないのかという調査をたった1日で終えたんです。
その結果、同じ被害にあっている子が何人かいて、ハードクレームがいじめをした子の母親に入り、今は母親が学校に迎えにきていることが分かりました。
その後の妻の追跡調査で、母親のお迎えのおかげでその子の精神状態が落ち着いたということも分かったんですね。
ここまでの調査をこんな短時間でぼくには絶対にできないと思うんです。妻がご近所さんや育児コミュニティや小学校コミュニティにアンテナを張り巡らせて、随時LINEで情報交換していたから分かったんだと思うんです。
それも「好きでやっている」わけじゃなくて、「子どもたちの学校生活のため」にやっているんですよね。
妻は単なるおしゃべり好きかと思っていたんですが、まさか子どものために頑張ってコミュニティの輪を広げていたとは、まったく思わなかったんですね。
これって「女性だから」できるわけじゃなくて、育児の主な担い手だから「やらざるを得ない」からやっているという側面もありそうです。
いろんなことを考えさせられた子どもの授業参観になりました。
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