圧子(あつこ)

圧が強めな書評を書いています。著作権とか心配です。

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  • 架空書評シリーズ

    くだらない文章でお金なんか取れませんよ

最近の記事

架空書評:モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』

※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- 現代社会は怪獣の巣窟だ。ひとたびお外にでてみると、目を見開いた二足歩行の怪獣が私利私欲を満たすために歩き回っている。しかも1匹や2匹ではない、大量に。 怪獣は箱の中で産まれるのだろうか。毎日、毎日、朝と夜に規則正しく四角い箱から怪獣がたくさん吐き出される。箱は怪獣を輸送しているらしい。箱の中はさぞ居心地がいいのか、必死にそこに乗り込もうとする怪獣もいる。なんと

    • 架空書評:市川拓司『いま、会いにゆきます』

      ※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- オンラインセックスという愛の形がある。チャネルは問わないが、オンラインで繋がった2人がお互いを言葉で鼓舞しながら、カタルシスを実現するという行為だ。 この本を読むまでは、まさかそのようなセックスが可能なのかと半信半疑であったが、そのピュアで電子的な愛の営みのリアリティが読後、押し寄せてくるのである。愛とは何か、そんな誰も解けないような方程式を真っ向から解きにいくのではな

      • 架空書評:新海誠『小説 君の名は。』

        ※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- DQNネームの隆盛は子どもの人生に深い哀しみをもたらす。親のエゴによって、子どもはスティグマを負い、救いようのない日々を過ごすことになるのだ。 本作は「小説」と名付けられた鈴木小説の半生を描いたフィクションの私小説である。学校では「小説君」と呼ばれており、平凡な名字とのギャップからやれ芥川だの太宰だの川端だのと、友人達にいじられ、からかわれる日々を過ごす。これは両親の小

        • 架空書評:芥川龍之介『蜜柑』

          ※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- 「Lemon」という歌謡曲が巷で流行る中、芥川はあえて蜜柑という同じ柑橘系をぶつけてきたのだろうか。それは流行に対するアンチテーゼ。J-POPと、そして日本の文学界に衝撃をもたらした問題作。これを読んだ人は、あまりの過激さに失明するとまで言われている。 実際に本作の担当編集であったY氏とは、日暮里のダーツバーでよく一緒させてもらうのだが、本作に関わり始めてからは一切顔を

        架空書評:モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』

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        • 架空書評シリーズ
          7本

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          架空書評:片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』

          ※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- 最近、前髪の後退が気になる捜査一課の吉崎慎也は、誤ってピストルでお内裏様のコメカミをぶち抜いてしまい、仕事をクビになってしまう。その時の射撃は大変に見事で、お向かいのマンションの1室に飾られたひな人形に向けて、自室から発砲し、誰も傷つけることなくぶち抜いたのである。 なぜ? 答えはひとつ。ぶち抜きたかったから。吉崎は子供の頃から思い立つと理性の鎖虚しく行動にうつしてし

          架空書評:片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』

          架空書評:綿谷りさ『蹴りたい背中』

          ※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- 小説は設定が全てだ。その「善し悪しは物語の設定で8割決まるお」と述べたのは19世紀の文学批評家吉崎慎也である。吉崎の達観をも超越するのがこの『蹴りたい背中』。私は声高にいう、「善し悪しは物語の設定の8割5分で決まるお」と。 人間サッカーが国民的人気を誇る世界。そこでは、人間がボールとなり、ゴールへと運ばれる。国民はこのスポーツに日夜夢中であり、スタジアムは常に満員。試合

          架空書評:綿谷りさ『蹴りたい背中』

          架空書評:村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』

          ※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。 ----------- 物語は、鳥類研究者の吉崎慎也が猛禽類の大群に追われるシーンから始まる。かつてこのような導入の物語がこの世界にあっただろうか。自称小説家が書きつけたアイデアノートまでつぶさに見れば、似たようなシーンはあるかもしれない。既に吉崎の上半身は猛禽類のかまいたちによって切り刻まれており、冒頭から主人公の生存確率がこれほどまで低い小説もこの和平条約が蔓延る時代に珍しい。また、吉崎の相

          架空書評:村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』