架空書評:村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。
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物語は、鳥類研究者の吉崎慎也が猛禽類の大群に追われるシーンから始まる。かつてこのような導入の物語がこの世界にあっただろうか。自称小説家が書きつけたアイデアノートまでつぶさに見れば、似たようなシーンはあるかもしれない。既に吉崎の上半身は猛禽類のかまいたちによって切り刻まれており、冒頭から主人公の生存確率がこれほどまで低い小説もこの和平条約が蔓延る時代に珍しい。また、吉崎の相