見出し画像

自信家の同僚

最近、空手のプロ選手と同僚になった。

仮に、彼の名前をたけしとする。


身長180cm後半、体重100kgオーバーの大男。
思いっきり蹴られたら骨ごとやられるのだろうな、とすぐわかる。

福岡出身で、昔はケンカ三昧。
戦歴は集団で来られたとき以外は無敗らしい。

まずなんだよ集団で来られるって。

今もそのやんちゃな感じは残っている。
他の同僚と比べて態度も良くなく、誰がどう見ても問題児である。

上司も、たけしの扱いには少し困っているように見える。


唐突だが、わたしは結構たけしに好かれている。

理由は「後輩に似ているから」らしい(笑)
他人だとは思えないと言って、よく一緒に行動している。


たけしにはわたしにはない、すごいところがある。

本当に、自分に自信を持っているのである。
その自信は誰に何を言われようと、1mmも揺るぎないのだろうとすら思える。

自分を大きく見せようとか一切ない。あるがままの自分を受け入れ、等身大に生きている。


たけしの言葉は強い。自信があるが故に、どんどん自分の意見を言うし、積極的に人も誘う。

人によってはそんなたけしを苦手にする人も多いだあろう。
こんな大男なんだもの。
そもそも圧がやばいし、誘いを断って不機嫌にしてしまったらそりゃ怖い。


でも彼は断っても怒らない。

一緒に夕食を食べていて「この後どうする?」と聞かれたときに「おれは図書室で勉強する」といって遊びを断っても、真面目か、と笑いながら了承してくれる。


自分に自信があって、自分を心から受け入れているたけしは、他人の判断や発言も受け入れ、尊重している。

むしろはっきり「おれはこう!」と言っても傷つかないし、意見がちがくても「お前はそうなんか」くらいで流してくれるから気持ちがいい。


そして、そのたけしの自信は、わたしがどうしようもなく欠けているものだ。


わたしも試しになにか武道やってみようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?