ダイエットは明日から

ダイエットはいつも明日から

「胃カメラの所見でもまったく問題ありません、綺麗なものです、肺機能も正常、心電図も正常ですが、ただ……」
朝はやくから奥様と突入したメディカルスクエアみなとみらい(カバー写真は、駐車料金の最安値を探したところ、横浜マリン&ウオークが平日最大900円だったので、そこから人間ドックまで15分ほど散歩しているときの写真ね)での人間ドックの結果を、担当の医師から聞かされているときのことだった。

医師が、少し言いよどんで、嫌な空気が流れた気がした。
「ただ…… 先生、ただなんですか?」

「癌ですか!? それとも?」 
の言葉を飲み込み、医師の言葉を待つと……

「異常ではありませんが、腹囲が86センチなのでメタボ基準に1センチオーバー、コレステロール値も少々高いので、特定保健指導の積極的な支援の対象になります」

えっ??? そ、それ、なーに?

特定保健指導の積極的な支援ってなんだ?

積極的支援は、初回面接のあと3~6か月の継続的な支援を行うことにより、内臓脂肪の減量をめざします。保健指導はポイント制になっており、通算180ポイント以上実施しなければ、保健指導を完了したことになりません。たとえば、個別面接では10分で40ポイント、グループ支援では40分40ポイントというように、時間と内容でポイント数が定められています。メールやFAX、手紙でのやりとりでもOKです。なかには、運動施設に通ったり、保健センター等で開催される教室に参加したりと、あなたのライフスタイルにあわせた保健指導方法を選択することができる場合があります(医療保険者ごとに実施方法は異なりますが)。6ヵ月間にわたり、数回保健指導者と関わることにより、体重減量といった、個人の目標の達成を支援するものです。
※公益財団法人長寿科学振興財団が運営している健康長寿ネットより抜粋

医師に代わって保健指導担当の方が、説明してくれたのは
「いまは身長178センチ、体重が72.4キロですが、目標体重を決めて、6ヶ月で達成しましょう!」と明るく励ましてくれる。い、いったい、私が何をしたと言うんだ。2年前に会社を辞めて、自宅で仕事をするようになってからは、酒量も減って体重も5キロほど落ちて、通勤もない規則正しいストレスフリーで、好きなことだけしかしない人生だと思っていたが、厚生労働省は私の生き方・暮らし方では健康ではないと判断したようだ。

「わかりました、目標体重を70キロとして頑張ります」と約束だけして、とりあえず幕を引いた。たしかに、ずっと家の中にいて、奥様の手料理に舌鼓をうち、私の大好きなメニューばかりリクエストしがちで、最近のマイブームはごま炒め高菜漬けを入れた焼きそばや炒飯だったり、サバ缶で炊き込んだご飯だったりと、炭水化物のオンパレードだ。家にずっといると、いつでも好きなときに間食し放題で、ポテトチップは箱買い(12袋入り)するし、大好きなおせんべいや柿の種やビスケットは在庫がうなるほどある。甘いものが大好きなので、毎日のようにコーヒーとケーキ、日本茶とおまんじゅう、ミルクティーとジンジャークッキーとほうばり堪能してきた。確かに食べすぎかも知れない。よし、炭水化物の量もコントロールして、甘いものは控えよう! 10月の宮古島移住までには体重を70キロにしてスリムになっておこう! 

よし、今日からダイエットだ!

そう決心して、人間ドックを後にした。私の決意は固かった←過去形、ん? 堅かった、かな? 硬いじゃないな。

 建物を出ると、目の前には ”みなとみらいクイーンズスクエア” があって、時間を見ると11時45分、検査のために朝ご飯どころか、水も飲んでいないからすっかりお腹が空いたし、奥様とランチを食べておうちに帰ろうと意見が一致した、久しぶりの奥様と二人で外食だ。他の人間ドックではどういうシステムなのかは知らないが、ここでは検査終了後に汚職事件 いや お食事券を1000円分くれるのだ、奥様と二人で2000円分もある(でも、まぁ、自分が払ったお金から出ているはずなので、得した気分は錯覚)。これなら普段はなかなか食べないものが食べたいね、と言っていたら人間ドックの係の人が帰り際に満面の笑みで、東急ホテルのランチブッフェ(トスカ)の割引優待券をくれたのだ。なんと3900円が3100円になるという。これに1000円のお食事券を使えば、2100円になる。これはいい!

ダイエットはいつも明日から

12時前と言うこともあって、予約なしでも入ることができた。すでにたくさんの観光客や、有閑マダム?おぼしき人たちでごった返している。ネクタイをしたサラリーマンが仕事の打ち合わせもしていた。

わずか30分ほどで平らげたのは

・大皿いっぱいのサラダ
・焼きアスパラ
・オムレツ
・カレーライス
・タイ風カレー
・ピンチョス
・カルボナーラ
・リゾット
・ローストビーフ
・ビーフシチュー
・スパイシー焼き肉
・長いものコロッケ
・チキンブレスト
・紅茶のシフォンケーキ
・アイスクリーム
・ショコラロール
・マンゴームース
・ブドウ
・プリン
・アイスコーヒー

で、お腹がいっぱい、身動きがとれないほどだ。パンパンに張ったお腹をさすった時にハッと気がついた。厚生労働省に「腹囲が86センチなのでメタボ基準に1センチオーバー、コレステロール値も少々高いので、特定保健指導の積極的な支援によって体重を70キロに落とす」と約束させられた舌の根も乾かぬうちに、まるでこれでは、うしろからそっと忍び寄って刀も持たない町民を袈裟懸けに切り捨てて逃げ去る卑怯な侍のような気分で、嫌な汗が額(ひたい)ににじんだ。そこから、駐車場まで15分ほど散歩をして、少しだけ食べ過ぎた罪悪感を赤レンガ倉庫の脇道へ捨て去って、おうちへ帰ってきた。

なぜ、ダイエットは明日からになってしまうのか?

 ダイエットは手段であって、目的ではないので、目的をきちんと認識できていないとダイエットという手段をいつから実施するかという決断は極めて曖昧になる、と冷静に考えるとあたりまえのことだ。よくあることだ、仕事でも手段が目的化してしまい、もはやなぜ、これをするのかではなく、それをすること自体を目的として、一心不乱に働く間違った姿は最近の「働き方改革」でも見受けられる。そういうのはダメだ、と自分のコミュニティやブログでさんざん警告しているのだが(笑)、ミイラ取りがミイラになった、とでも言うのか、自分の身になると難しいモノだ、だからダイエットはいつも明日からになる。

 ダイエットを決意したのがそもそもの間違いで、手段を目的にした決意など、決意ではなかったのだ。本来であれば、こう決意すべきだった。

「健康な身体で10月に宮古島へ移住するぞ!」

 こうすれば、きっとそのための手段(のひとつ)としてダイエットも苦にならないし、決して目の前のブッフェには入らなかったはずだ(たぶん)。

 これを読んでいる皆さんも、ビジネスプランや戦略や目的なども、手段が目的化していることが多いので、2月に入ったばかりのいまこそ2019年のゴールなど、手段が目的になっていないか、確認したほうがいいですよ、と自分のことを棚に上げた私が書いても説得力がないですね、すいません、すいません、すいません。

 それにしても、人間ドックがお食事券を配布したり、東急ホテルのブッフェの優待割引券を配ったりと、なんだか人間ドックのミッションというか経営理念には反しているんじゃないか、いや矛盾さえしているようで、まるで私たちの人間性を試しているかのようだけど、マーケティング的には、まんまとセグメントされてドンピシャのターゲットだったな私たち。

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