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DX Column 第一回:DXを進めるには?【後編】~DXのための取組み~


DXを前進させる!

前編では、DXの定義やDXの浸透における代表的な課題を挙げました。これらの課題を解消し、DXを前進させるためには、企業や組織としての取組みが必要となります。
このような取組みの状況を測る物差しとして、経済産業省から「DX推進指標」が公開されています。DX推進指標では、DX推進のための経営の在り方や仕組み、DXを実現する上で基盤となるITシステムの2つの視点で定量・定性の両面から設定されています。これらの視点は、DXのビジョン、コミットメント、風土醸成、人材育成そして、DX企画や施策そのものの推進状況に対する指標となっているのです。

図1

では、それぞれの推進指標に対してどのような取組みが必要となるのでしょうか。弊社では、DX推進指標を鑑みて、代表的なDXの課題に対する取組みを以下のように考えています。

①ビジョン

デジタル技術を活用して、自社が顧客や社会に対して、どのような製品やサービスを提供し、それらによって顧客や社会がどのような価値を享受する事ができるのか、やその実現性・必要性についても明確にし、社内で共有するだけでなく、社外へ打ち出す取組みが必要となります。

②コミットメント

ビジョンをどのように実現していくのかの道筋だけでなく、実現するために必要となるリソースを明確にし、DX企画や施策推進を促進するための組織体制の構築等の取組みが必要となります。

③風土醸成

コミットメントの中で構築する組織体制に対して、DX施策を後押しする役割やミッション、持つべき権限を定義し、その運営方針や個々のDX施策の管理方針等を検討するだけでなく、ビジョンを実現するための挑戦とビジョン実現の意識を高める取組みが必要となります。

④人材育成

ビジョン実現に向けて必要となる人物像から、人材スキルやスキルレベルを定義したうえで、どのようにDX人材を育成・確保するのかを計画し、実践する取組みが必要となります。

⑤DX企画・施策

ビジョンに基づいた施策の企画の高度化及び効果の確実な刈取りに向けた施策の推進、またそれらの施策を組織的に管理する取組みが必要となります。

このような取組みを、DXを広義に捉え、企業の考え方に基づいた定義の中で、課題に着目して推進する事が重要なのです。

DX Acceleration

さて、ここまでDXとは何なのか、日本企業においてDXの浸透は進んでいるのか、なぜ成果に繋がらないのか、その課題は何なのか、どのように解決していくべきなのかについて書いてきました。ここからは、クライアント企業の皆様に対する弊社のDXに関するサービスについて、紹介したいと思います。
前述の通り、DXを推進し、浸透させるためには、「早期に実行に移す」「円滑に進める」「確実な成果に結びつける」事を目指して、挙げたような代表的な課題に着目し、ビジョン、コミットメント、風土醸成、人材育成そして、DX企画や施策そのものの推進に取組む事が必要となります。
弊社では、これまでの様々なクライアント企業の皆様へのご支援実績を体系化し、DXに関する課題に対応する形で、DX推進のためのサービスメニューを展開しています。

図2

また、サービスメニューだけでなく、「プロジェクト型」「伴走型」「ファシリテーション型」「運営型」「トレーニング型」「診断型」と提供形態も多く揃えており、それぞれ以下のような特徴を持っています。

【プロジェクト型】
主に、弊社コンサルタントが主体となって検討のベースを用意・提示し、プロジェクト参画者と検討しながら推進する形態

【伴走型】
進め方や検討手法を共有しながら、弊社コンサルタントとプロジェクト参画者が一体となって推進する形態

【ファシリテーション型】
主に弊社コンサルタントが検討や議論を促し、プロジェクト参画者が主体的に検討を進める形態

【運営型】
主に弊社コンサルタントが、施策間の関係性や施策の推進状況等を管理し、状況に応じた打ち手を組織的に推進するための形態

【トレーニング型】
DXに必要となる基本的なスキルや企画力向上のための場を設置し、弊社コンサルタントよりその内容を提供する形態

【診断型】
DXに関する取組み状況や組織の状態から、弊社コンサルタントが、強化や取組みが必要な要素を明確にするための形態

サービスメニューは、クライアント企業の課題に対応するものと捉えられますが、提供形態は、クライアント企業の状況に応じて選択する形をとる事が出来ます。サービスメニューと提供形態を組合せる事で、多くのバリエーションを展開しています。
例えば、「なかなか自社内でDXの企画が具体的にならない」という課題の場合、メニューとしてはビジネスモデル仮説立案のお話をしますが、「ゆくゆくは自社内で企画をし、推進できるようになりたい。」という要望をお持ちのケースでは、ファシリテーション型を選択します。すなわち、ビジネスモデル仮説立案をファシリテーション型でご支援するという事になります。これにより、ご支援の中でクライアント企業の皆様にも方法論や進め方をご理解いただき、成果物の作成方法等のイメージを持つ事が出来ます。
このように、課題に対するサービスと組織の状況や人材スキルの状態に対する提供形態を組み合わせる事により、クライアント企業に最適な形でのサービス提供を可能にしています。

さらに、DXアクセラレーションのサービスは、個々に独立したサービスでもありますが、それぞれが関係したサービスでもあります。図2にあるように、DXの施策は様々な課題から体系的な取組みとして捉える事ができるのです。

図3

次回以降では、それぞれのサービスの概要やアプローチについて、ご紹介していきたいと思います。


アットストリームコンサルティング株式会社
DXアクセラレーションサービス

問い合わせ先:scnote@atstream.co.jp


投稿者:
アットストリームコンサルティング株式会社 ディレクター 北山 雄介

㈱長谷工アーベスト、不動産系SI会社、PCWORKS(現㈱ベイカレン
ト・コンサルティング)、日立コンサルティングにて様々なプロジェクトの企画・実行を経験し、アットストリームへ参画。DXアクセラレーションサービス責任者。


図1:経済産業省の「DX推進指標」を元に、アットストリームコンサルティング株式会社にて作成(引用元:経済産業省「DX推進指標(サマリー)」)

図2:代表的な課題及び企業・組織の取組みに対するアットストリームコンサルティングのDXアクセラレーションサービスメニュー

図3:アットストリームコンサルティングが提供するDXアクセラレーションサービスの全体像