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スポーツベッティングのデータカンパニー Genius Sports (旧 DMYD)の可能性について調べてみた

こんにちは

 Genius Sports( $GENI ) がそろそろSPAC上場します。最初、Genius Sports のニュースを見た時とあまりピンと来なかったのですが、もともとは DMYD という銘柄で じっちゃま がSPACのニュースの際に推薦されていた銘柄でした。

 当時(自分がやっている)楽天証券やマネックス証券で買うことできなかったので、ずっと放置していました。そのため、これを読んだのをすっかり忘れていました。ということで、今後SPAC上場で銘柄が変わり、きっとこれらの証券でも銘柄を取り扱ってくれるだろうという期待のもと今回は調べてみたいと思います。

結論、短期的な上昇はないかもしれませんが、長期的に5-10年をみた時には非常に伸びそうな会社でした。

 なぜこの会社に興味を持ったかというと、映画「マネーボール」を観て以来スポーツとデータの繋がりがとても大事だと感じていたからです。当時のスポーツはデータを取得しても、使い方について深く分析されていませんでした。そうした中、この映画では、徹底的に勘や経験を排除して、データのみに基づいて、ブラッド・ピット扮する新しいGMがデータに基づいてチームを優勝?に導くという物語に感動を覚えました。

 そして、近年の「データサイエンス」ブーム!!下記の記事でもあるように全米で最高の職業は「データサイエンティスト」です。かく言う私もすこしIBM SPSS Statistics とか、Tableau Public といったツールを少し触っていたことがあります。

 そうしたこともあり、データを扱って分析して、新しい発見を見つけたり、企画を提言していくことはとてもセクシーなのではないかと思っています。とりわけ中でもスポーツデータはとてもHotな分野だと思っています。加えて、ドラフトキングのような賭け事でのビジネスの拡大が増えると、ますます価値が高まります。日本でもミクシィのTIPSTAR(競輪)サイバーエージェントのWINTICKET(オートレース)などIT企業がこぞってオンライン投票事業を推し進め拡大しています。だからこそこの会社を調べてみたいと思いました。

 なお、加えて、今回出されたF-4を読んでいると、DMYDの SPAC合併において、Genius Sportsで良いのかどうかを精査したのは、Goldman Sachs & Co. LLC だそうです。それも調べるモチベーションになりました。

1 どんな会社なの?

まず、このYouTube動画がとてもイメージしやすかったです。

とてもワクワクする動画です!

 動画を観ていて感じたことは、ベッティング事業は、賭博という表現を使えばよくないイメージが強いですが、多少なりともお金をかけて遊ぶことにより、そのスポーツに興味をもったり、のめり込んで応援したくなり、視聴モチベーションが上がるという点ではポジティブに捉えれるのではと思いました。そして、そのスポーツの視聴者層や関心層が増えていき、結果として、そのスポーツ産業全体が盛り上がるのでかなりwin-winな関係だなと思いました。そうした中で、賭ける人が定量的に評価・分析したりしする際に、信頼できる正確なデータがとても大事であると。

 つまり、スポーツにおいてデータとは、その「産業を盛り上げる核である」と言えるかと思います。

■ 事業内容

 では、今回は、Genius Sports が2020年12月に発表した資料を中心に分析していきたいと思います。まずは、ミッションとビジネス方針を確認します。

【ミッション】スポーツ、ベッティング、メディアをつなぐグローバルエコシステムを強化する公式のデータ、テクノロジー、商業パートナーになる

【ビジネス】私たちは公式のライブスポーツデータを収集し、そのデータとミッションクリティカルなテクノロジーをそれなしでは実行できないスポーツブック(掛け場)に提供します

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「データの獲得(Dara Acquisition)」「データの収益化(Data Monetization)」というのが柱となっています。

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2021年のKPIとしては下記が設定されています。

✔️ 売上190m$(200億円くらい?、参考までにドラフトキングスの2021年のアナリスト予想売上は、848m$なので、その4分の1程度)
✔️ 29%の年成長率(アメリカ国内のベッティング成長予想は31%)
✔️ 24万以上のスポーツイベントのカバー
✔️ 17万以上の公式権利を持ったイベント
✔️ 11万以上の独占権利イベント

を目指しています。

 では具体的にどのような企業や団体と連携しているのでしょうか。

 下記はGenius Sportsのスポーツデータを軸としたエコシステム形成イメージを示した図です。青色の左がスポーツパートナー、右側がオンラインベッティングをはじめとした事業パートナーです。

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左側のスポーツリーグパートナーは400を超えます

 後述で記載しますが、契約パートナーの有名グループには、EPL(プレミアリーグ/  English Premier League )、NBA(北米男子プロバスケットボールリーグ/ National Basketball Association )、NCAA(全米大学体育協会/ National Collegiate Athletic Association )、PGA(PGAツアー/ Professional Golfers' Association)、FIBA(国際バスケットボール連盟)、FIFA(国際サッカー連盟)、セリエA (イタリアプロサッカーリーグ)などがあります。そして、アイスホッケー、バレーボールなどを含む様々なスポーツを多数の地域でカバーしています。

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 そして、スポーツブック(賭け)パートナーは300を超えます。

 Geniusは、次のような300を超えるスポーツブックブランドの顧客と関係があります。世界的なスポーツブックとしては、Fanduel、 BetfairPaddy Power 、Sky Bet 、 BetMGMLadbrokes and Coral  (all GVC/Entain), DraftKings,、bet365William Hill そして、 888  などがあります。また、 Scientific GamesIGTKambiSBTech といった、B2Bのプラットフォームにも提供しています(こうして並べると、ドラフトキングスは、多くの中の一つです)。まさにスポーツブック界のインフラとなっています。

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 Genius Sportsは、さらに、100を超えるメディアや広告業の顧客がいます。例えば、アメリカのゲームブランドとして知られる BetMGM、CaesarsBetAmericaGolden Nugget、DraftKings、FanDuel、William Hill、Delaware NorthUnibetなどです。そして、 bet365、PlayOjo、Unibet をはじめとしたヨーロッパやアフリカのスポーツベッティング、iGamingブランドとも提携しています。また、主要な世界的なメディアである CBS や MSN(マイクロソフト)にも情報を提供しています。

 また、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)や、ロサンゼルス・ドジャース、ヒューストン・アストロズ、サンディエゴ・パドレスを含む20以上のメジャーリーグベースボール(MLB)のスポーツ施設にもデータを提供しているようです。

 Genius Sportsは、こうしたスポーツ団体やスポーツブックと深い長期的な関係を築いています。そして、顧客の事業成長を目指し、ミッションクリティカなテクノロジーや、ライブデータなどをベースとした関係性を顧客と結んでいます。これらのパートナーシップを通じて、深い技術的つながりとサービス依存を生み出し、結果として、高い参入障壁の設定と、非常に低い顧客の解約率(Low Churn)に繋がっています。

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 テクノロジーとビジネススケールによっておこる高い参入障壁と低い解約率を支えるのは以下のような数字です。

 6大陸全体の従業員は1,500名弱。そのうち、テクノロジーやトレーディングに携わる社員は450名弱、それを支える7,000名の統計学者やエージェントの協力、長期間契約を結ぶスポーツやスポーツベッティングパートナーは650以上、110m$(約115億円)以上の投資を行ってきました。

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 こうした拡大していくテクノリジーや、スケール規模は参入障壁を高くし、また解約率低下を推し進めます。

■ 歴史

 Genius Sports の歴史について触れておきます。以下が年表です。点線がGenius Sportsを立ち上げた期間、点線より左が前身となるグループ会社です。すでに設立してから20年経っています。じっくりと育ってきた企業です。

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 当社は、現在のCEO(最高経営責任者)であるMarkLockeによってソフトウェア会社として共同設立されました(会社名はbetgenius)。スポーツ賭博データの集計に特化したものです。その後、スポーツブック(賭博場)に対して、アウトソーシングのオッズメイキングソリューションを提供するになりました。その後、同社はスポーツやメディアテクノロジー会社へのソフトウェアプロバイダーへと拡大しました。そして、2015年にGenius Sports Groupが設立されます。
 ゲーム内でのベッティングボリュームが拡大していくにつれて、ベッティング顧客のポートフォリオが増えていていきました。同社とそれを率いるチームは、ライブスポーツデータの重要性を認識し、Geniusがライブデータ収集からゲーム前およびゲーム内のオッズメイキンまでのバリューチェーン全体を所有およびコントロールできるように、技術開発をはじめました。すでに$110 million以上の投資をその分野に行いました。なおこれらの費用の一部は、2015年よりGenius の投資パートナーであるプライベートエクイティファームのThree Hills Capital Partners(THCP)から提供されました。THCPは、また、新しい領域への戦略と戦略的買収への資金調達も後押ししました。

 Three Hills Capital Partnersとは、ヨーロッパを中心に投資を行っているファウンドで同企業が投資する20社には、他には、長靴で有名なHUNTER、日本食のWAGAMAMAなどが含まれます。

 2018年9月、Apax FundsはGeniusの過半数の持分を取得し、約3500万ドル 追加の資本がビジネスに投資されました。それによりGeniusは、会社の成長を加速化させるために、人材や主要なスポーツリレーションシップに投資できるようになりました。キーパートナーとして、Apax Fundsは、会社のグローバルオペレーションの再編成、マネージメントチームの強化、Geniusの買収戦略を実行や組織の成長をサポートしました。

 Apax Fundsは、ロンドンを中心としたプライベートエクイティファームで約133社に投資しています。日本だとグロービスと共同で設立したファンドがあります。投資リストを見ましたが僕はあまりわからずでした・・。

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2 市場規模

 では、次に具体的な数字で把握していきます。そもそもスポーツデータ事業はどの程度あるのでしょうか?

■ スポーツ市場とは・・

 スポーツ市場を考える上でのポイントとしては、全体がどの程度で、どの地域で人気なのか?どのスポーツの市場規模が大きいのか?ということだと思います。こちらを参考にします。

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 これは、スポーツイベント収入をしめした表ですが、右肩上がりで上がっていきます。2020年はコロナによる影響があったため2022年には復活して、2024年には、310億ドルに達する見込みです。

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 また参加人口は、2022年で3億人です。グラフ的には収入に比べると緩やかに伸びている印象です。詰まるところ、下記のグラフのように顧客単価が上がります。

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 さて、では、次のスポーツ産業が盛んな国はどこだろうということで、下記の表をご覧ください。

 1位は、ダントツのアメリカで100億ドル、次いでイギリスと中国が10〜15億と続き、日本、カナダと続くようです。

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なぜ、そうなのかな・・と以下の記事を参考にすると、

 アメリカのスポーツビジネスの市場規模が大きい要因は、 メジャーリーグベースボールやナショナルバスケットボールアソシエーション、ナショナルホッケーリーグやナショナルフットボールリーグなどのプロリーグがあること。また、アメリカの大学スポーツも大きな市場規模を作っていて、4大プロスポーツよりも人気があるといっても過言ではありません。

 なお、statistaからアメリカの市場について補足すると、「スポーツイベント参加者人口は、2024年までに4420万人、一人当たりの平均収入は約275ドル、年代別でみると、35-44歳が最も多いシェアで27.1% 、次にほぼ同率で25〜34歳」のようです。

では、次に世界軸でみるとどのようなスポーツが流行なのでしょうか?

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(引用:http://www.netimperative.com/2019/09/30/top-7-sports-worldwide-globalisation-creates-85bn-rights-market/)

 1位ダントツで、フットボール(サッカー)で53%2位は、アメリカンフットボールの17%3位はバスケットボールで16%4位は野球の8%です。これをたしあげると、94%を占めます!ほぼこれで網羅されてしまいます。つまりはこれらの4大スポーツリーグを抑えていけば、かなりの優位性があるといえます(ヨーロッパは、ほぼサッカーらしい)。

 サッカーで言うと、FIFAや、ヨーロッパリーグ(プレミア、セリエA、リーガエスパニョーラなど)、アメリカンフットボールはAFL、バスケットボールはNBA、野球ばメジャーリーグです。この時点で、それらをほぼ抑えているGenius Sportsはかなり強そうです。

 どこかのnoteで書きましたが、スポーツ中継といえば、Disneyの傘下であるスポーツ放送局のESPNが、ストリーミングサービスのESPN+をやっていて、現在会員1,000万人を突破しています。

■  スポーツベッティング市場の成長性

 しかしながら、全世界におけるアメリカのスポーツ市場高いにもかかわらず、アメリカ国内のスポーツベッティング市場はまだまだ育っていません。この表は全世界のスポーツベッティングのシェアと伸び率を示したグラフです。

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 2020年時点では、アメリカの市場(濃い青)は20億ドルであり、全世界の6.4%しか占めていません

 なお、2020年の310億ドルから25年には590億ドルまで伸びるとされる中、USのGAGRが31%と非常に大きく、80億ドルと4倍まで伸びるとされ、非常にポテンシャルはあるといえます。アメリカが育っていないことには要因がありました。それは、アメリカ国内での規制です。

 アメリカで規制が解かれたのは2018年、そこから徐々に合法化され出しました。しかしながら、現状はまだ全ての州では承認されていません。なお、下側の記事に、下記のようなことが書かれており、非常に伸びそうであるということは裏付けられています。

◆米国最大のスポーツイベントは、最大のギャンブルイベント
 アメリカ・ゲーミング協会(AGA)によると、2020年のスーパーボウルには、昨年より300万人増となる2,600万人が賭けに参加し、68億ドルが賭けられると予想されています。これは、10人に1人以上のアメリカ成人がスーパーボウルで賭けをしていることになります。
 アメリカ・ゲーミング協会に代わって調査を行ったMorning Consultによると、スーパーボウルに賭ける2,600万人のアメリカ人のうち、400万人近くが実店舗のスポーツブックで賭けを行います。これは昨年から25%増加しています。また、500万人近くがオンラインやモバイルで国内の合法的なブックメーカー、または、違法なオフショアのブックメーカーで賭けを行います。これは昨年から19%増加しています。
 上記を足し合わせても900万人にしかならないのですが、残りの1,700万人は、いわゆる非合法のノミ屋、パーティーやイベントでのゲーム、または、家族や仲間内での気軽な賭けとなっています。

 この章の最初に、アメリカでのスポーツイベント参加人口が4400万人と書きましたが、スーパーボウルでさえ、900万人しか参加していないということは、今後かなり伸びそうであることは伺えます。

つまり、アメリカはスポーツ産業大国なのにも関わらず、スポーツベッティング産業は赤子状態で、かなり伸び代があるといえます。

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3 現在の売上

■ Genius Sports の売上

 では、そうした市場を踏まえ、Genius Sportsのビジネスの数字の現状をみていきます。

 まず過去からの推移です。2016年の42m$から、現在の予測145$まで成長しました。過去5年でみると250%増、2019年比較でみると25%の成長率です(コロナ禍でスポーツイベントがキャンセルされた中でも大きく伸びています。)。内訳としては、経常収益が全体の60%です。また上位10%の顧客で全体の30%の売り上げを占めています。少数に特化するのではなく満遍なく数字を上ていることが伺えます。

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 一方で、費用については下記のような構成になっております。データ制作・配信コスト29%、権利料30%、人件費30%、管理費14%です。今後の成長における課題としては、権利料の高騰があげられます(しかしながら、収入の伸びに対して、支出はそれほど増えないだろうと後述で述べられています)。

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 権利料をもう少しブレイクダウンすると、Genius Sportsはさまざまなスポーツ団体・リーグを4つのカテゴリーで分けています。

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 特に一番上にある、Tier1 に属するリーグ(プレミアリーグやNBA)は権利料としても非常に高く、競争市場となっております。なお、Tier2より下のランクは技術提供と引き換えにロングタームで権利を獲得しやすい市場(技術提供と権利料のバーター契約?)となっております。
※技術提供というのは、Genius Sports が独自に開発したスポーツデータ収集システムではないかと推測

 下位のランクは一度捕まえれば、長いリレーションが築けるので、ポイントとしては、いかにトップリーグとの強い関係性を今後も維持し、拡大していけるかが、Genius Sports 成長の軸となることが伺えます。

また彼らの2020年のKPIとしては、

■ 24万以上のスポーツイベントのカバー
■ 17万以上の公式権利を持ったイベント
■ 11万以上の独占権利イベント

があげられていました。

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 これによると、2019年時点は、14.7万件のイベントの公式の権利をもったイベントを取り扱ってきました。2020年はそれが、17.2万件を見込んでいるということになります。成長率でみると17%増です。売上の25%増より低いことから1イベントあたりの収益単価が上がっていることが伺えます。

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4 成長予測

 では、Genius Sportsとしてどこに注力しているのでしょうか?今後の成長戦略をみていきます。

 まず、Genius Sportsの2022年までの成長予測は、平均29%です。現在着地見込みが、145m$であり、2020年→2021年は31%、2021年→2022年は25%です(内60%は、契約のミニマムギャランティーで補償されているそうです)。比べてEBITDAをみると、2022年に急激に上昇しているので、ブレイクポイントがこのあたりにあるのだと思います。

 なお、成長率の数字が、アメリカの市場規模平均成長31%に近いことから、アメリカ市場を重視しているのかと推測します。

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 では、その238m$をどのように組み立てるかを表したのが下記のチャートです。AからEまで軸があります。

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 まず最も大きな「C」はスポーツベッティング企業からの収入増加です。これは、顧客からの収益ではなく、ストーリーミングやリスクマネージメントといった追加のサービス提供です(左記2つのサービスは7章に後述)。次に「A」は顧客からの収益です。これはスポーツベッティングの世界的な自由化によるおこる新規・既存顧客の成長です。例えば、新しい地域で規制が解かれたらそこに参入する企業がでるので、そうしたことを指しています。「D」は、メディアや、マーケティング・広告等での仕様による利用料、次の「B」は、オフィシャル権利をもつイベントの顧客利用増加、そして、最後の「E」はスポーツリーグや、団体からの追加収入になります。

 これをみると、スポーツベッティング市場の成長が鍵となり全体の6-7割程度を占めていそうです。

 そして、それらを実現しいく上で、USマーケットでは下記のような方有心をもって取り組みを行っていきます。

1  トップリーグとの関係強化
2  高い競争市場に対する完全なビジネスモデル(データシステムの強化)
3  B2Bモデルのアップサイドを狙う(顧客からの利用ロイヤリティーだけでなく追加システム含む)
4  合法化の加速化

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 また、現在の収益比率の観点からの成長ビジョンも描いています。

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 現在の売り上げの73%を占めるデータ事業では、ポテンシャルとしては、US、ラテンアメリカ、アジアでの展開、10-12%のネットゲーミング収入、スポーツブックへのソリューション提供があげられます。メディアでは、アドテク広告の推進、ストリーミング市場では、20以上のスポーツブックストリーミングとの統合の可能性があります。

 これをみると、データ事業の売り上げ拡大がキモだと思われ、まだ展開していない事業へどう広がるのかもポイントだと思います。

 そして、これらとは別に下記の成長戦略プランも検討しているようです。ポイントは3つです。

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1 権利戦略の加速化
・・・革新的な投資モデルを介して資金調達または収益を必要とする複数のスポーツをターゲットにする 

→ これはマイナーであったり複雑なスポーツのことでしょうか

2 テクノロジー&コンテンツM&A
・・・主要なスポーツへのリーチを深めるため、新興テクノロジー企業を買収。大規模で相乗効果の高い事業を買収する。
3 メディア M&A
・・・重要な収益化の機会を作るため、スポーツ関連の重要なオーディエンスを持つデジタルメディアビジネスを買収する、新興のスポーツベッティング市場において、関連性の高い消費者層へのアクセスを活用する

 基本的にはすべて、M&Aの買収計画です。

 そして、2020年のSPAC発表以来すでにM&Aでは、Sportzcast Incを買収しています。他にも事業を伸ばしているようです。

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5 競合状況

 では、Genius Sportsにはどのような競合があるのでしょうか・・下記のSPAC発表時のニュースから抜粋します。

 Genius Sportsは、40%の市場シェアを持つナンバーワンのスポーツデータ権利所有者です。 Genius Sportsは、Sportradarと並んで、スポーツデータ市場におけるフルサービスプロバイダーを提供している2社のうちの1つです。

 つまりは、Sportradar がド競合のようです。

 Genius Sports が提供しているサービス比較表です。もはやSportradarとしか比較する必要がないかと思いながらみていくと、「Sport league services」の部分ではGenius Spots が優勢「Streaming Solutions」の部分では、Sportradarが優勢であることが伺えます。

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 実際に下記ニュースのように、NBAは両社ともにパートナーシップ契約を結んでいます。

 そう考えると、今後トップリーグは、1社独占ということはないかもしれないので、サービスや技術力強化=いかに良い使いやすいデーターを取得し提供することができるかがポイントなような気がします。

 以下は具体的に目論見書で語られている差別化ポイントです。こちらで補足します。

 当社は、最も直接的で関連性のある競合他社を Sportradar、IMGArena、および Stats Perform と見なしています。
 ほとんどの場合、Geniusは少なくとも1つの競合他社と一緒に顧客にサービスを提供します。その競合他社は 独占的および非独占的なデータ権利の独自のポートフォリオを持っています。そしてスポーツブックが一つのプロバイダーに独占的にデータを提供することを同意することはめったにありません。
 たった1つのプロバイダーとの契約としてしまった場合、プロバイダーは幅広いベッティング市場を提供できなくなり、それらは競争上の不利益をもたらします。
 スポーツデータ業界の主な差別化要因には、スポーツデータの権利の広さと深さ、主要なサービスの信頼性、スポーツブックやリーグとの関係、統合の容易さ、拡張性などがあります。
 Geniusの製品、サービス、経験、および企業文化により、Geniusはこれらすべての要素で効果的に競争することができます。

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6 社長やメンバーはどんな人?

 次に毎回個人的に好きな章でw、この会社の運営メンバーをみていきます。

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Mark Locke (41) Chief Executive Officer

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 2000年に前身となるBetgeniusを立ち上げる、そして、スポーツ・データ・賭博の繋がりに着目し、2015年にGenius Sports Groupを作ります。Australia and Europe,の買収を通して Americas, Asia Pacific and Africaなどへの拡大していきました。彼のビジョンは、プレミアリーグ、NBA、NCAA、MLB、PGAツアー、ブンデスリーガ、セリエA、FIBA、NASCARなどの数百のスポーツ運営団体にも共有されている。
 さらに、スポーツ技術、完全性、規制に関する世界的な専門家として認められ、業界や規制、政策のフォーラムに定期的に参加し、スポーツの完全性を強化するための教育と技術の両方の必要性の高まりについて語っています。活動例には、米国下院の商務、製造、貿易に関する委員会への証言が含まれています。そして、英国のデジタル、文化、メディア、スポーツ省とのブリーフィングも行う。彼は、プレミアリーグ、アメリカンゲーミングアソシエーション、MGMリゾーツインターナショナル、リーガ、コロンビアのゲーミングオーソリティの専門家とともにスポーツインテグリティ委員会を率いてきた。

 調べていると過去の企業実績などもありません。F-4を見ると41歳と書かれています。若いw。この企業をスタートで始めているのかもしれません。なお、ニュースを掘り返していたら、写真は5年以上前のものであることがわかりました・・

Nick Taylor(46) Chief Financial Officer

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Oct 2019 – Present Chief Financial Officer @Genius Sports Group
Jun 2017 – Sep 2019 CFO @wagamama
May 2014 – May 2017 Director of Operational Finance @Travelodge Hotels Limited
Jan 2013 – Apr 2014 Senior Vice President, Finance @Millennium & Copthorne Hotels
Mar 2010 – Dec 2012 Finance Director @Monitise
1996 – 2010 Senior Manager @KPMG UK

 前職は日本食レストランの”wagamama”でCFOをされていました(Genius Sportに投資したTHCPも投資している会社)。調べたところ上場企業経験はありませんが、Wagamamaの当時在籍されていた時代の投資家向け資料をみるととても見やすい内容でした。

Steven Burton (49) Chief Operating Officer

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Couchmans LLP(スポーツ専門法律事務所)の元パートナーであるStevenは、「スポーツデータの分野で最も重要な法的権威な人物」として認められています。彼のクライアントには、主要な国際スポーツ連盟やリーグが含まれています。例えば、Premier League, the Football League, the ATP Tour, the International Tennis Federation, The Football Association of Ireland そして Football DataCo など。

2004 – 2009  Legal Director, Sports @Addleshaw Goddard
Sep 2009 – Aug 2016   Partner & Head of Sports Data, Betting & Integrity @Couchmans LLP "The UK's leading sports boutique" (Legal 500)
Aug 2016– Present Director, Integrity, Governance & Sports PartnershipsManaging Directorを経て、Chief Operating Officer @Genius Sports Group

 一貫してスポーツメディアで法務に関わってこられた方のようです。

Jack Davison (44)Chief Commercial Officer

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Oct 2002 – Aug 2011 Commercial Director @Press Association
Sep 2011 – Jul 2012 Commercial Director @Satellite Information Services Ltd. (SIS) 
Jul 2012– Present Chief Commercial Officer〜Managing Director @Betgenius
& Chief Commercial Officer @Genius Sports Group

 スポーツメディア(データ)に関わってきた方のようです。前職の PA Mediaは、現在スポーツの報道だけでなく、ベッティングも事業としてやっています。

 その他の方々には、Christopher Dougan (Chief Communications Officer)さんというバークレー大学出身で15年以上PRをマネージメントしてきたスペシャリスト、Campbell Stephenson(45) (Chief Information Officer)さんという20年以上技術アドバイザーやコンサルタントを行ってきた方、Tom Russell(General Counsel)さんというDLA Piperというローファームでシニアアソシエイトとして、スポーツやメディア、コマーシャル業界に携わってきた方々が名を連ねます。

 そうしたことをみると、長年スポーツやデータ業界で働いていた人が集まる集団のようです。そして、調べていたら日本にもスタッフがいました!現在日本のBリーグ(バスケットボール)と商談をしているようです。

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7 (補足)サービス紹介

 ここでは、目論見書にあった提供サービスの説明を抜粋します。ただ実際にイメージをみないと自分で書いていてもクリアには想像できません。ただ言えることは、スポーツリーグだけでなく、ベッティング企業にも技術サービスを提供し支援していることが伺えます。

■ ライブスポーツデータ

 ライブマッチデータの高速で信頼性の高いフィードのことです。これはGeniusの提供するテクノロジーを使用して、世界中のスタジアムから1秒以内に直接配信されます。これらのリアルタイムデータポイントは、スポーツブックには、年間240,000を超えるイベントにおいてゲーム内でのベッティング市場のオッズを作成に役立ちます。

■ ゲーム前およびゲーム内のオッズフィード

 独自の数学アルゴリズム、400人以上の専門的なトレーディングチームそして、堅牢なテクノロジーによる作られる自動化されたオッズ作成の組み合わせにより、Geniusは、スポーツブックの顧客に代わって、全体のスポーツベッティングのライフサイクルを管理します。これは、イベントの作成、オッズの設定し、ゲームの展開に合わせてリアルタイムでのオッズ管理を含みます。そして、スポーツブックがユーザーのアカウントを更新できるようにベッティング市場を設定します。
 Geniusのバックエンドシステム内での顧客による構成により、スポーツブックはユーザーベースに合わせた体験を生み出せます。

■リスク管理サービス

 Geniusは、リアルタイムマネージメントを全てのスポーツブックの責務の管理を提供します。それは、顧客プロファイリング、入ってくるベッティングの監視、賭けの自動受け入れと拒否、および制限設定を含みます。リスク管理は、その収益性を保護するため、スポーツブックの運用の重要な部分です。

■ライブストリーミング

 何千もの公式ライブストリーム、そのほとんどはGeniusが結ぶ、Tier2から4のスポーツリーグとの公式パートナーシップから派生しています。そして、それは、Geniusテクノロジーを使用して、世界中のコートサイドとピッチサイドで獲得されます。このサービスは、Tier 1ストリーミングコンテンツと比較した場合、コスト効率の高い方法で、オフピーク時にベッティングの魅力を高め、スポーツブックのハンドルを動かすようにするように設計されています。

 これは、どんな時でもスポーツベッティングが楽しめるようにしているというイメージでしょうか。

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8 まとめ

 最後にまとめていく前に、目論見書に記載していた、強みと成長戦略を振り返ってみます。

■ 強み

 ● 公式のベッティングデータの最大のポートフォリオ

 データ資産を管理するスポーツリーグの数の増加とゲーム内ベッティングの急速な成長の組み合わせにより、公式データの価値が高まり、取得が困難になっています。 10年以上にわたって構築されたGeniusのポートフォリオの規模は、このトレンドの最前線にあり、主要な競合他社との重要な差別化要因です。

● 市場をリードするデータとテクノロジー

 Geniusの通貨はリアルタイムデータです。その価値は、ミリ秒単位で膨大な量のデータポイントをキャプチャ、処理、および配布する会社の能力に由来します。これには、機械学習と複雑な分析機能に加えて、非常に堅牢なテクノロジーが必要です。

● スケーラブルなコアシステム

Geniusのコアシステムは非常にスケーラブルであり、顧客の継続的な成長、スポーツイベントの報道、および賭けの種類のボリュームをサポートします。同社のテクノロジーフレームワークは標準化されており、それにより、ビジネスにおいて、低い増分コストで複数のスポーツリーグをサポートできます。

● 経常収益の大きなシェアと低い解約率を伴った、長期契約による良好な収益の可視性

 Geniusはスポーツブックやスポーツの権利所有者と長期契約を結んでおり、歴史的にも低い解約率を維持してます。 Sportsbookの契約は、期間中(通常、3〜5年)の最低支払いが保証されるように構成されているため、収益の可視性が高くなります。Geniusの収益の約60%は、契約上の最低保証に関連する経常収益によるものです。 Geniusの契約は、またアップサイドなレベルで構成されています。それは、GGR(Gross Gaming Revenue)の増加、新しい市場への拡大、およびより多くのイベントの利用を通じてパートナーが成長するにつれて、Geniusにも利益を得ることができるようなります。

● 高い営業レバレッジを備えたスケーリングされたコスト構造による営業利益の改善

 Geniusは、拡張性の高いテクノロジーとソフトウェアアーキテクチャによって推進される大幅な規模の経済の恩恵を受けます。データの作成、取引、ホスティングの費用など、会社の運営費用(支出)の約70%は、収益よりもゆっくりと増加すると予想されます。

● 豊富な経験と成功の実績を持つ世界クラスの経営陣

 Geniusは、強力な成功の実績を持つ経験豊富な経営陣によって率いられています。エグゼクティブチームは、グローバルなスポーツ、ベッティング、iGamingの各セクターにおいて豊富な経験を持っています。経営陣は、過去10年間にヨーロッパで規制環境が成熟するにつれ、ビジネスを有意義な成長に導くことに成功し、米国やラテンアメリカを含む世界中の発展途上市場に展開していくのに適した立場にあります。 Geniusの共同創設者兼CEOであるMarkLockeは、スポーツテクノロジー、誠実さ、スポーツ賭博の世界的な専門家として認められています。

■ 成長戦略

 Geniusには、既存の顧客とともに成長するための複数の手段と、継続的な顧客およびパートナーの買収戦略があります。

● グローバルスポーツベッティングの成長を活用

 既存の顧客の成長ともに我々も成長します。通常、顧客契約の賭けには、収益や利用されるイベントの数や質に関係なく、Geniusへの何らかの形の最小限のコミットメントが含まれます。
 ただし、これらの契約はいずれも、Geniusの全製品をお客様に提供しているではありません。その結果、Geniusのベッティング顧客契約は、顧客が拡大および成長するにつれてさらに拡大する可能性があります。これは、顧客が米国などの新たに規制された市場に移動するときに特に当てはまります。米国は、複数の州でスポーツくじを合法化するための法律を引き続き承認することが期待されています。

● Geniusのプレゼンスを拡大し、成長市場で新しい顧客を獲得

  Geniusのスポーツリーグとの強力なパートナーシップ、データドリブン型マーケティング製品、およびB2Bスポーツベッティングプラットフォームプロバイダーとの既存の関係により、当社は高成長の地域で大きな競争上の優位性を獲得しています。 Geniusは、英国の重要なスポーツブックの大多数に好まれるデータサプライヤであり、これが新しい市場でうまく適用できると予想しています。
 さらに、当社は将来を見据えたライセンス戦略を持っています。 Geniusは、米国の10州での供給がすでに許可されており、スポーツ賭博を合法化するすべての州でライセンス供与される予定です。 Geniusは、近い将来、スポーツベッティングの自由化の可能性があるドイツなどの国でも同様のライセンス戦略を採用することを予想しています。 Geniusはまた、米国の3つの部族管轄区域で供給する許可も持っています。

● スポーツの権利とイベントの利用の増加

 世界中のスポーツリーグとの強力なパートナーシップを発展させ続けます。 Geniusは、会社の権利ポートフォリオとスポーツブックへの提供を強化するという点で、世界中の注目を集めるスポーツとTier1以外のスポーツの両方の権利を戦略的に取得します。 Tier 1以外のスポーツでは、Geniusは引き続き積極的に「コントラ(contra)」モデルを展開し、テクノロジーとソフトウェアソリューションと引き換えに長期契約を獲得します。

● 隣接する獲得可能な市場機会の拡大を利用する能力

  iGamingなどの他の初期の業界が成長するにつれて、Geniusは、そのテクノロジーと既存のディストリビューションを活用して、その製品を新しい業種に拡大する機会を得られます。

● イベントの利用率の向上 

 Geniusは、サービスの需要と顧客数の増加に伴い、スポーツイベントの利用が歴史的に大幅に増加しています。当社はこの成長が続くと予想しており、これによりより強力な営業レバレッジが生み出されます。

● プライスエスカレーターとウォレットシェア

 ベッティングテクノロジー、コンテンツ、サービスに関するGeniusの顧客契約の多くには、すでにプライスエスカレーターシステムが組み込まれているため、契約期間を通じて顧客からの収益とプロダクトコミットメントが拡大します。
 付加価値サービスを拡大し、財布のシェアを増やします。 Geniusは常にサービスをスポーツブックに拡大しています。たとえば、当社はストリーミングおよびリスクサービス機能を開発し、商品化を行いました。これらおよびその他の業種が成長および発展するにつれて、当社はこれにより顧客のウォレットのシェアを増やすことができると考えています。

● メディアと広告

 スポーツベッティングやiGamingを超えて、ダイナミックで調整されたデジタルマーケティング機能を拡張します。 Geniusのアドテクソリューションは、ゲームの統計やリアルタイムの賭けのオッズを含む関連するマーケティングメッセージをスポーツファンに届けるために、数十のスポーツブックによって展開されています。Geniusは、ノンベッティングブランドがスポーツの生中継に対して行うオンライン広告キャンペーンにおける当社能力の価値を認識し、デジタルマーケティングサービスの顧客基盤を多様化できるようになると期待しています。

● スポーツテクノロジー

 スポーツに面した技術とサービスの追加開発。 Geniusのスポーツに直面するテクノロジーとサービスの幅広さの継続的な開発は、同社が提携するスポーツリーグの数だけでなく、既存および新規の顧客に提供する製品の数を拡大することを期待していることを意味します。これは、スポーツリーグとの長期的で粘り強い関係をさらに構築するための成功要因です。

● 戦略的買収

 戦略的買収を選択的に実施します。 Geniusは、株主に長期的な価値を提供すると信じている買収の機会を探しています。主な焦点は、製品とテクノロジーの提供を改善する小規模で補完的なテクノロジー企業にあると予想されますが、当社はまた、大きくより変革的な機会の活発なパイプラインを維持に努めます。例えば、2020年12月、Geniusは米国を拠点とする企業であるSportzcastを買収しました。この企業は、独自のデバイスを構築して供給しています。

 以上が、目論見書からの抜粋になります。かなり前章に書かれていたことの重複にはなりますが、改めてポイントを理解して行けたかなと思います。

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 ということで、個人的なまとめをすると以下になります。

✔️ スポーツデータの取り扱いは、他との差別化ができ、参入障壁が高く、他の企業に脅かされるリスクが少ない。時間経過とともにその価値が伸びる。そして、長期契約等により解約リスクが低く、一度締結すれば売り上げが減ることはなさそう

✔️ 現状はTOPリーグやトップベッティング企業との契約に注目。その契約状況(継続か否か)や権利料金(ディール条件)には注目したい。また、スポーツベッティング企業に対してのサービス導入による売り上げがどこまで上がるかもポイント

✔️ TOPリーグは、データの独占契約が難しく、いかに競合企業に比べ使いやすいデータが提供されるか(=技術開発)
 
✔️ その他の小さなリーグの成長には時間がかかる。技術提携含めロングテールで付き合っていくことが大事(売り上げにはなかなか結びつかないだろうう・・)。また、日本のように行政縛りや人脈が必要な部分が多いところもあるので、金だけでどうなるとも言えない(ジーニアスが入れない部分もある)

✔️ 短期的に見ると、アメリカでの市場成長がポイント。規制が緩み、スポーツベッティングができるエリアが伸びると、わかりやすく市場は伸びそう。

✔️ 株価の上昇という点では、単体だけでのビジネスの上昇幅は推測の限りなので、自分たちのポートフォリオを活かしたMAによる事業拡大がハネるきっかけになる

✔️ 例えば、それを考えるとeスポーツ分野の進出もある

 なお、リスクも記載しおきます。目論見書などをみていて特に気になった部分の抜粋です。

✔️ インサイダーなどの違法が起こったら、一気に信頼が墜落する

✔️ 4年に1度しか行われない五輪やワールドカップなどスポーツイベントの実施状況に合わせて収益が変動する。例えば今回のような東京五輪の延期などのようなことが起これば大きく収益を落としてしまう

✔️ 最近、英国の広告慣行は、スポーツ賭博の広告を禁止する新しい規則を推奨。カジノ等と同じくギャンブルと見られる場合には規制が強くなる場合もある

✔️ 世界各国のプライバシー情報の取り扱いに関する規制の強化により、広告等の事業で影響が出るかもしれない

✔️ データセンターとしてはAWS(Amazon Web Servies)を中心に使用。もし障害がでれば大変。また利用料の引き上げなど起これば大変。なお、データセンターはロンドンにある

✔️ 純損失が大きく、まだ赤字企業。2019年は$40.2 million・・これからの伸びに期待。

 ということで、まだまだ成長段階の企業だけど、長期的にみたら安心して伸びていくなのかなと思います。決算状況を追いかけながらのんびり持つには良さそうです。

 では、長文をお読みいただきありがとうございます!スポーツベッティング市場を理解するきっかけになれば幸いです。個人的にも色々発見があってよかったです!

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