見出し画像

サウナの聖地、しきじ@静岡市・敷地

最近銭湯、とりわけサウナから水風呂のルーティンで"トトノウ"ことにハマっており、都内を中心に日本各地の銭湯に積極的に訪問するようにして、貴重なリラクゼーションの時間になっている。そんな中、数々の口コミや友人談を元に、静岡にある「しきじ」というサウナにずっと行ってみたいと思っていて、念願叶い、訪問することができた。なぜしきじは聖地なのか。サウナ聖地たる所以が多少わかった気がしたので記録のために記します。


(1)しきじの立地・行き方

新幹線の駅でもある静岡駅から南に4km、徒歩だと45分くらい、バスだと20分といった距離感で、近くには弥生時代の集落・水田遺跡で国の特別史跡で有名な登呂遺跡があるが、基本は住宅街で特に周辺に趣は感じられない。
行きは徒歩、帰りはバスを使った。
静岡市は静岡駅の北側に駿府城はじめ、県庁や古くからの飲食店・商業施設があり、賑わいを見せるエリアである。

城の西側の安生地区に多数あった製茶問屋から清水港まで茶葉を運ぶ目的で1907年に設立された静岡鉄道もJRの北側を走る。
要は南側は趣が少ないという印象です。1世紀ごろは違ったのかもしれませんが。聖地とは多少辺鄙な場所にあるものかと。


因みに、「しきじ」という店名は、周辺の地区が敷地という名称であることから来ていると思う。駐車場の容量も大きく、県外ナンバーの車も多くとまっていた。

静岡県静岡市駿河区敷地2-25-1
Tel:054-237-5537
営業時間:24時間営業・年中無休(直近のコロナ禍では変わっています)

しきじの外観:昭和61年(1986年)創業とのこと

(2)施設の概要・料金

1階に受付・ロッカー・脱衣所、サウナ・浴場があり、2階にはお食事処・休憩室がある。入り口には多数の芸能人や俳優のサイン色紙が飾られている。
コロナ禍ではあったけど、連休の中日に行ったこともあり、賑わっており、ロッカーのキャパシティから待ち時間も生じていた。店員さんは忙しいながらもハートフルな接客をされており、好印象を持った。
20-30代男性の客層がメインという感じで、他の銭湯・サウナとは異なる印象(女性も多かった)。メディアで取り上げられるようになり、60代男性がメイン顧客だったところから大きく変わったよう。
料金は以下の通り。

  • 男性:1600円(館内着、フェイスタオル・バスタオル付)、平日1400円

  • 女性:900円(同上)

男性と女性の料金が異なる理由は明らかではないが、需給バランスとサウナ・浴場の大きさと思われる。聞いた話では、女性の方が諸々のスペースが小さい印象。
都内でも入浴+サウナで1000円未満が大半なので、通常よりも強気な値段設定をしていることはわかる。と言っても、他のエンターテイメントに比べるとだいたい2時間くらいの滞在時間単価からするとサウナはお値打ちではあると思う。

(3)お風呂・サウナの概要


ロッカー・脱衣所から浴室に入った瞬間、昼間の綺麗な光が差し込んで、大勢の人が浴室内のベンチやプラスチックチェアに腰かけてトトノッテいる様子が目に入った。混雑しており、サウナに入るのも待ち状態があった。お風呂は3種類、サウナは2種類あった。ドライサウナのフィンランドサウナは15名くらいは入れたと思う。

  • お風呂:天然水水風呂、漢方薬草風呂、ジャグジー風呂

  • サウナ:薬草サウナ・フィンランドサウナ

体を軽く洗って、まずはジャグジー風呂に入った。いわゆる普通のお風呂なのだが、この一瞬の感覚がすべてだったと思う。明らかに水の質が違う!
水が掴めるような感じで、水なのに固形感が強いため、ネトネト感がなく、すごく鮮度の高い水に浸かっているような印象を持った。

その後、フィンランドサウナ(ドライサウナ)に入って、水風呂に浸かることを繰り返したが、水風呂が格別だった。注がれている水は飲めるし、持ち帰ることができる。

当然毎回水風呂に入るときは勇気と共に、凍える瞬間が徐々に下半身から頭のてっぺんまで連なり、水風呂に包みこまれてゆくのだが、この感覚が他の銭湯・サウナとは違った。そして、身体への馴染み方がものすごく心地よかった。
滞在中に水風呂の水を一度リセットして、また戻す作業をされており、衛生・鮮度維持の観点で信頼を持てた。

薬草サウナでは、しきじ監修で韓国の漢方薬をベースにシナモンやハーブ系の薬草をふんだんにブレンドされた蒸気が充満されており、かつてモロッコのスークやイスタンブールのバザールに一足踏み入れた時のあの香辛料のオリエンタルな匂いが凝縮された空間があった。
これも聖地ならではの細部にも拘るクオリティの高さを感じられた。

各種漢方薬の成分一覧(しきじパンフレット抜粋)

(4)使用されている水

使用天然地下水は、長い歳月をかけて地下深層部でろ過されているため水の粒度が細かく、天然ミネラル成分もバランス良く含まれているとある。
天然地下水成分表をみたが、他の有名な日本の飲料水よりもカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれているため、硬度(※)が高くなっている。

(※)硬度=カルシウム×2.5 + マグネシウム ×4.1 (単位:1リットルあたりmg)
⇒要すれば、カルシウムとマグネシウムの含有量が多い水が硬度が高い。一般に言われるミネラル分の要素としてこれら2つの成分も含まれる。

しきじの地下水の硬度は他より高い⇒84

このような貴重な水が水風呂の上からは滝のようにふんだんに降り注ぎ、浴場を包み込んでいる。天然イオンとも呼ぶのか、ミストが浴場内を満たしており、体内に入ってくる水分が全て貴重なものに思った。
サウナで汗を大量排除、水風呂内で肌から水分を吸収し、口と鼻で空間の地下天然水に触れた状態でトトノイながら体内に戻していく。いわゆるデトックス循環が空間形成されているのも聖地たる所以なのだろうか。

薬草サウナはそれらの水を蒸気で満たした空間でものすごく熱くて、自身の肌には少々攻撃的すぎたので、大半はフィンランドサウナの下段で過ごし、TV放映中のサッカーを見ていた。水風呂~トトノイ椅子の時間は至福だった。
薬草サウナでも十分に耐えうる精神および肉体の鍛錬が必要という課題は残った。聖地では簡単に楽しませてはくれないことも事実。

(5)休憩室・お食事処

昭和61年頃創業のしきじの2階は休憩室とお食事処になっている。男女別の空間であり、おそらくお食事処の厨房は両方にリーチできるような仕様になっているのだろう。いわゆる昭和感が残る佇まいで、皆さん思い思いの時間を過ごされていた。

休憩室はこんな感じで、全体ではこの2.5倍ほどのスペースがある
食事はかなり力を入れているみたい(無添加・無着色・無香料をアピール)

(6)最後に:「しきじ」の訪問をおすすめするか

東京都内からの訪問でしたが、正直行ってよかったと思いますし、サウナ好きの友達にはしきじの訪問をお勧めします。

  • 水風呂のクオリティと地下天然水のイオン空間(明らかに水の質が違う)

  • 2つのサウナを堪能し、究極のデトックス空間

  • 昭和ロマンの空間を愉しむ(休憩所・お食事処)

自身もそうでしたが、静岡駅の北側の歴史エリア等の小旅行とセットにすると効率的に訪問可能です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?