4/14 高すぎる金利と遠くの戦争(金利低下は夏以降か)
こんばんはアトレです。
今日はミキティ似の女医さんを背景に、相場で傷んだ心を癒したいという趣旨でお送りしたいと思います。
先週は4月相場前半戦のメインイベントのCPIを終えて、予想を上回るインフレ率に対して株価は下落、翌日PPIで予想を下回り逆に上昇という流れから、イスラエルとイランの緊張状態が高まり、一気にVIXが跳ね上がって株価が下落という流れでした。
本日はこんな感じです。
1.急落相場に対する結論
2.インフレと金利に対する考察
3.絶対知っておきたい夏からの警戒ポイント
1.結論
まず最初に結論申し上げると、「遠くの戦争は買い」という言葉があり、米国、及びS&P500主要企業の業績に顕著な影響がない限りは、米国株価は調整後に買われる展開になるというのがこういう事件が起きた際のセオリーです。このロジックは、戦争というのは、「どこまで発展するか分からない」というのがポイントなのです。
『荒れる京都の繁華街の夜』凶悪事件が多発...「肩ぶつかった」暴行で兄を亡くした男性『似たような事件が続いているのは悲しい』 | 特集 | MBSニュース
このように、人は肩がぶつかった程度のハプニングから
文句→口論→殴る→もみ合う→傷害→殺人
とその場の空気ややりとりで程度が大きく変わります。つまりどこまで大きな事件に発展するか分からない、という究極の不確実性が起きる事で株価が下落し、ゴールドや債券に資金が移動する訳です。
これが国と国との場合、周辺国が参加すると世界大戦になるリスクもある訳で、大切な資金を一旦引き上げる、という投資家/投資機関の回避行動から株価が落ちる訳ですが、「意外となんともなかった」、という事になれば平穏に戻る訳で、先ほどの資金は徐々に株式市場に戻る訳です。
今回のケースで行くと、米国が表に立って止めに入っており、イランもヒートアップしない姿勢になったと見られるので、すんなり収まるかもしれません。VIXの動きを観察し、低下するところを見極めたいですね。
上記は2022年2月24日のロシアによるウクライナ攻撃の時点のVIX(ローソク足)とオレンジ線(S&P500)の動きです。攻撃開始から一気にVIXが上がり、その語急落した為にオレンジの株価の方が急騰した様子が分かります。
VIXが下がる=想定内の範囲に収まったという事を意味するようです。
2.インフレと金利に対する考察
今回、CPIの予想こそ値を外してしまいましたが、やはり上昇するような環境ではないという事は想定通りの動きでした。恐らくは先週のnoteの通り、中長期的なインフレ懸念が付きまといます。
①原油、食料、住宅のインフレにおける最も影響度合いの高い3つが上昇基調
以下は青線=WTI原油、オレンジ線=DBA(農業ETF)となっており、共に24年に入ったところから急騰中。この先、米国が利下げして経済成長に拍車をかけられるかはこの数字が下がるかどうかにかかっており、上昇し続けると高い金利がいつまでも足かせになると思われる。
また、不動産価格指数のZillow指数は7月から反発中で、インフレ低下とはなかなか行かない様子。
②消費と貯蓄の関係
以下は青線=個人貯蓄率、オレンジ線は個人消費支出のグラフ。
過去約1年を見渡すと、個人消費が伸び続け、貯蓄率は1年前から減少しているという逆相関。支出が増えるから貯蓄が減るという当たり前の現象ではあるが、ポイントは貯蓄率が減っている所である。
今は失業率が歴史的に低く、経済もM7と呼ばれる米国代表銘柄が右肩上がりの好決算を維持しているタイミングであり、後述の通り、S&P500企業はむしろ今から収益成長が加速すると見られている。つまり経済は強い、と見られている中で貯蓄率が減るというのはシンプルに「インフレ下で現金は持っておくより株、住居、貴金属などに換えた方が資産が増加する」という行動原理が働いていると言えるかもしれません。
もしかしたら、貯蓄できないほど経済が弱ってきていると見る事もできるかもしれませんが、例えばリーマンショックの時なんかは貯蓄率が上昇しており、この値は下降する方が経済に追い風が吹いている時と考える事もできそうです。
尚、以下のデータはサンフランシスコ連銀によるパンデミック期間中に米国のバラマキ政策で国民に蓄えられた過剰貯蓄の推移です。21年8月にピークを迎え、24年2月時点でそれがゼロ近くになっているのが分かります。
Pandemic-Era Excess Savings - San Francisco Fed (frbsf.org)
これには2つの見方があります。
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